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営業マンにとって資格の取得は有利でしょうか?

●質問

営業マンにとって資格の取得は有利でしょうか?

世間には中小企業診断士、産業カウンセラー、社会保険労務士など資格はたくさんあると思います。

資格取得すれば商談の時にも使えるかなと感じています。

● 回答

資格取得についてはあなたの状況によって変わってきます。

会社で取得を推進している場合もありますし、資格がなければ営業活動できないという状況もあるでしょう。

結論として私が言いたいのは、資格に固執しないでほしいということです。

なぜなら顧客は「この営業マンは自分の役に立ってくれるのか。」「この営業マン買いたいと思ってもらえるのか。」を無意識に思っているからです。

資格を取るメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
私の経験と、私の知人や教えてきた人から聞いた話をまとめました。

メリット

  • 名刺に表記できる。
  • 箔がつく。
  • 商談の際、話題になる。
  • 専門知識を話せる。
  • 資格取得の仲間ができる。
  • 一生涯その資格を使い続けられる。
  • 会社で手当てが出る。

デメリット

  • 偏った目で見られる。
  • 思ったほど商談に行かせない。
  • 資格取得したが十分に活かせる場面がない。
  • 公的資格のため自由に発言できない。
  • 資格取得時にお金がかかる。
  • 資格の更新にお金がかかる。

一方で、このように言うと「資格取得を否定しているのか」と思われがちですが、決してそうではありません。

学ぶことは大切だと思いますし、専門知識があることで信頼度も高まります。

しかし、顧客の理想や課題を解決するという視点で見ると資格があるから営業が有利になるとは私は思いません。

実際にある会社の営業マンでカリスマ的な実績を叩き出した人は何の資格も持っていませんでした。
彼が持っているのは運転免許くらいでした。

ここで一つある歯医者さんの話をしたいと思います。

私の知人が3つの歯科クリニックをどのように選んだかを話してくれました。

子供の歯並びが悪くなってきたので歯科矯正でどこがいいかを選んでいたそうです。源

「子供の歯科矯正」は歯科医にとっては長期的な高額の売り上げにつながる収益源です。

A歯科クリニックは、院長先生が世間話をペラペラと話すタイプで、「あの地域はどんな人が住んでるの?」などとしつこく聞くタイプでした。
幼稚園生くらいの子供の患者に対しての口調は「さっさとやるよ!」ときつい感じ。
残念ながら近所のママ友同士の会話でも、口コミは最悪。クリニックとしては患者が少なくなるばかりです。
でも、某大学で優秀な成績をおさめた方。専門医としてもトップクラスだそうです。

B歯科クリニックは、院長先生がニコニコしていて優しく患者の話を聞くタイプ。
あたたかい雰囲気で、幼稚園生くらいの子供の患者に対しても、楽しそうに話します。
子供が納得してるのを確認してから作業をすすめるので見ているほうも安心。
ママ友からもとても評判がいい先生で、ごくごく一般の歯科医で謙虚な人柄です。

あなたならどちらのクリニックを選ぶでしょうか。
私の知人はBクリニックを選んだそうです。

いくら専門医としてトップクラスでも人柄で決まってしまう、ということがこの事例からは言えると私は思います。

話をもとにもどしますが、もし「資格を取ったら有利」とだけ考えて走ってしまうと失敗しかねません。

もっと大切なものに目を向けて、幅広い視野で取り組んでいきましょう。

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2003年、22歳から営業マンとして18年経験。2017年の配置転換を機に営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。500人以上の営業相談に応じてきた実績。無形商材・有形商材の営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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