休眠顧客への電話で使える例文|注文が途絶えたお客様への声かけ
取引がない間の変化を尋ねる声かけ
以前は注文をいただいていたのに、しばらく連絡していないお客様。久しぶりに電話する時、「また何かありませんか?」の後に話す言葉が浮かばず、商品案内だけして終わっていませんか? 前に買ってくださった理由が、今も同じとは限りません。注文をお願いする前に、取引がない間に何が変わったのかを聞いてみましょう。
休眠顧客は、過去に取引や問い合わせがあり、その後やり取りが途絶えているお客様を指す言葉です。電話を受ける方には、久しぶりに連絡してきた取引先というだけかもしれません。相手が覚えている取引を確かめ、今の仕事の話をしてもよいか尋ねるところから会話をはじめます。
こんな人におすすめの記事です。
- 注文が途絶えたお客様に電話する用件を考えたい方
- 過去の取引を伝えても話が続かない方
- 再注文を頼む前に現在の状況を聞きたい方
これから一つひとつ見ていきましょう。
再注文を前提にしない電話の用件
顧客台帳で最後の注文日を見ると、注文がない理由まで分かった気になることがあります。しかし、日付だけでは、商品が余っているのか、仕事の進め方が変わったのか、自社の対応に不満があったのかは分かりません。
以前の注文を根拠に「そろそろ補充の時期ですよね」と言えば、補充が必要だと決めつけた電話になります。「価格のことでしょうか?」と聞けば、価格以外の事情を話してもらう前に値引きの話をはじめてしまいます。
レッスンのアプローチでは、提案より先に現状を聞き、そこから相手の望みを確かめます。久しぶりの電話でも順序は同じです。過去の注文は、現在の需要を決める証拠にせず、相手が話を思い出す手がかりとして使います。
電話の冒頭では、会社名と自分の名前に続けて、前回届けた商品を伝えます。続いて、使い方の変化を伺う用件だと説明し、今話せるかを尋ねましょう。何の取引かを思い出してもらい、話せると答えてもらってから、今の使い方を尋ねます。
セールスフォースの公式記事も、取引履歴をもとに利用が途絶えた原因を探り、顧客の状況に応じた接触方法を選ぶ考え方を示しています。電話をかけた時点では、休眠した理由を仮説として考え、相手の答えで確かめるのです。
前の買い方が変わっていた時の会話例
坂本圭介さん(仮名、通販事業者向け梱包資材の卸営業)の架空のロープレ会話例で考えます。以前、配送用の箱を購入したお客様から、注文が入らなくなりました。坂本さんは、再注文を促す前に、箱を使う仕事が続いているのかを尋ねます。
坂本さん「以前、通販の発送用に箱をお届けした坂本です。その後のお使い方を伺いたくお電話しました。今、少しお話ししてもよろしいでしょうか?」
担当者「少しでしたら大丈夫です」
坂本さん「ありがとうございます。以前の発送作業は、今も社内でされていますか?」
担当者「発送は倉庫会社に任せました。箱もそちらで用意してもらっています」
坂本さん「箱もそちらで用意してもらっているのですね。社内で梱包されるものはありますか?」
担当者「展示用の商品見本だけです。ただ、普通の箱だと中で商品が動いて困っています」
この返答で分かったのは、以前の箱の注文をそのまま再開する話ではないということです。発送の外注化によって、箱を買う人も用途も変わっています。前と同じ価格表を送るだけでは、商品見本の困りごとに答えられません。
坂本さんは、ここで箱の種類を一気に説明する代わりに、「商品見本は、どなたが、どのように運んでいらっしゃいますか?」と尋ねます。手で持って移動するのか、配送するのか。その答えを聞いてから、寸法や保護の仕方の相談に進みます。
相談を続けると決まったら、次に何を見せてもらうかまで話します。商品見本と今の箱を一緒に見られれば、箱が大きすぎるのか、仕切りが要るのかを具体的に検討できます。見本を預けるのが難しければ、寸法や梱包した状態の写真で相談できるかを尋ねましょう。お客様の協力が必要な作業を、こちらだけで決めて約束することは避けます。
電話を終える時も、注文の話と、箱について相談する約束を区別します。資料を送ってよいという返答だけで、購入予定があると社内に報告すれば、その後の連絡も注文を迫る言い方になりかねません。今回合意した作業と、相手がまだ決めていないことを分けて受け止めます。
注文が途絶えた背景には、商品を使う仕事の変化がありました。休眠顧客への電話では、前回の用途を今も続けているという思い込みを外すと、新しく相談すべきことと、もう提案が要らないことを分けられます。
この例の担当者が「社内で梱包するものはありません」と答えたなら、箱の提案を続ける理由はありません。新たな注文につながる結末だけを用意せず、今は役立てないと分かったところで終える会話も練習しておきましょう。
話す前に見直す過去の取引
電話前には、最後に売れた商品名だけでなく、当時お客様が何に使っていたかを読み直します。箱の取引なら、発送する商品の大きさ、社内で梱包する手順、注文の際に相談された内容などです。記録のないことは、電話で確かめる事柄として区別します。
