売上を安定させる営業マインドセットの作り方

なぜ営業マインドセットが売上に直結するのか?

営業で伸び悩む人の多くは、「売上を上げたい」という強い気持ちを持っています。

しかしその想いが強すぎると、逆に空回りしてしまうこともあるのです。

目の前のお客様に「売らなきゃ」と必死になることで、気づけば“押し売り”になってしまっている。これが信頼を遠ざける大きな要因です。

目先の売上を追うと、営業は空回る

「この商品、本当にいいんです!」と熱く語ってしまう。

「ぜひ一度、お話だけでも…」とお願いする。

でも、お客様が何を求めているか分からないうちに語っても、意味がないんです。

営業とは──

  • どんなことで困っているのか?
  • 何を望んでいるのか?

このような「欲求ニーズ」を聞き出して初めて、「それならこういう方法がありますよ」と提案するのが、本来の形です。

売上を上げようとして焦ると、かえってキャンセルやクレームにつながってしまうこともあります。

売る前に、まず“聞く”を徹底する

「売りたい」と思ったら、まずやるべきことは──

“聞くこと”です。

お客様が今、何を考えているのか。何を望んでいるのか。

その“心の中”を引き出すことが、信頼の第一歩です。

たとえば、お客様から「とりあえず説明してください」と言われたとき、ただ説明を始めるのではなく、

「どういったことを望まれているのか、何かお困りごとはありますか?」

と一言添えるだけで、商談の空気は大きく変わります。

説明は、相手のニーズに合ってこそ価値を持ちます。合っていないと感じたら、説明しない勇気も必要です。

売り込む営業 vs 役立ちたい営業

「うちの商品、本当にすごいんです!」

「他社よりもお得なんです!」

こうしたアピール型の営業は、売り込みの印象を与えてしまいます。

一方で、お役立ち営業とは──

  • 「今、どんなことをお考えなんですか?」
  • 「どんなことが実現できたら理想ですか?」

というような質問が中心です。

お客様が「この人は話をちゃんと聞いてくれる」と感じると、自然と信頼関係が生まれるのです。

結果として、感謝され、紹介され、追加提案も受け入れてもらえる。売上も安定していくという好循環が生まれます。

営業マインドは“毎朝”つくるもの

理屈では理解していても、現場ではプレッシャーや忙しさで忘れてしまうもの。

だからこそ、毎朝「お役立ちマインド」を自分に言い聞かせる習慣をつくりましょう。

  • 今日は誰の役に立つのか?
  • 売るためではなく、喜ばれるために行動する

この“心の軸”を持つことで、どんな場面でもブレずに成果が出せるようになります。

私自身も、数字を追いすぎて苦しかった時期があります。断られるたびに自信を失い、どんどん営業が嫌いになっていったんです。

でも「お客様のため」に切り替えたとき、不思議なくらい成果も感謝も増えていきました。

5分後からできるアクション3つ

最後に、売上安定のマインドセットを定着させるための、“5分後からできる行動”を3つご紹介します。

  1. 朝の出発前に「今日は誰の役に立ちに行くのか?」と自問する
  2. 商談前に「何を望まれていますか?」の質問を1つ用意しておく
  3. 商談終了後、「役立てたか?」を1行メモで振り返る

この3つを毎回繰り返すだけで、営業の質が確実に上がっていきます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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