営業で送った資料のリンクを開けないと言われた時の対応
資料の再送前に確かめる閲覧の条件
商談後に資料を送り、お客様から「リンクを開くと、アクセス権が必要ですと表示されます」と連絡が来た。こんな時に同じURLだけを送り直しても、相手が読めるようになるとは限りません。営業側で共有先を確かめ、相手が利用できる方法で届け直しましょう。
メールが届いたことと、資料を読めることは別です。自分の画面では開けても、お客様には閲覧権限がないかもしれません。資料を読めない間は、内容への感想や検討結果を求める前に、閲覧できる状態にしましょう。
こんな人におすすめの記事です。
- 送った資料を開けないとお客様から連絡を受けた方
- Google ドライブの共有リンクを商談後に送る方
- 社内で資料を回覧してもらう予定がある方
これから一つひとつ見ていきましょう。
送信者側で確かめるファイルと共有先
最初に、送信済みメールのリンクが、渡す予定だった資料を指しているか確かめます。古い提案書や社内用の原稿を開いていたら、権限を追加する前に送るファイルを選び直す段階です。共有設定だけを急いで変えると、見せる予定のなかった情報まで渡してしまいます。
Google ドライブから送った資料なら、そのファイルの共有画面で見るのは、相手のアカウントと権限です。Google公式ヘルプでは、特定の相手との共有と、リンクを知っている人が開ける共有を区別し、閲覧・コメント・編集の権限も説明しています。URLを知っているだけで、必ず読めるわけではありません。
提案内容を読んでもらう目的なら、まず閲覧に必要な範囲を確かめます。お客様に原稿を直接直してもらう約束がないのに、開けない問題への対処として編集権限を付けるのは目的と合いません。ファイルが正しいか、誰に見せるか、何をしてもらうかを合わせるのです。
自分で開く確認だけでは、相手の閲覧確認の代わりになりません。所有者のアカウントでは、共有先に含まれない人の状態を再現できないからです。社内で試す時も、機密情報を別の個人アカウントに送って試すのではなく、会社が認める検証方法を使いましょう。
画面の表示と利用アカウントの聞き方
共有先に相手を登録していても、相手が別のGoogleアカウントでリンクを開いていると、資料にアクセスできないこともあるのです。Google公式ヘルプでも、複数のアカウントがある場合は、共有されたアカウントでログインしているか確かめるよう案内しています。会社のメールを読むアカウントと、ブラウザーで選ばれているアカウントが同じかを確認する場面です。
ただし、「違うアカウントで開いていませんか?」と決めつけて聞くと、相手の操作ミスを探す会話に聞こえかねません。「画面にはどのような案内が出ていますか?」と尋ね、表示が分かってから、こちらの共有先と照合します。相手のパスワードや認証コードを聞く場面ではありません。
相手に頼む操作も、こちらの確認が済んだ後に一つずつ伝えましょう。例えば、「こちらでは、お知らせいただいた仕事用アカウントに閲覧権限を付けています。今お使いのアカウントで開けるか、確認をお願いできますか?」と伝えるのです。相手が別の仕事用アカウントを使うなら、共有してよい宛先かを確かめてから登録します。
アクセス権のリクエストが届いた時も、届いた名前だけで承認せず、商談相手が使うアカウントかを確認しましょう。公式案内では、リクエストのメールにアカウントの名前やメールアドレス、ファイル名などが含まれると説明されています。別の人からの申請なら、その人にも渡してよい資料かを判断する必要があるのです。
再送を急ぐ前のロープレ
大西直樹さん(仮名、旅行会社の法人営業担当)が、社員研修旅行について提案書を送る場面で練習します。総務担当者から、資料のリンクを開けないと連絡が来ました。最初に謝って同じメールを再送するだけでは、どこを直したのか相手には分かりません。
大西さん「お手間をおかけしてすみません。画面には何と表示されていますか?」
総務担当者「アクセス権が必要です、と出ています」
大西さん「こちらの共有先を確認します。資料を見る時に使う仕事用のアカウントは、お知らせいただいた宛先と同じでしょうか?」
総務担当者「部署の共通アカウントを使っています。商談の連絡は私個人の仕事用アドレスで受けています」
大西さん「それでは、部署の共通アカウントにも共有してよいか確認して対応します。宛先を確認できる方法でお知らせいただけますか?」
この会話では、総務担当者の「アクセス権が必要です」という表示と、大西さんが登録した共有先を照合しています。部署の共通アカウントを使っているからといって、その場で共有を約束するところまで急がなくてよいのです。見積金額など、誰まで見せてよいかに関わる情報もあるため、共有範囲は社内で確認しましょう。
ロープレで見るのは、相手に操作を頼む前に、自分が直せる設定を確かめたかどうかです。相手に何度もログインや再読み込みを頼んでいたら、その直前の返答から練習し直します。丁寧な謝罪を増やすより、どちらが何を確認するかをはっきり伝えるほうが、相手は待っている理由を理解しやすいでしょう。
