
お客様が住宅ローンの支払いで破産するのではと心配なのでうまく聞く方法はありますか?
● 質問
お客様が住宅ローンの支払いで破産するのではと心配なのでうまく聞く方法はありますか?
地方の工務店の営業マンをしており子育て世代にマイホームを販売しています。打ち合わせを重ねる中で要望を反映していった結果、気がつけば4600万円の家を建てることになりました。
月々の返済が13万円、ボーナス払いが20万円なので、お客様は将来的に払えないのではないかと心配しています。
お客様に予算の面で大丈夫なのかどうか、うまく聞きたいです。何か手はないでしょうか?
● 回答
あなたはお客様への配慮や気遣いができる素晴らしい営業マンだなと私は思います。お客様のことを本当に考えているからこそ、将来的にお客様が大丈夫なのかどうか心配になるのは当然だと思います。
対処療法として、下記の質問が考えられます。
- 「ご予算的に払っていけるかどうかという不安は感じておられますか?」
- 「将来的に支払いの面でご不安なことはありませんか?」
- 「住宅ローンについて気にされていることはありますか?」
- 「今のご提案内容でローンの支払いに無理がないか、ご家族でじっくり話し合われましたか?」
- 「もし今後、収入や働き方が変わった場合の備えについて、何かお考えはありますか?」
自問自答して欲しい3つの質問
上記は対処療法として質問を記載させていただきました。私からは上記のような質問をお客様に投げかける前に、あなた自身に自問自答して欲しいと思います。
- お客様の将来の年収を100%断言できますか?
- お客様の現在の年収が将来に及んで続くと思っていませんか?
- お客様が心の底で思っていること望んでいる未来を知っていますか?
お客様の将来の年収を100%断言できますか?
あなたは10年後、20年後のお客様の年収を断言できるでしょうか?
あなたはお客様の将来どのような立場になっているか、どのような役職になっているか断言できるでしょうか?
お客様が現在、会社員であったとしても将来は起業する可能性もあります。現在は平社員でも部長になったり社長になったり専門職になったりして年収が上がることも考えられます。
お客様の現在の年収が、将来にわたって続くと考えていませんか?
お客様の現在の年収が将来にわたって続くことは断言できません。現在の年収から上がる可能性もあれば下がる可能性もあります。
本人がどのような年収を望むのか、働き方も含めて、無意識のうちに職場や役職を選択している場合があります。
お客様の現在の年収をそっくりそのまま将来にわたって反映させることはできません。
お客様が心の底で思っていること望んでいる未来を知っていますか?
お客様の志や、将来お客様がどのように生きていきたいのか、をご存知でしょうか?そのお客様がどのような気持ちで将来を考えているのか、具体的に聞かせてもらっていますか?
実はここが一番の肝です。お客様の考え方や生き方を知ること、さらにお客様がどのように生きていきたいのかを知ること、その上であなたが役立てられる分野つまりマイホームがどのような価値になるのか。逆転営業術ではアプローチの第2段階で、お客様の考え方や生き方に深く触れていきます。お客様の人生の将来にわたる延長線上の中に、あなたが提供しているマイホームという商品サービスがあるのです。
たとえば「お客様がマイホームをもつことでどのような未来を実現したいですか?」と質問したらどんな答えが返ってくるでしょうか?
- 「毎朝、妻の手料理を食べて”いざ”という気持ちで玄関を出て会社に行きたいですね」
- 「自分の城をもって足元を固めて自分の仕事にもっともっと専念したいですね」
- 「ゆったりと子どもの笑顔を見られる広々としたマイホームで癒やされたいですね」
もしかしたらマイホームを購入することによって、お客様自身の励みになり、より成果を上げ、年収が将来にあたって上がっていく可能性もあります。マイホームはお客様の人生の一部なのです。自分の体の一部といっても過言ではありません。
このように考えていくと冒頭で申し上げた対処療法としての質問がいかに浅いかがわかるかと思います。お客様の思いや描いている未来を聴かせていただければ、自然とそのような不安が消え去ります。「お客様の描いている未来を、私の分野でお手伝いしたい」という気持ちに営業マンがなってくるからです。私たちが営業の現場でやるべきことはその場その場の対処療法ではなく理論に基づいた体系的な学びの中で得た技術を実践することです。このような技術を会社で教えてくれればいいのですが、そこまで教えてくれないのが実態です。
私自身もマイホームを31歳のとき購入しました。67歳まで住宅ローンの支払いがあります。当時の私の会社の定年は60歳でした。でも私は「子どもたちの笑顔が見られる環境を作って、家族みんな幸せにひとつ屋根のしたで暮らしてもっともっと仕事をがんばるぞ」という思いで決断したのを覚えています。実際にそれがいま叶っています。住宅メーカーの営業さんは私の思いなど聞いてくれませんでしたが、住宅メーカーには感謝しています。
基本があってから応用です。まずは逆転営業術のアプローチの第1段階~第3段階の技術を身につけましょう。


最新記事 by 木村まもる(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)
- お客様が住宅ローンの支払いで破産するのではと心配なのでうまく聞く方法はありますか? - 2025年4月14日
- 新卒スマホ販売員の接客で感じた「7つの失敗」〜ただ乗り換えしたかっただけなのに疲れた話〜 - 2025年4月13日
- テレアポのテストクロージングが簡単になる言葉はありますか? - 2025年4月12日