OJTで放置される新人【退職したい・辞めたい】理由と対処法
新しい職場に配属されはじめて営業職になった新人がOJTで放置されてしまうことは少なくありません。新人社員や新人営業マンにとってはとても困ってしまいますよね。あなたがOJTで放置される理由や背景がわかれば、不安が少しでも解消でき前進していけるのではないでしょうか?本記事ではOJTで放置される理由や背景、対処方法やヒントについてご紹介します。私が18年以上の営業経験のなかで、さまざまな上司や先輩とのOJTを経験した事例もあわせてお伝えしますので、参考にしていただけるとうれしいです。
OJT とは
OJTとはどのような意味でしょうか?OJTとはOn the Job Training(オンザジョブトレーニング)の頭文字をとった略語です。日本語では職場の上司や先輩などの教育係が、新人に対して、実際の業務のなかで教育して、必要な知識やスキルを身につけてもらう手法を指します。経済産業省のホームページでは、OJTを「日常業務における人材育成の取組」と記載されています。
まずは人材育成の取組状況について確認すると、日常業務における人材育成の取組(OJT)では、95.0%の企業が何らかのOJTの取組を選択しており、「何も行っていない」と回答した企業は0.7%となっている
出典:経済産業省 第1節 労働生産性の向上に向けた人材育成の取組と課題
新しい職場のOJTで放置されると退職したくなる理由
OJTで新人が放置されてしまうとさまざま理由で戸惑いや不安に感じ、退職に気持ちが向かってしまう可能性があります。退職したい・辞めたい理由はどのようなものが挙げられるか、みていきましょう。
人間関係がつくれない
人間関係が作れないのは転職理由の上位トップ3に入る定番の項目。最近ではオンライン化が進み。在宅ワークなどではとくに顔を合わせる機会が減り、社員同士の雑談が少なくなっている傾向。自分から話しかけるのが苦手、教育担当者とコミュニケーションが取れないなどで、会話が減ると職場のメンバーと疎遠になりやすくなります。
OJTの教育担当者が雰囲気をつくってくれれば、新人も気軽に話しやすくなったり、リラックスできるはずですが、そううまくいかないもの。会話があることで安心感が生まれると本人はわかっていても、OJTで放置されて人間関係がつくれないと長続きしにくくなってしまいます。
誰も気にしてくれず不安がつのる
会議室でポツンと座らされて放置されたり、何もやることがなくデスクにいても誰からも声がかからない。次第に「自分は何のためにここにいるんだろう」とさえ思ってしまうでしょう。職場の誰もが新人を気にもせず、かまってくれないとなるとツラくて辞めたくなってしまいます。
仕事が楽しくないと感じる
営業がやりたくてなった人と、異動でやむなく営業になった人、など状況はさまざま。ただでさえ営業という仕事にニガテ意識があって気が進まないのに、放置されるとますますやる気をなくしてしまいますよね。楽しさややりがいを見いだせないことが原因で、辞めたいと感じるパターンです。
放置されていると言い出せない
新人営業にとって新しい職場で失礼のないように気を使うことがおおいですよね。職場の同僚や先輩上司に本音を言い出せないのは多くの新人が感じていることでしょう。教育係なのに本人が「放置している」と自覚していないこともありえます。新人の不満がたまりにたまって退職したくなるケースです。
長く勤められないと感じる
上司や会社のことを新人営業はよく見ています。あなたもそうかもしれません。「本当にあなたを育てようとしているのかどうか」は無意識のうちに感じるでしょう。「こんな会社じゃ長く勤められない」「先が見えた」と感じると、退職を意識してしまいますよね。
できる人なのにOJTで放置されてやめたいと思う理由
仕事ができる人であっても、OJTで放置されると辞めたいと感じる場合があります。どのような理由で辞めたいと感じるのか、を見ていきましょう。
教育体制がない
あなたの会社に教育担当の専門の部署はありますか?教育担当部署が会社内で独立して機能しているのは限られているように感じます。営業であれば営業部署のメンバーに教育を任せていることが多いはず。人を育てることに力を入れているかどうかは、企業体質によって変わります。教育を任された営業部署は、限られた時間やメンバーの中でOJTを組むことに。OJTでの教育が後回しになって埋没してしまいがちになるのです。