逆転営業で相手の現状を聞く姿勢は、資料が開けない場面でも同じです。商品の説明に戻る前に、相手が今どこで困っているかを聞きます。ただし、この場面の目的は購買意欲を探ることではなく、資料を読めるようにすることです。開けないという事実から、提案への興味が薄いと推測するのは早すぎるでしょう。
会社の制限がある時の受け渡し方法
共有先を直しても解決しない時は、会社が定めた共有条件も調べましょう。Google公式ヘルプでは、ファイルの所有者が仕事用アカウントを使っていると、組織のポリシーによって共有できない場合があると説明しています。送信側である自社の組織外共有の条件から確かめましょう。一方、お客様の会社でも外部資料の受け取り方法が決まっているかもしれません。営業担当だけで原因を断定せず、自社で調べる内容と、相手の担当部署に確認してもらう内容を分けましょう。
相手の会社が決めた制限を、個人のメールアドレスや私物の端末で回避してもらう提案は避けます。「御社で受け取れる方法を教えていただけますか?」と尋ね、相手が使える受け渡し方法に合わせるのです。自社のルールにも合うことを確かめてから、添付ファイルや指定の共有サービスなどを選びます。
PDFをメールに添付すれば済むかどうかも、相手側の受信条件次第です。Gmail公式ヘルプでは、添付できる容量を超えたファイルはGoogle ドライブのリンクに置き換わると案内しています。添付したつもりでもリンクになっていれば、同じアクセス権の問題を繰り返しかねません。送信画面で、実際に添付されているかを見ておきましょう。
別の形式で送り直す資料にも、最新の提案内容が記載されているかを確認します。共有リンク先の文書を更新した後に、以前保存したPDFを添付すると、相手に異なる金額や条件が渡りかねません。ファイル名と更新日だけで判断せず、見積金額や対象商品の記載を、今回送る版と見比べましょう。
また、画面で読める権限と、印刷やダウンロードの可否は分けて確認します。上司に紙で回覧する予定なら、画面で開けたという返事だけでは受け渡しを終えられません。Google ドライブでは、閲覧者の印刷・コピー・ダウンロードを所有者側で管理できるためです。お客様が何に使うかを聞いたうえで、自社が許可できる利用方法を伝えるのです。
添付へ変更する時も、社内用の注記や他社の情報が混ざっていないか、送るファイルを開いて確かめます。リンクの権限を直す作業と、資料の内容を確認する作業の両方を済ませてから送信しましょう。
再送の本文には、何を直したかと、相手に確かめてほしいことを書きます。「共有先を確認し、閲覧できるアカウントを修正しました。お手数ですが、提案書を開けるかご確認をお願いいたします」のような文面です。原因が未確認なら、修正済みとは書かず、「こちらで共有設定を確認しています。確認後に改めてご連絡します」と伝えれば、相手も回答を待てるでしょう。
開けることが確認できてから、資料の内容について話します。社内会議が迫っている場合は、資料を届け直せる見込みも伝え、当初の日程で検討できるかを相談しましょう。相手が資料を読めなかった時間を、そのまま検討時間に含めて催促するのは負担です。
営業Q&A
担当者は読めても上司が読めない時はどうしますか?
担当者から上司に資料を転送していただきましたが、上司はリンクを開けないそうです。私は担当者にだけ共有していました。上司のアドレスを教えてもらえば、そのまま共有してよいのでしょうか?
回答
まず、上司にも見せる予定の資料かを担当者と確かめ、自社で共有できる範囲を確認します。担当者からメールを転送してもらっても、上司のアカウントに閲覧権限が付くとは限りません。資料の内容と宛先を照合し、必要な人を個別に追加するか、会社で認められた回覧方法を選ぶのです。
共有した後は、担当者に、上司も読める状態かを確認してもらいましょう。最初から社内検討用の資料なら、送信前に「社内では、どなたがこの資料をご覧になりますか?」と聞いておくと、受け渡しの段階で宛先を相談できます。上司への説明内容に困っている場合は、営業で資料送付後に止まったら読まれた箇所から話すも参照してください。
送信前に決める回覧先
資料を開けないと連絡を受けた時の、共有先の照合と届け直しの進め方を解説しました。相手が読めたところまで確かめてから、提案の話を続けましょう。
- 送ったファイルと共有先の照合
- 表示内容と利用アカウントの確認
- 会社が認める方法での資料の受け渡し
次に資料を送る時は、社内で回覧する相手がいるかを送信前に尋ねます。読む人が分かっていれば、送る前に共有先も決められるのです。
木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント)
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