
「今決めた方がいい理由」って、どう伝えればいいんでしょうか?
● 質問
「今決めた方がいい理由」って、どう伝えればいいんでしょうか?お客様に早く決断してもらいたいとき、どうやって背中を押せばいいのか分かりません。
「今が買い時です」とか「このタイミングを逃すと…」という言い方は、場合によってはプレッシャーに聞こえてしまってお客様が離れそうで怖いです。
● 回答
次の3つを軸に何を話すか考えてみましょう。
- どのお客様に対してもいえる理由を具体的に丁寧に伝えているか?
- 営業マンのためというのが1ミリでもあればお客様は察するので、そうなっていないか?
- 本当にお客様のためになると営業が思えているか?
実際、これって現場でもよくある悩みだと思うんです。大事にしたいのは、誰にでも共通する“自然な理由”を、自分の言葉で伝えること。私自身、いままで次のような経験がありました。具体的な事例を3つお伝えします。
1つ目:求人を扱っていた営業マン時代の話
私が求人を扱っていた営業マンの時代のことです。求職者に対して、「来年4月に転職したいのなら7月から12月にかけて転職活動をしてください。来年1月から動いていると目ぼしい求人は充足してしまい、希望が叶いませんよ。」こう伝えると、求職者(お客様)の顔が変わったんです。
転職活動の時期をおさえるだけで1番の希望に近づけられるならそのほうがいいですよね。
これは求人を出しているお客様に対しても同じようにお伝えしていました。「競合の少ない7月から12月のうちに求人を出しておくことで求職者を獲得しやすくなる」という言い方です。どのお客様にも共通して伝えられる強力な理由でした。
2つ目:自分が家を買ったときの話
2013年、私は自宅を購入しました。なぜあのタイミングだったかというと、5%から8%にあがる“消費税増税の前”だったからです。
「同じ家を買うのに、たった数ヶ月で数十万円も変わる」って分かってたら、人って“今のうちに動こう”と思えるんですよ。
これはお客様にも当てはまる話です。特に価格や支払いが関わる商品であればあるほど、響きやすい。
3つ目:YAMAHAのアルトサックスを買ったとき
私、サックスが趣味なんですけど、アルト・サックスを買うときに店員さんが言ったんです。
「YAMAHAのアルト・サックスは、毎年ほぼ確実に3~5万円価格が上がってるんです」
これ、シンプルだけど、かなり刺さりました。「だったら今買わなきゃ損だな」って、自然に思えたんですよね。
これは商品によってはそのまま使えるし、「値上げの傾向がある業界なんですよ」と言うだけでも、お客様の背中を押せる材料になる。最近では資材の高騰で何から何まで値上げの連続ですよね。あなたの商材も物価の高騰に大きく影響するのであれば、理由のひとつにはるはずです。
お願い営業されて車を買った話
10年以上前のクリスマスに正規カーディーラーの営業マンから電話があり「木村さん、数字をなんとかやらないといけなくて。いまの車を下取りして同じ型を新車で買ってもらえませんか?」といわれました。私は驚きつつも「とりあえず話を聞きますよ」と伝え、翌日の夜、営業マンが私の自宅を訪れました。玄関先で事情を聞き、購入を決断。「いままでお世話になってますし、OKです」と伝えました。
このような事例は珍しいと思います。よっぽど人間関係ができていないとお客様は首を縦に振らないでしょう。
まとめ:誰にでも伝えられる理由を、あなたの経験と言葉で
営業マンのためというのが1ミリでもあればお客様は察してしまいます。営業マンの話しぶりや表情や話の内容からお客様にその気持ちが自然と伝わってしまうんです。
なので本当にお客様のためになると営業が思えているかが重要です。「お客様のためにこの理由を伝えている」と思えないようならその理由は考え直すべきです。競合に乗り換えられる可能性があるからです。不信感や疑心暗鬼に思われてしまうと元も子もありません。
最終的にはお客様に判断してもらう、この決意を固めておきましょう。中立的でなければお客様は「売られた」「買わされた」と感じてしまうからです。
無理に煽る必要はないんです。でも、“動くべき理由”が腑に落ちれば、お客様は自然と動いてくれます。
お客様に話す前にじっくりと考えてみましょう。
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