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オンライン営業で沈黙が怖い時は画面共有を止めて待つ

画面越しの沈黙を待つ一拍

オンライン営業で相手が黙ると、不安になります。画面越しでは表情が読み取りにくく、相手が考えているのか、飽きているのか、通信が悪いのか分かりにくいからです。

その不安から、営業側は画面共有を続けたまま説明を足しがちです。資料の次のページを見せる。機能を補足する。導入事例を開く。黙った相手に何かを見せ続ければ、会話が止まらないように感じます。

しかし、相手の沈黙が考える時間なら、説明を足すほど相手の考える時間を奪います。

藤井啓介さん(仮名、法人向け予約管理システムの営業を担当)は、画面共有中の沈黙が苦手でした。相手が黙ると、すぐに次のスライドに進み、予約画面、料金、導入実績を説明していました。

オンライン営業で沈黙が怖い時は、画面共有を一度止めて待ちます。相手が資料を見ている時間と、自分の状況を考える時間は違うからです。

こんな人におすすめの記事です。

  • オンライン商談で沈黙が出ると説明を増やしてしまう方
  • 画面共有中に相手の反応が分からなくなる方
  • リモートでも質問中心の会話に戻したい方

沈黙を埋める前に、相手が考える余白を作ると、返事の中身が変わります。これから一つひとつ見ていきましょう。

画面共有が会話を隠す場面

オンライン商談では、画面共有が便利です。資料を同じ画面で見られますし、価格表や導入手順も説明しやすくなります。

ただ、画面共有を続けたままだと、相手の顔が小さくなります。相手がうなずいているのか、眉を寄せているのか、別の資料を見ているのかが見えにくくなります。営業側も、資料を進めることに意識が向きます。

藤井さんの商談では、担当者が予約画面のページで黙りました。藤井さんは、機能説明が足りないのだと思い、次の実績ページを見せました。その後も担当者は黙ったままでした。

私は録画を確認した時、担当者の目線が画面の右下に落ちた場面を見ました。社内チャットの通知に目を移していました。担当者は「どの店舗から使いはじめるか」を考えていたのです。予約画面を見ながら、自社の開始店舗を探していました。

藤井さんはその沈黙を説明不足だと受け取りました。けれど、担当者の沈黙は、自社に置き換える時間でした。ここで聞くべき一問は、「いま、開始する店舗を考えておられますか?」でした。

次の商談で藤井さんは、同じ場面で画面共有を止めました。相手の顔が大きく表示され、担当者は少し笑って「開始店舗を考えていました」と言いました。藤井さんは、その返事を受けて開始店舗の話に入りました。資料のページを進めるより、相手の考えていることに近づけたのです。

沈黙を待つ短い言い方

沈黙を待つ時は、ただ黙り込むのではありません。相手が考える時間だと扱い、短い言葉を添えます。

藤井さん「ここはいったん画面共有を止めますね」
担当者「はい」
藤井さん「今の内容を自社に置き換えると、どの店舗から使う想定ですか?」
担当者「本店より、予約電話が多い支店かもしれません」

この二往復で、商談の向きが変わります。予約画面の説明から、どの店舗で使うのかの確認に移ります。

オンラインの沈黙を、説明不足と決めつけない方がよいです。相手が自社に置き換えている時間かもしれません。

相手の沈黙を怖がってすぐ話すと、この置き換えが見えません。画面共有を止める一拍があると、相手の顔と声が戻ってきます。

待てない営業が足してしまうもの

沈黙が怖い営業は、説明、事例、割引条件を足しやすくなります。どれも役立つ場合はありますが、相手が考えている場所と違えば、情報が増えるだけです。

沈黙を埋める営業 沈黙を待つ営業
次のスライドに進む 画面共有を一度止める
追加事例を見せる 相手が考えている対象を聞く
料金の補足をする 判断に残っている点を聞く

藤井さんは以前、沈黙のたびに導入企業の一覧を見せていました。相手は「すごいですね」と言いましたが、次の会話には進みませんでした。相手は導入企業の多さより、自社のどの店舗から使いはじめるかを考えていました。

沈黙を埋める情報より、沈黙の理由を聞く一問の方が商談を動かします。

もちろん、沈黙が長すぎる時は確認します。「少し考えておられるように見えます。今、どの点を見ておられますか?」と聞けば、相手は答えやすくなります。決めつけず、見えたことだけを伝えます。

カメラと資料の切り替え

オンライン営業では、カメラと資料の切り替えが会話の流れを作ります。資料を見せる時間と、相手の顔を見る時間を分けるだけで、質問の入り方が変わります。

藤井さんは、資料説明の最後に必ず画面共有を止めるようにしました。止めた後で、「今のページで、自社に当てはめにくいところはありましたか?」と聞きます。相手は資料から目を離し、自分の状況を話しやすくなります。