教育担当者が忙しすぎる
OJTでの教育担当者は、上司や先輩が担う場合が大半でしょう。上司や先輩も、自身の売上目標を抱えて営業活動をしながら新人の面倒を見ることに。お客様の現場対応が最優先になるのは当たり前。ピリピリとした緊張感のなか、新人が針の穴に糸を通すように忙しい教育担当者に声をかけるのはありがちな場面です。いくら仕事ができる人であっても、質問しづらくヘトヘトになってしまいます。
人間関係がわるく連携の取れていない職場
職場がギスギスした雰囲気だと居づらくなって不快に。OJTで先輩との営業同行の移動中に上司のグチを延々と聞かされたり、不満を漏らされることは私自身も経験があります。新人営業からすると「私に言われても」と困ってしまいます。
人間関係がわるいとOJTのスケジュールの連携が適切になされずに、断片的な学びで終わってしまうことも。営業部署としてOJTに取り掛かろうという職場の雰囲気があるかどうかは、新人の成長を左右する要素といえます。
経営者の方針で自主性に任せられている
経営層が「自主性を重んじ過ぎて何も教えない」というパターンです。社長の言動は中間管理職のマインドになり、企業文化になりえます。「自分で覚えろ」というスタンスで、基礎的なことも教えてくれなければ、新人の可能性を閉ざしてしまうことになりかねません。細かいことを指導せず「あとはよろしく」とだけいって去ってしまう教育担当者は目も当てられませんね。
情報共有されていない
営業部署の体質によっては情報が蓄積・共有されていないケースがあります。どこに何の情報があるのかわからなければ、新人営業は困ってしまいます。上司や先輩が、日頃からコツコツ情報を共有のクラウドシステムに格納するなど連携しているかがカギ。クラウドシステムとは、Googleドライブやマイクロソフトのワンドライブ、会社の共有サーバーなどの情報共有の仕組みをさします。情報共有・整理されているかどうかは、働きやすさに関わるのです。
新入社員で放置されても退職を考える前にやるべきこと
あなたが新入社員で放置されていても退職を考える前にまずやるべきことを洗い出してみましょう。何か糸口が見つかるかもしれません。この章でリストアップしたものを参考に検討してみてください。
いまやる作業のあとにどの作業をやるか聞いておく
新人営業でありがちなのが、いま指示されたことだけに精一杯になって、作業が終わってボーっとしているパターン。つねに教育担当者から指示をしてもらえる状態でないことも多いでしょう。「この作業のあとは何をやればよいですか?」と聞いておくだけ。教育担当者が忙しくても、次の作業の準備をタイムラグなく取り掛かれるでしょう。
時間が余った時に何をやればよいか把握する
次の作業もやり終わって、やることがなくなってしまう場合もあるでしょう。気づけば教育担当者は営業先に外出してしまった。あなたは何に手をつけてよいか分からず戸惑ってしまうのです。「時間があった時にやっておくことはありますか?」と事前に聞いておきましょう。資料や見積もり作成・商材の勉強など、やることはたくさんあるはずです。時間が余っても有効活用できるでしょう。
一人でロープレをやってみる
自分で時間を見つけてできる・時間が空いたらできるのは、一人ロープレ。一人ロープレとは、営業マンになりきってお客様が目の前にいると想像して商談をやってみること。スマホやパソコンで録画・録音して、自分の話し方を見直すのも勉強のひとつ。客観的な視点で見直すことで、改善すべきポイントを見つけられるでしょう。
先輩とロープレの時間をとってもらう
新人営業の教育担当者が先輩の場合、ロープレまで時間をかけてくれないことも。先輩の立場からみると「丁寧に教えていたら時間があっという間に過ぎてしまう」でしょうし、先輩はそこまで気を回せないことも大いにありえます。ロープレをやろうといっても嫌がられると面倒と考えて、先輩から新人に声をかけにくいのも理由のひとつ。新人から「ロープレの時間を取ってもらえますか?」と投げかけてみましょう。
上司以外の教育担当者を決めてもらう
上司があなたの教育係を兼ねている場合、繁忙期で上司が多忙だと他の業務を優先されてOJTが後回しになりがち。教育担当者を上司以外にしてもらったり、補う役割としてサブの教育担当者を決めてもらうと、スムーズになるでしょう。
