予算感を聞く営業の聞き方|金額を言わない相手への返し方
予算感を言わないお客様への聞き方
● 質問
お客様から「安くしてほしい」と言われたものの、どこまで下げればいいのかがわかりません。「いくらか言ってしまうと、その価格で決まってしまうので言いたくない」と言われます。お付き合いの長いお客様です。予算感や金額をうまく聞く聞き方はありますか?
回答
いきなり「ご予算はいくらですか?」と聞くと、お客様は金額を出しにくくなります。予算感を聞く時は、値引きのためではなく、見当違いな提案を避けるために聞いていると先に伝えてください。
金額を言わないお客様には、数字そのものより、どの範囲なら検討できるのかを聞く方が答えやすくなります。 そのうえで、安くする話へ進む前に、お客様が何を守りたいのかを確認します。
値引き前に予算感を聞く理由
お客様が金額を言わない理由は一つではありません。相場がわからない場合もありますし、他社と比べたい場合もあります。こちらが先に金額を下げると、お客様の本当の迷いが見えないまま商談が進みます。
たとえば、相手が「安くしてほしい」と言った時にすぐ値引き額を考えると、話題は価格だけになります。ですが、本当に聞きたいのは「いくらなら買うか」だけではありません。社内で通しやすい金額なのか、支払い時期が問題なのか、商品価値がまだ伝わっていないのかを分けて見ます。
予算感を聞く目的は、相手を追い込むことではありません。提案の幅を合わせることです。ここを伝えずに金額だけ聞くと、お客様は「安く買いたいだけだと思われる」と感じて答えにくくなります。
答えやすくする3つの聞き方
予算を聞く時は、こちらの都合だけを言わないようにします。お客様の時間を無駄にしないため、期待に近い案を出すため、社内で通しやすい形にするため。この理由を添えると、相手は金額を出す意味を理解しやすくなります。
- 私どももメーカーと交渉する準備があります。お客様の頭の中にある予算感を、幅だけでも教えていただけますか?
- ご予算の中で期待に近いプランを作りたいので、ざっくりした金額の範囲を聞かせていただけますか?
- 見当違いなプランを出してお時間を無駄にしたくありません。金額面で外してはいけない範囲はありますか?
この3つは、どれも「いくらですか?」と詰める聞き方ではありません。お客様が答えられる範囲から聞いています。金額を一点で言いたくない相手には、上限、下限、ざっくりした幅、社内で通りやすい目安のどれかを聞くと会話が進みやすくなります。
金額を言わない4つの理由
予算を言わないお客様を、すぐに「値切りたい人」と決めつけない方がいいです。理由を分けて見ると、次の質問が変わります。
- その分野の相場がわからず、概算の見当がついていない
- 他社と並行して検討しており、比較材料を集めている
- 商品やサービスの価値をまだ十分に感じていない
- できるだけ安く買いたい気持ちが強く、先に金額を出したくない
相場がわからない相手には、選べる価格帯の違いを説明します。比較中の相手には、何を比べているのかを聞きます。価値が伝わっていないなら、値引きより先に、相手の問題が本当に解決できるかを確認してください。
値引きに進む前の線引き
付き合いが長いお客様でも、年数だけで人間関係ができているとは限りません。長い付き合いだからこそ、「安くしてくれるはず」と見られることもあります。ここで営業側が無理に合わせると、次の商談でも同じ値引き交渉が続きます。
値引きするかどうかを決める前に、相手が本当に解決したい問題を確認しましょう。 商品やサービスで10倍、20倍の価値を得られる見込みがあるなら、支払い時期、範囲、内容を一緒に調整する余地はあります。
反対に、金額だけに固執し、こちらの提案価値をまったく見ようとしない相手なら、お断りする覚悟も持ちます。ある営業マンは、「ひょっとしたら買ってくれるかもしれない」と期待して値引き相談に付き合いましたが、結局は他社契約のための当て馬にされました。商談の中で金額面だけが続く時は、末永く取引できる相手かどうかも見てください。
予算感を聞く時のまとめ
予算感を聞く営業では、安くする話へ急がないでください。お客様が金額を言わない時ほど、数字そのものではなく、答えられる範囲と理由から聞いてください。
- 予算感は値引きではなく提案の幅を合わせるために聞く
- 金額を一点で聞かず、幅、上限、外せない範囲から聞く
- 値引き前に、価値が伝わっているかと長く取引できる相手かを見る
次の商談では、「いくらですか?」の前に、見当違いな提案を避けたい理由を一言添えてみてください。お客様が答えられる範囲が見えれば、値引きではなく、解決に向けた作戦会議へ近づけます。
木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント)
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