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見積の入数と注文数量の違い|受注前に確かめる単位と合計個数

同じ数字で食い違う納品個数

お客様から「20でお願いします」と返事が来た時、あなたは何を20個手配するでしょうか? 商品そのものが20個なのか、20個入りの箱を20箱なのか。受注する数字には、何を数えた数字かを添えて確かめます。営業とお客様が別の単位で話していると、復唱した数字が合っていても、納品する個数は食い違います。

入数と注文数量の違いを説明するだけで、相談が終わるとは限りません。お客様は必要な数だけ使いたいのに、箱単位でしか買えない点に困っているのかもしれません。使いたい個数と、販売できる単位を照らし合わせてから見積を作りましょう。

こんな人におすすめの記事です。

  • 電話で数量だけを聞いて受注している方
  • 入数と注文数量の説明で戸惑う方
  • 箱単位の販売で余る分を相談される方

これから一つひとつ見ていきましょう。

入数と注文数量の別々の意味

入数は、箱や袋など一つの包装に入っている商品の数を示します。たとえば、ねじが1箱に100本入っていれば、入数は100本です。その商品を3箱注文するなら、注文数量は3箱、届くねじは合計300本と表せます。入数100本と注文数量3箱は、同じ欄に書く数字ではありません。

包装資材メーカーの生出は、入数について、受発注でどの単位の数量かを双方で合意していないと誤発注につながるおそれがあると説明しています。営業で確かめたいのも、単に聞こえた数字ではなく、お客様と同じものを数えているかという点です。

出典:株式会社生出「入数(SNP : Standard Number of Package)」

アスクルの注文案内でも、販売単位を数量1に対して入っている量として説明し、数量の入力と分けています。画面の数量欄が1だからといって、中の商品も一つとは限りません。販売単位が1箱なのか、1袋なのか、1セットなのかを、その商品で確認します。

出典:アスクル「よくわかる!アスクルWebサイト 登録同時注文の方向けページ」

ここで「普通は箱でしょう」と業界の慣習だけで決めると、はじめて買うお客様には伝わりません。数量の聞き取りでは、営業側の常識も確認する対象です。お客様が個数で話している時には、使いたい個数を先に伺い、その後で何箱に相当するかを示します。

最低発注数量と追加できる単位

ロットという言葉だけでは、購入条件まで決まりません。生産したまとまりを指す場面もあれば、一定の数量をまとめて売る条件として使われる場面もあります。見積書に「1ロット」と書くなら、中に何個含まれるか、追加は何個単位かを添えましょう。お客様が知りたいのは用語の定義だけでなく、必要な個数を買えるかどうかです。

最低発注数量は、受け付けてもらえる最小の注文数量です。ミスミの一部メーカー品に関する案内では、最低発注数量が5なら1〜4個は注文できず、5個以上の注文を受け付けると説明しています。この条件を読んで「5個ずつしか増やせない」と受け取ると、最低の数量と追加する単位を混同します。

出典:ミスミ「一部メーカー品における最低発注数量変更のお知らせ」

たとえば、自社の商品条件が「10個以上、追加は1個単位」なら、12個を販売できます。一方、「10個入りの箱単位」の商品なら、12個だけ欲しいという依頼を、そのまま12個で受けることはできません。どちらも最初に10という数字が出てきますが、受注できる数は違います。

また、工具のように箱の中で複数本が組み合わされている商品では、同じサイズが何本入っているかも見ます。合計10本のセットでも、異なるサイズが1本ずつなら、同じサイズを10本使いたいお客様の希望には合いません。入数の合計だけでなく、中身の品番やサイズも確認して見積に記載しましょう。

値引きの相談を受けた時も、1個当たりの価格と、今回購入する分の総額を分けて示します。箱で買うと1個当たりが安くても、使わない分まで含めた支払額は増えるかもしれません。お客様が求めているのが単価の安さか、余らせずに買うことかを聞いてから、販売可能な候補を比べます。

必要な本数から受注までのロープレ

以下は、工場用品の販売での架空のロープレです。

清水健太郎さん(仮名、切削工具の卸会社の営業担当者)は、ドリルをまとめて購入したい工場の担当者と話しています。見積対象の商品は1箱10本入りで、箱単位で販売する商品です。

担当者「ドリルを20で見積もってください」
清水さん「使うドリルが合計20本ということでしょうか?」
担当者「はい。2つの作業場に10本ずつ配ります」
清水さん「2つの作業場に10本ずつですね。この商品は1箱10本入りですので、2箱で合計20本をお届けします。配る時は箱を分けたままでよろしいですか?」
担当者「それなら、箱のままそれぞれに渡せます」

