ゴリゴリの営業は一昔前のイメージですが今も存在しますか?
●質問
私の勤めている会社がゴリゴリの営業なのかが気になっています。
「数を当たれ」と言われて、少し参っている状況です。
ゴリゴリの営業というのは一昔前のイメージですが、いまもなお存在するのでしょうか?
● 回答
あなたの勤めている会社がゴリゴリの営業なのかが気になっておられるのですね。
「数を当たれ」と言われると少し参ってしまう気持ち、よくわかります。私も今までいろんなことを言われてきました。自分の会社以外の状況はなかなか見聞きすることはないので気になるのは当然だと思います。
ゴリゴリの営業は今もなお存在すると私は思っています。営業でいうゴリゴリとは「無理に売る」「押し売りする」という意味で捉えられることが多いようです。お客様から求められていないのに、売りつけるようなネガティブなイメージがあると思います。私個人としては無理に売るのは好みませんしやりたくないのでゴリゴリの営業マンは苦手です。距離感を保ってほどほどに付き合うのがよいと私は思っています。
私がこの数年で関わってきた方のエピソードをいくつかご紹介します。
ゴリゴリ上司の部下のAさんの場合
Aさんの上司のT部長は、商談現場を得意と自負するタイプでかなりの自信家でした。顧客に対してごり押しの売り込みトークを連発していました。Aさんがアポイントをとって営業に行くとなると必ず同行していたそうです。営業同行したT部長は、Aさんの後方支援をするのかと思いきや、商談のほとんどをT部長が話していたのです。会社にもどる電車のなかでT部長はAさんに「あそこはもっと押さなきゃダメでしょう」「私の営業のやり方ちゃんと見てる?」などと叱責。T部長の営業は押し売りのようでAさんは嫌気がさしていました。AさんはあるときからT部長との同行をうまく理由をつけて避けて、単独で営業に出ていくようになったそうです。それ以来、Aさんらしい営業スタイルで活動できるようになったと仰っていました。
ゴリゴリ経営者の元で働くBさんの場合
Bさんがいる会社のX社長は50代でいまだに現役のトップ営業マン。他に営業マンが4人いるにも関わらず一番の売り上げは X 社長。X社長は部下の育成よりも自分が最前線に出て売上を上げること優先していました。ある時はひらめいたアイデアを4人の営業マンたちに話したくて夜10時に会社に召集して、会議を開いたこともあったと言います。Bさんはじめ営業マンたちは、「もう、ついていけない。」と、我慢の限界がきてしまい、Bさんは早々に組織を抜けました。最終的には組織が崩壊したそうです。その後、Bさんは別の職場で営業マンとして働き、成果をあげておられます。
同僚にゴリゴリ営業マンがいるCさんの場合
Cさんはメーカーの営業マンでした。Cさんの営業部署は、年度末にも関わらず売上目標に対して未達成の状況。ある日、営業会議で上司から営業マン8人に「取引先に在庫を抱えてもらえるようお願いして欲しい。」と指示がありました。Cさんは「自分の取引先で買ってくれそうな先はないな。困った。。」と嘆いていました。一方で、同僚のSさんは次々と在庫販売を成立させて成果をあげてきました。Cさんは「Sさんはすごいな。ゴリゴリの営業マンだな。」と内心おもっていたそうです。しかし、Sさんに聞いてみると、「決して押し売りしたわけではなく、日ごろの人間関係が出来ている取引先が条件を飲んでくださった。」というものでした。それからCさんは、反省して今まで以上に日ごろからの取引先とのお付き合いを大切にしたそうです。
ちなみに、日本電産会長の永守重信氏はかつて次のような取り組みをしていたそうです。圧倒的な行動量だったことが伺えます。
これは創業初期に永守が実践した方法だ。日本企業への売り込みに苦労した永守は米国へ飛び、電話帳で片っ端から電話をかけた。そこで大型受注を獲得し躍進のきっかけをつかんだ。
出典:2021/10/19 日本経済新聞 朝刊 2ページ
話を元に戻しますが、あなたの質問はゴリゴリの営業が今もなお存在するかということでしたね。
コンプライアンスの強化によって、ひと昔まえのような「押し売り」はもう無いのではないか、という意見もあるでしょう。もちろん私もそう思いたいです。
しかし、実際にゴリゴリの営業は今もなお存在し続けています。
実際に、無理やり売ってくるよう指示する会社も見聞きします。中には営業マンが精神的に潰れてしまう場合も少なくありません。
一方で、「数をあたれ」という指示が的確な場合もあると思います。あなたの状況や、上司とあなたの関係性によって、その言葉の意味合いが変わってくることでしょう。
そのような状況の中でも、ゴリゴリ営業系の方とは適度な距離を保ってほどほどにつきあっていっている方はうまくいっていると私は感じます。盗めるところは盗むくらいの気持ちでいるといいかもしれません。
押し売りではなくお客様が心から納得して気持ちよく買って頂ける営業を私は心がけています。
周りの環境に振り回されずに、あなたの信念や軸を持ってやっていけると良い方向に進むと思います。
木村まもる(逆転営業アカデミー 売上UPマジシャン)
最新記事 by 木村まもる(逆転営業アカデミー 売上UPマジシャン) (全て見る)
- 起業家が映画をアマゾンプライムでみて勇気づけられる作品 - 2024年10月21日
- 公式LINE登録者限定!豪華17大無料特典プレゼント - 2024年7月30日
- 夏季休暇についてご案内申し上げます。 - 2024年7月29日