
営業力アップに“歌の練習”は効果的?メリットとデメリット
メリット・デメリットを営業講師が解説します
「営業に表現力が必要なのはわかるけど、歌の練習って本当に意味あるの?」
ある受講生から、こんな質問を受けました。営業講師としての私の答えは――
「必須ではありませんが、効果的なトレーニングの一つです。」
しかし、すべての人に勧められるわけではありません。今回は、営業における歌の練習のメリット・デメリットの両面をお伝えします。
【メリット①】声の出し方・抑揚・テンポが鍛えられる
営業では「何を言うか」だけでなく「どう伝わるか」が重要です。
歌の練習をすることで、
- 腹式呼吸による安定した発声
- 相手に届く響きのある声
- 抑揚やテンポのコントロール
が自然と身につく場合があります。これは伝える力の土台となり得ます。
【メリット②】感情の乗せ方がうまくなる
営業では、論理的に商品・サービスのスペックを語るだけでなく「お客様の話に聞き入ってます」という共感がお客様に届くかどうかがカギになります。
歌は「感情を乗せて伝える」練習。話し方や聞き方に熱量と温度を込める力が磨かれることがあります。
【メリット③】人前で話す自信がつきやすい
歌の練習を通じて声を出すことに慣れると、
「緊張して声が小さくなる」
「言葉が詰まる」
といった不安が和らぎ、商談での“堂々とした聞き方・話し方”につながります。
ただし、以下のようなデメリット・注意点もあります
【デメリット①】目的がズレる危険性
「営業のため」と始めたはずが、いつの間にか「音程」や「歌唱力」に意識が向きすぎると、営業力とは関係ないトレーニングになってしまうことも。
あくまで「伝える力」「感情表現」の強化として取り組みましょう。「目的を見失っていないか身近な人にチェックしてもらう」のも一つの方法です。
【デメリット②】続けるのが難しい
歌の練習は、それなりの時間とエネルギーを要します。毎日忙しい営業職の方には、続けるのが難しいと感じる方も多いでしょう。
1日に1曲までであれば続けられるかも知れません。
【デメリット③】「声をだせる環境」が必要
自宅や職場での発声練習は、騒音トラブルになる可能性もあります。防音環境やカラオケボックスなど、練習場所の工夫が必要です。
「お風呂に入ったとき1フレーズだけ練習する」程度が望ましいと私は思います。これなら30秒程度で済むはずです。営業の表現は他にも練習すべきことがあります。歌だけにとらわれないようにしましょう。
【デメリット④】「声が良ければ売れる」と誤解しがち
大切なのは、お客様の話を聴く力、信頼構築。発声はその「補助」であって、営業の本質ではないという意識が大切です。
売れる理由は声だけではありません。
- 営業の各段階の目的を果たせているか?
- あなたから発せられる表現全体がお客様にどのように伝わるか?
も重要です。
歌うときの体勢、話すときの体勢がまったく違うというのもおさえておくべき点です。たとえばトップ歌手の方でもしゃべるときは小声であまり抑揚がない方もおられますよね。歌がすべての解決策でないということは認識しておきましょう。
【まとめ】
歌の練習は、営業に必要な
- 表現力
- 共感力
- 感情の伝達力
を鍛えるうえで、効果的な手段のひとつです。ただし、取り組む際は目的の明確化・環境・継続性に注意しましょう。お風呂に入ったときだけ1フレーズだけ練習してみるとよいでしょう。
【おすすめしたい方】
- 声が小さい、通らないと悩む方
- 棒読みになってしまう方
- 話に感情が乗らず伝わらないと感じている方
そんな方には、歌の練習が「営業力アップの裏メニュー」になるかもしれません。ぜひ自分に合った形で、試してみてください。


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