清水さんが20という数字だけを復唱して注文数量を20箱にすると、届くのは200本です。会話では、使う合計が20本だと確かめたうえで、配る先を聞いたため、2箱をそのまま分けて渡せることまで分かりました。単位の確認と、お客様の使い方を知る質問がつながっています。

逆転営業のレッスン資料では、商品説明に入る前に現状を聞き、欲求を確かめてから提案する順序を学びます。この場面なら、箱の仕様を一方的に説明するより、使う本数と使う場所から伺います。「お役立ち」は、不要な数量の受注を増やすことではなく、現場で必要な数を使えるようにすることなのです。

復唱は、お客様が望んだ個数と、手配する箱数の両方で行います。見積書でも「数量2」だけで終えず、「1箱10本入り・2箱・合計20本」と対応が分かるように記載します。単価が1箱当たりなら、その単価に2箱を掛けた金額を示してください。

箱単位では買えない希望数量への提案

同じ商品で12本だけ欲しいと言われたら、2箱で20本を買っていただく説明を急ぐ前に、12本の使い道を伺います。今ある予備と合わせて使うのか、一度だけの作業で使い切るのか。必要な数の理由を知ると、余る8本をどう考えるか、お客様と具体的に相談できます。

ばら売りできる商品があるなら、用途と仕様が合うかを確かめ、箱単位の商品との総額を比べます。ばら売りの可否が未確認なら、担当部署に確認してから回答しましょう。相談の場で希望を聞くことと、その条件で販売できると約束することは別です。

定期的に同じ工具を使う方なら、予備として保管したいかを尋ねることもできます。ただし、次回も使うと決まっていない商品を、余っても使えるだろうと営業側だけで判断すれば、不要な在庫まで勧めてしまいます。残る分を使う予定は、お客様の言葉で確かめます。予定がなければ、その事実も候補を選ぶ条件として受け止めます。

お客様が希望数量を変えた時は、見積書の箱数だけでなく、合計本数と総額も直します。会話で12本と言われたのに、以前の20本の見積書が残っていれば、後で受注を処理する人はどちらが正しいか判断できません。変更した見積書を一緒に見ていただき、注文する数量を確定します。

商品コードと販売単位の照合

同じ名前の商品でも、入り方が違えば別の商品として管理される場合があります。アスクルの用語集は、受発注や在庫管理の単位であるSKUについて、同じ商品でも入り数などの違いで区別があると説明しています。前回と同じ商品名だからといって、前回と同じ箱の中身だと決める前に、商品コードと販売単位を照合しましょう。

出典:アスクル株式会社「用語集」

シモジマのクイックオーダー案内も、商品コードを入力して商品名・価格・在庫数を表示し、希望数量を入力した後、カートの内容を確認する手順です。コードが分かる注文でも、最後に表示された商品と数量を見直す工程があります。営業が注文を代行する時も、お客様が伝えたコードと、自分が選んだ販売単位を照らし合わせます。

出典:シモジマ「クイックオーダーについて」

仕入先で包装が変わった時には、以前の見積書を複写するだけでは合計個数が変わってしまいます。今回の表示を確認し、1箱当たりの数が変わったなら、その変更をお客様に伝えます。前回と同じ個数が欲しいのか、前回と同じ箱数を買いたいのかを尋ねると、数量を選び直せます。

営業Q&A

いつもの数量と言われた時も聞き直すべきですか?

既存のお客様から電話で「いつもの数量で」と注文を受けます。前回の履歴はありますが、急いでいる相手に細かく聞き直すと手間をかけそうです。どこまで確認してから手配すればよいでしょうか?

回答

履歴を見て、商品と単位を添えた短い確認をします。たとえば「前回の品番を、1箱50枚入りで4箱、合計200枚ですね」と伝えれば、お客様は最初から説明し直さずに答えられます。今回の販売条件を確認できたうえで復唱し、包装や品番が変わった点があれば、その箇所を先に伝えましょう。

前回の注文が複数に分かれているなら、どの注文を指しているかも確かめます。直近の追加注文と、毎月の通常注文では数量が違うかもしれません。履歴のどの注文を見ているかを伝えてから、今回もその数量でよいか伺うと、やり取りを短くできます。

受注前にそろえる見積書と口頭の説明

入数と注文数量の違いから、希望する個数を手配するまでの聞き方を解説しました。見積書にある数字を、お客様が使う個数まで説明できる状態で受注します。箱単位では買えない依頼には、販売条件を確認したうえで選べる候補を示しましょう。

  • 入数と注文数量の区別
  • 最低発注数量と追加できる単位
  • 商品コードと販売単位の照合

次に数量を伺う時は、復唱する数字に「箱」「本」「枚」などの単位を添えてみましょう。見積書の数量から計算した合計個数が、お客様の希望と一致するまで確かめます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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