過去の問い合わせや不具合の記録も、注文履歴と一緒に見ておきましょう。交換の約束が済んでいないのに、新商品の電話をかければ、お客様は前の問題を放置されたと受け取るかもしれません。自社で未対応の事項があれば、担当部署に状況を確かめ、その対応を用件にします。
また、同僚が最近連絡している可能性もあります。同じ会社から似た電話が続かないよう、社内の対応履歴を確認します。担当者が替わっていると分かっている場合は、過去の相手との親しさを前提に話すより、会社名と取引内容を短く伝える方が自然です。
社内の「休眠」という分類は、そのお客様が今も購入できるかどうかを表してはいません。最後の取引からの期間を一律に決めて電話するより、以前の用途と、今回確かめたい用件がつながっているかを見ます。古い記録をもとに現在の取引先や担当者を推測せず、答えてもらえる範囲で更新します。
記録の書き方自体を見直したい時は、営業顧客管理は記録より次に聞く理由を残すも参考になります。久しぶりの電話では、記録を埋めるために質問を重ねるより、今回の用件を相手に説明できるかを先に確かめましょう。
すぐに商談を頼めない返答への対応
久しぶりに連絡したからといって、相手が取引を詳しく覚えているとは限りません。「どの件でしたか?」と聞かれたら、会社名を繰り返すだけでなく、以前納めた商品や利用場面を短く説明します。相手が覚えていないことで、会話を急ぐ必要はありません。
担当者が替わっていた時は、新しい担当者に前任者の判断を説明させようとせず、今の担当範囲を確かめます。取り次いでもらう場合にも、用件を伝えてよいかを尋ねます。過去に注文をくれたという理由だけで、新しい担当者にも商談を受ける義務があるように話さないことです。
「今は別の会社に頼んでいます」と言われた時も、すぐに価格で競う話へ進まないでください。相手が現在の取引に満足していて、相談したい点もなければ、今回の電話はそこで終了できます。不都合があると相手から話してもらえた時に、その場面を具体的に聞きます。
「忙しいので」と言われたら、まず電話を終える意思を受け止めます。「では来週」と日程を決めつけず、「承知しました。改めてご連絡してもよいでしょうか?」と尋ね、了解があれば話せる時期を相談します。連絡を望まないと分かった相手は、社内でもその意思を共有します。
レッスンのアポイントでは、無理に面会の約束を取るより、役に立てる相手かを確かめることを重視します。今は相談がないという返答も、次の提案を急がないための具体的な情報です。電話を切るのが怖いからといって、別商品の紹介を継ぎ足すと、用件が終わった後も相手を引き留める電話になります。
営業Q&A
こちらが連絡していなかったことを先に謝った方がよいですか?
以前のお客様にしばらく連絡していません。何から話せばよいか迷い、謝ってから用件を切り出すべきか気になっています。
回答
約束していた返答や確認が遅れていたなら、その件を先に謝り、現在どうなっているかを伝えます。単に間が空いたというだけなら、長い弁解をするより、名乗って用件を伝えましょう。
「ご無沙汰しております」に続けて近況を尋ねることもできます。ただ、自分の忙しさの説明ばかりになると、相手には電話の目的が分かりません。前回の取引の何を伺いたいのかまで短く伝えると、話を聞くかどうかを選んでもらえます。
注文がない理由を話したくなさそうな時はどうしますか?
久しぶりに連絡すると、相手の返答が短くなります。こちらの対応に不満があったのか気になりますが、理由を尋ねるほど答えづらそうです。
回答
理由を推測して、価格や担当者への不満を次々に挙げるのはやめましょう。短い返答だけでは、忙しいのか、話したくないのかも判断できません。「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」と区切って構いません。
社内の記録にも、不満があったと断定せず、実際に聞けたことと未確認のことを分けて書きます。次に連絡する時は、新しく確かめる用件や、相手と約束した時期があるかを見直します。
一件ずつ決める連絡の続け方
休眠顧客への電話で、過去の注文を手がかりに現在の仕事を聞く方法を解説しました。久しぶりに話せたことと、再注文を検討していることは分けて受け止めます。
- 前回の商品と利用場面が伝わる用件
- 今の使い方に合う相談と不要になった提案の区別
- 相手の意思に合わせた次回連絡の判断
次に電話する一件について、最後に買っていただいた商品と、今も同じ用途で使っているかを確かめる言葉を用意しましょう。その答えを聞いてから、相談を続けるか、今回の電話を終えるかを決めます。
木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント)
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