お客様の犬に好かれようとして失敗?訪問営業で避けたい3つの行動

「お客様の犬と仲良くなれたら、商談も進めやすくなるかもしれない」

犬のいるお宅を訪問するとき、そんな期待を持つことはありませんか。

愛犬を大切に思うお客様の気持ちに、関心を向けるのはよいことです。ただ、犬に好かれようと頑張りすぎると、お客様に気を使わせてしまう場合があります。

訪問の目的は、お客様の相談に応え、必要な説明をすることです。犬との交流を、無理に成功させる必要はありません。

今回は、訪問営業で避けたい3つの行動と、その代わりにできることをお伝えします。

1.自分から距離を詰め、交流を急ぐ

犬を見つけた瞬間に名前を呼び、近づき、手を伸ばす。犬が離れたら、さらに追いかけてしまう。

親しみを示しているつもりでも、相手の様子を確かめる前に進めてしまっています。

犬が好きな方ほど、「きっと仲良くなれる」と考えるかもしれません。しかし、訪問先では、その犬の普段の様子や、初対面の人への接し方がわかりません。

まずは、お客様が案内してくださる位置で待ちましょう。

「こちらにいて大丈夫でしょうか?」

そう確認すれば、お客様も「そのままで大丈夫です」「少し待ってください」と希望を伝えやすくなります。

犬が近づいてきても、触れてよいと自分で判断せず、お客様に尋ねます。逆に、犬が離れていったら、そのままで構いません。

帰るまでに触れられなくても、営業上の失敗ではありません。無理に近づかず、お客様に余計な心配をさせなかったなら、それで十分です。

これは商談にも通じます。こちらが親しくなりたいからといって、相手も同じ速度で距離を縮めたいとは限りません。相手の反応を見ながら進めましょう。

2.おやつや独自のしつけで、気を引こうとする

犬と仲良くなるために、おやつを用意する。言うことを聞いてもらおうと、「おすわり」「待て」と指示を出す。

こうした行動も、自分の判断では行わないようにしましょう。

お客様には、食事やしつけについての考え方があります。訪問者が知らないルールもあるはずです。

たとえ犬が喜んでいるように見えても、それだけでお客様も歓迎しているとは言い切れません。断りづらくて、黙って見ている場合も考えられます。

特に、お客様が犬を落ち着かせようとしているときは、横から呼んだり、指示を重ねたりせず、対応をお任せしましょう。

「私はこちらでお待ちしますね」

この一言が、役立つ場面もあります。

また、「うちの犬には、このやり方が効いたんですよ」と、頼まれていないしつけの助言を始めるのも控えたいところです。

自分の経験を話すことと、その家の犬に合う方法を判断することは別です。お客様が大切にしているやり方へ、訪問早々に踏み込む必要はありません。

営業でも、相手の事情を十分に聞かず、「これが正解です」と答えを出すと、話がかみ合わなくなります。何かしてあげる前に、その行動が求められているかを確かめましょう。

3.犬の反応を、商談の評価に結びつける

もう一つ避けたいのが、犬の反応を営業の成果と結びつけることです。

犬が近づいてきたから、「お客様にも受け入れられた」。吠えられたから、「今日は印象が悪い」。

そう考えると、その後の営業姿勢まで不必要に変わってしまいます。

犬が懐いたように見えても、商品やサービスを検討する理由が増えたとは限りません。反対に、犬が吠えていても、それだけでお客様がこちらを警戒しているとは判断できません。

冗談の言い方にも気を配りましょう。

「ワンちゃんも気に入ってくれたので、ご契約ですね!」

場を和ませたいつもりでも、お客様が笑って返さなければならなくなります。契約の判断を軽く扱われたように感じる方もいるでしょう。

商談で確認するのは、お客様自身の考えです。

「ご説明した内容は、ご希望に合っていますか?」
「気になっている点を、もう少し伺ってもよろしいでしょうか?」

犬との交流で空気が和やかになっても、必要な確認は丁寧に行います。費用、条件、実施時期などを整理し、判断していただけるようにしましょう。

犬に気を取られて聞き漏らした内容があれば、その場で確認し直して構いません。曖昧なまま話を進めるより、その方が誠実です。

お客様の犬に好かれることを、訪問の目標にする必要はありません。

距離を急に詰めない。家の方針へ勝手に踏み込まない。商談の判断はお客様に確かめる。この3つを守るだけでも、落ち着いて訪問しやすくなります。

次の訪問では、「何をすれば気に入られるか」よりも、「今、相手が対応しやすいだろうか」と考えてみてください。小さな気配りを、仕事への信頼につなげていきましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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