価格ではなく”想い”で売る営業術

営業で価格勝負になってしまう背景

商談で一生懸命説明しているのに、お客様の心に響かない。
商品の良さは伝わっているはずなのに、なかなか契約につながらない。
気づけば「値引きありき」で話が進んでしまう。

多くの営業マンが抱える悩みですが、原因は「価格」ではなく「想い」にあります。
お客様が求めているのは「安さ」よりも「信頼」と「共感」なのです。

営業の本質は説明ではなく想い

営業が作業のように感じてしまうとき、多くは「説明中心」になっています。
しかし営業の本質は「伝えること」ではなく、「お客様の想いを聞き出すこと」です。

人が動く流れは「感じる→思う→考える→行動する」。
その最初のきっかけを作るのが「質問」であり、ここにこそ営業の真価があります。

アプローチの3段階

お客様に「聞いてみたい」と思っていただくために、アプローチには3つの段階があります。

  1. 即刻の注意を引く
  2. お互いを理解する
  3. 本音を引き出す

この3つを順に踏むことで、お客様の心は自然に開かれていきます。

第1段階=即刻の注意

お客様が「話を聞いてみよう」と思うためには、最初の一言が重要です。
自己紹介は15〜20秒で簡潔に済ませ、すぐに質問を投げかけましょう。

  • 「私どものことはご存じでしたか?」
  • 「御社はどんな事業をされているんですか?」
  • 「なぜ今日はお会いいただいたんでしょうか?」

この問いかけで、お客様は“会う理由=動機”を話し始めます。
その瞬間から商談は営業マンの時間ではなく、お客様のための時間に変わります。

第2段階=お互いを理解する

次に行うのは、商品の説明ではなく「お客様ご自身のストーリー」を伺うことです。

  • 「なぜこの会社を立ち上げられたのですか?」
  • 「これまでどんな経験をされてきたのですか?」
  • 「今、どんな未来を目指しているのですか?」

背景や想いを聞くことで信頼関係が一気に深まり、商談の空気が変わります。

例えば、不動産営業の男性が「物件説明」から「家を探す理由」を質問に変えただけで、契約率が3倍に伸びたという事例もあります。

第3段階=本音を引き出す

信頼関係ができたら、お客様の本音を伺う段階です。

時には「とりあえず説明してよ」と言われることもあります。
しかしここで焦って説明に入ると「分かったから検討する」で終わってしまいます。

「ありがとうございます。ですがその前に少し伺えますか?その方がより効果的にお話できますので」
と伝え、流れをリードすることが大切です。

営業は「売りつける人」ではなく「解決する人」。
だからこそ、お客様の本音を引き出し、想いに寄り添うことが必要です。

まとめ

営業の勝敗を分けるのは価格ではなく、想いです。

  • 第1段階=質問で注意を引く
  • 第2段階=背景や想いを聴く
  • 第3段階=本音を引き出して解決策と結びつける

この3つを徹底すれば、値引きに頼らず共感で選ばれる営業が実現します。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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