
お客様から「連絡しないで」といわれたときの対処法【営業のクロージング時】
● 質問
お客様から「連絡しないで欲しい」といわれました。クロージング段階だったのに、冷たく突き放された感じでショックです。今できることはありますか?
● 回答
お客様から「連絡しないで」といわれている以上、ムリに連絡するのは逆効果です。しつこくあれこれお客様にいうと、うっとうしがられるリスクがあるからです。
具体的な理由があるか・ないか
具体的な理由がある場合、ない場合で対応が変わってきます。
具体的な理由がない場合
具体的な理由がない場合は打つ手がありません。「断りたいけど営業に直接いうのは気が引ける」というお客様がおっしゃる傾向があるからです。
「必要ならこちらから連絡します」といわれ、具体的な理由がない場合は、あなたが的はずれな提案をしているかもしれません。「困るから営業してこないで」と暗にいわれている状況ですので追いかけるのはやめましょう。
具体的な理由がある場合
具体的な理由を聞いている場合は、お客様を尊重し「連絡しない」のが鉄則。とはいえ、お客様側で解決が必要なトラブル・問題を抱えている場合、解決のヒントにつながる情報発信を検討してみましょう。
あるIT企業の男性は経営層にどのように稟議をあげればよいかのコツを、営業の情報発信からヒントをもらい稟議が通ったそうです。お客さまと似たような事例を集めたり、不安の解消につながるようなアイディアがお客様に伝われば解決に一歩近づく可能性があります。
- メールマガジン
- YouTube
- インスタグラム
あなたとお客さまの距離感によっては使える手段かもしれません。メールマガジンは開封されるかどうかがカギですし効果は限定的です。しかし、このお客様に向けて文章を盛り込むなど検討の余地はあります。「連絡しないで」の意思に反してしまうといけないので慎重に。
難易度が高いですがもしできるのであれば検討しましょう。
難易度が低いです。全体のブランディングが損なわれないような情報発信ができるのであれば選択肢に入ります。
「連絡しないで欲しい」といわれて絶対にやってはいけないこと
下記はリスクが高いので避けましょう。もしやってしまうと、悪評がたちかねません。
- ダメもとでご自宅や会社に訪問する
- ご状況のお伺いで電話をかける
- 進捗を聞くためメールを送る
- 偶然を装って会いに行く
夜討ち朝駆けのように夜遅くや早朝に張り込むなどは言語道断です。
今後の対策を考える
今後も同じように「連絡しないで欲しい」とおっしゃる他のお客様がでてくるかもしれません。今後の対策を考えることが今できることの一つです。
「連絡しないで欲しい」といわれないための事前準備
事前準備にはさまざまありますが、あなたがお客様との商談を行ううえで少なくとも下記はおさえておきましょう。
- お客様との人間関係を構築する
- お客様に寄り添って提案する
- 過度なクロージングを避ける
「連絡しないで欲しい」といわれた瞬間の対処法
- お客さまの理由や背景をお聞きする
- 理由になる用事があればお声がけの理由とタイミングを伝える
- 期限がある場合、誰がいつどんな手段で連絡するかを約束する。
これは最低限やらなければならないことです。理由があるかないかで対応が変わるからです。
積極的に営業しないけどお声をかける理由(用事)とタイミングを伝える方法です。「◯◯の書類だけはどうしても来月末までに必要ですので、その書類だけは受け取りに来月お伺いさせていただきます。」など。
「営業から何月何日にお電話します」
「お客様から何月何日に営業にメールいただく」など。
他のお客様に力を注ぐ
このお客様を追いかけ続ける意識ではなく、新たなお客様を探したり他のお客様に力を注ぐ意識に切り替えましょう。「連絡しないで欲しい」とおっしゃる背景が複雑であればあるほど成約に結びつかなくなるからです。
「あと少しで契約だったのに」という気持ちは重々わかりますが、このお客様には一旦区切りをつけるのも一つの手です。営業を長く続けるにはあなた自身の気持ちの整理が重要であり、それも仕事の一つといえるでしょう。「去る者は追わず」とまではいいませんが、過度に期待しないことです。
まとめ
「連絡しないで欲しい」といわれたとき、できることについて解説しました。お客様を最大限に尊重してリスクを避けて行動しましょう。


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