この切り替えがないと、相手は資料を見続けます。資料を見ている相手に質問しても、返事は短くなりがちです。顔が見える状態に戻すと、相手も会話に戻りやすくなります。

また、沈黙の扱い方も変わります。画面共有中の沈黙は、営業側には重たく感じます。カメラに戻した沈黙は、相手が考えている顔として見えます。この違いが、待てるかどうかに関わります。

藤井さんは、画面共有を止めた後、三秒だけ待つ練習をしました。三秒という数字は魔法ではありません。ただ、自分がすぐ話しはじめる癖に気づくには十分でした。待つ時間を少し作ると、担当者が自分から「開始店舗は支店ですね」と話し出しました。現場の受付担当が電話を受ける時間帯も、この時に初めて出ました。

次のオンライン商談で見る一場面

次のオンライン商談では、全部を変えようとしなくて構いません。見るのは、相手が黙った直後の一場面です。

資料を止める合図

相手が資料を見たまま黙ったら、「画面共有を一度区切りますね」と伝えます。急に止めるのではなく、相手に一言添えます。

考えている対象

共有を止めたら、相手が何を自社に置き換えているかを聞きます。店舗、時期、受付担当、続けられるかどうか。資料の項目を並べず、相手の職場にあるものを聞きます。

次に見るページ

相手の答えが出てから、次に見るページを決めます。店舗の話なら予約導線、時期の話なら導入手順、受付担当の話なら運用例です。順番を相手の答えに合わせます。

藤井さんは、この順番に変えてから、オンライン商談で話す量が減りました。説明を減らした分、相手の言葉が増えました。担当者は、機能数より「受付電話の負担」を話しはじめたのです。

その言葉が出た後、藤井さんは予約画面の説明を短くしました。受付担当が電話を受ける時間帯に絞り、予約導線の設定を提案しました。資料は同じでも、相手の沈黙を待ったことで、見せる場所が変わりました。

この商談の後、担当者は社内で「予約数を増やす話から離れて、受付電話を減らせる仕組みとして見たい」と伝えました。藤井さんが送った議事メモにも、その言葉をそのまま入れました。資料名は予約管理システムでも、担当者が社内で使った言葉は「受付電話を減らせる仕組み」でした。

次回の打ち合わせでは、店舗統括マネージャーも同席しました。店舗統括マネージャーは最初に「電話の負担を減らすには、具体的に何をするのですか?」と聞きました。藤井さんは、そこで初めて予約導線の内容を説明しました。沈黙を待って出た言葉が、次回の質問を作ったのです。

もし最初の商談で藤井さんが実績ページを見せ続けていたら、その表現は出なかったでしょう。相手が黙った時に待ったから、担当者自身の言葉が出ました。その言葉があると、次回の説明は営業側の都合から、相手の社内課題に沿った内容に変えられます。

藤井さんは、この経験から、画面共有を止める場所を事前に決めるようにしました。次回の案内メールにも、相手の言葉を入れました。「受付電話の本数を減らす流れとして、予約導線を中心に確認します」と書いたのです。担当者はそのメールを店舗統括マネージャーに転送できました。

オンライン商談では、説明した量だけでなく、相手が社内で使える言葉が残ったかどうかを見ます。画面共有を止めて待つ一拍は、沈黙を放置する時間ではありません。相手が自分の職場の言葉を探す時間です。

料金表の前、予約画面の説明後、導入事例の前。この三つのうち、相手が黙った場所で一度止めます。全部のページを見せ切るより、相手の言葉が出る場所を大事にした方が、次回の商談は進めやすくなります。

営業Q&A

沈黙が通信トラブルかもしれない時はどうしますか?

オンラインならではの不安です。

回答

まず短く確認します。「音声は届いていますか?」と聞き、問題なければ「少し考えておられるように見えました」と続けます。通信確認と商談の確認を混ぜないことが大切です。

画面共有を止めると資料の流れが途切れませんか?

説明の途中で止める不安です。

回答

途切れて構いません。相手が自社に置き換える時間を作るための停止です。答えが出てから次のページを選べば、資料の順番を固定せず、相手の判断に合った流れになります。

相手の顔に戻る一拍

オンライン営業で沈黙が怖い時は、画面共有を一度止めて待ちます。相手が資料を見ている時間と、自社に置き換えて考える時間は違います。沈黙を埋める説明を足す前に、相手が何を考えているのかを聞きましょう。

  • 沈黙の直後に画面共有を止める一言
  • 自社に置き換えて考えている対象
  • 相手の答えに合わせて選ぶ次のページ

次のオンライン商談では、相手が黙ったら次のスライドに進まず、画面共有を止めて「今どの点を考えておられますか?」と聞いてください。その一拍が、説明中心の商談を質問中心に戻します。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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