「かわいいですね」で終わらせない!お客様の愛犬の話から会話を広げる3つのコツ
お客様の愛犬を見て、「かわいいですね!」と声をかけた。すると、「ありがとうございます」と返ってきた。そこで会話が止まり、少し気まずくなった。
訪問営業では、こんな場面もあるのではないでしょうか。
雑談のきっかけを見つけても、その先に何を話せばよいかわからない。だからといって、質問を次々に並べると、今度は尋問のようになってしまいます。
会話を広げるには、特別な話術よりも、相手の答えを受け取ることが大切です。今回は、愛犬の話題を自然な会話につなげる3つのコツをご紹介します。
1.質問は一つずつ、答えやすいところから
最初は、答える負担が少ない質問から始めましょう。
「お名前は何というんですか?」
これだけでも、十分なきっかけになります。
ここで避けたいのが、質問の連発です。
「何歳ですか? 犬種は何ですか? いつから飼っているんですか? 毎日散歩するんですか?」
関心を示しているつもりでも、お客様には次々に答えを求められているように感じられるかもしれません。
一つ尋ねたら、まず答えを聞きます。
「ココちゃんというんですね」
名前を受け取るだけでも、会話にひと呼吸が生まれます。そのうえで、お客様が話したそうなら、もう一つ尋ねましょう。
「普段は、どんな遊びがお好きなんですか?」
反対に、「ココです」と短く答えて、そのまま資料へ視線を戻されたなら、犬の話はそこで区切ってよいでしょう。
雑談は、必ず盛り上げなければいけないものではありません。お客様が話したい範囲に合わせることも、大切な会話の技術です。
2.次の話題を探す前に、相手の言葉を受け止める
会話が続かないとき、営業側は「次に何を聞こう」と考えがちです。
しかし、次の質問を探している間に、目の前の答えを聞き逃してしまうことがあります。
たとえば、お客様がこう話されたとします。
「この子は散歩が好きでね。毎朝、私が連れていくんですよ」
すぐに「ご飯は何をあげているんですか?」と話題を変えるより、今の話を受け止めてみましょう。
「毎朝、散歩に行かれるんですね。いつも楽しみにしていそうですね」
すると、お客様から「リードを見ると、玄関へ走っていくんだよ」と話が続くかもしれません。
会話は、質問の数だけで広がるものではありません。相手が話してくれた場面を、一緒に思い浮かべることでも続いていきます。
ただし、気持ちや性格を決めつけないことは大切です。
「犬を飼っている方は、皆さん寂しがり屋ですよね」
「毎朝散歩されるなんて、絶対に几帳面な方ですね」
こうした言葉は、相手をひとくくりにしてしまいます。
また、食事やしつけについて、自分から助言を始めるのも控えましょう。「うちではこうしています」と言う程度でも、求められていなければ、方針への口出しに聞こえることがあります。
自分の犬の話をする場合も、短く添えたらお客様に会話を戻します。共通点が見つかったうれしさで、自分だけが長く話してしまわないようにしたいですね。
3.本題へ戻るときは、会話を丁寧に区切る
愛犬の話が弾むと、今度は営業の話へ戻すタイミングが難しくなります。
ここで、無理なつなぎ言葉を考える必要はありません。
「ワンちゃんにも安心が必要ですよね。そこで、こちらの商品ですが……」
商品の内容と関係が薄ければ、かえって不自然です。
自然な切り替え方は、雑談へのお礼と、本題に入る確認です。
「ココちゃんのお話をありがとうございます。それでは、本日ご相談いただいた件を伺ってもよろしいでしょうか?」
あるいは、時間を添えてもよいでしょう。
「つい楽しく伺ってしまいました。残りのお時間で、お見積もりの内容を10分ほどご説明しますね」
雑談が終わると急に表情を変えたり、勢いよく資料を広げたりせず、同じ落ち着いた調子で進めましょう。
また、犬の話題が実際の相談内容と関係するなら、そこは丁寧に確認します。
たとえば、住まいの工事であれば、作業中に犬が過ごす場所について相談が必要になるかもしれません。
「工事中の過ごし方についても、ご希望を確認させてください」
このように、話題を利用して売り込むのではなく、提案を考えるうえで必要な条件として伺います。
お客様が愛犬の話をしてくださったことは、うれしいことです。ただ、それを「心を開いてくれたから契約に近い」と急いで判断する必要はありません。
まずは、話を聞いてくれた、無理に踏み込まなかった、時間を大切にしてくれた。そんな印象を、一つずつ積み重ねていきましょう。
「かわいいですね」の後に大切なのは、うまい一言より、相手の返事を聞く姿勢です。次の訪問では、質問を一つしたら、少し待つことから試してみてください。
木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント)
最新記事 by 木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)
- オンライン商談の字幕が違う時に数字と固有名詞を確かめる方法 - 2026年10月21日
- お客様の犬に好かれようとして失敗?訪問営業で避けたい3つの行動 - 2026年10月20日
- 「かわいいですね」で終わらせない!お客様の愛犬の話から会話を広げる3つのコツ - 2026年10月20日