1on1のときに話す
相談しようと思っても、職場で上司がピリピリしているときは話しにくいですよね。1on1のような対面・オンラインで上司と1対1で話しせる時間であれば落ち着いて話せるはず。上司から「何かある?」と聞かれたら「実は・・・」と胸の内を話してみましょう。案外上司がは気づいていなかったり、すぐ解決できることだったりするものです。1on1でなくても上司が聞いてくれる姿勢になっている時に相談してみましょう。
営業部署内でOJTの予定をすり合わせする
営業部署で新人が入って、教育担当者がOJTの計画を立てたとしても、繁忙期や大きなプロジェクトと重なって「絵に描いた餅」になりがち。残念ながらスケジュールが頓挫してしまうのです。「週に1回水曜の夕方は社内作業の研修を予定してもらう」「月曜の朝に今週のOJTの予定を上司とすり合わせする」など自分から働きかけて習慣づけしていきましょう。
動画講座、外部の営業講師に教えてもらう
社内の人員をOJTでの教育に割けない・営業手法が社内で確立できていないのはよくあること。
社内の研修の動画教材があれば見てみるのもいいですね。営業系で「挨拶」「商談の流れ」「クレーム対応」など情報があるはずです。
社内があてにならないのであれば、社外の営業講師を探してみましょう。自費で受講することで真剣に学べるものです。
OJTに向いてない人ってどんな人
そもそもOJTが向いていない人はいるのでしょうか?次の3つのタイプはOJTに向いていないといえるでしょう。
自分の考えが強すぎる人
自分の考えが強すぎて、OJTで教育担当者と同行していても苦痛に感じる人は向いていません。OJT自体がストレスの原因になるからです。自己主張が強い・自分の意志で今スグ進みたいと思う人は早めにOJTを卒業するとよいでしょう。なるべくはやく現場に出られるよう、上司に相談してみましょう。
自分でやってみないと吸収できないと思っている人
他人がやっているのを見るだけと、自分でやるのは大違い。教育担当者によっても営業手法はさまざまでしょうし、あなたに合う合わないもあるでしょう。現場で自分がやってみて、感覚をつかみたい人はOJTを苦痛に感じやすくなりがち。自分でやってみて困った時だけ教えてもらうのがよいでしょう。
上司と仕事の価値観があわない人
上司の言動や姿勢から「この上司とはウマが合わないな」と感じるのはよくあること。仕事の価値観が合わない上司とのOJTほど嫌なものはありません。部下やお客様を大切にしない、売れさえすればいい、と思っている上司とのOJTで不愉快な思いをしたことを私は今でも覚えています。教育担当者を変えてもらうのも一つの方法ですね。
任される人と放置される人との違いとは
新人営業で任される人と放置される人は紙一重。どのような違いがあるのか超基本的な違いをお伝えします。
やり方を見せてもらう
学ぶ(まなぶ)は、「まねる(真似る)」が語源ともいわれています。お手本を見て真似するのは上達への近道です。抽象的な指示をされていざ動こうとしても動けないのでは困ってしまいますね。「一度やって見せてもらえますか?」とお願いしてみましょう。
ポイントやコツを教えてもらう
営業の業務は多岐に渡ります。次から次へと作業をこなさなければなりません。作業によって、手順やタイミング・気をつけるポイント・意識していることなどがあるはず。あらかじめ教えてもらうことで、スムーズに吸収できます。「ポイントとかコツってありますか?」と聞けば教えてくれるでしょう。
自分でやってみる
教えてもらったことを自分でやってみましょう。「百聞は一見にしかず」のことわざのように、何度はなしを聞いても実際の体験には勝てません。実際にやってみてあなたの目で確かめてみましょう。
やったことをチェックしてもらう
あなたがやった作業をやりっぱなしにするのではなく、できているか教育担当者に見てもらいましょう。気づかないポイントを指摘してもらうことで、スキルは磨かれていきます。野球の打者が最適なフォームでバットを振れているかをコーチにチェックしてもらうようなものですね。
基礎的なことを一つひとつおさえていくことで、教育担当者から信頼を置かれて放置されるのではなく、任されるようになっていくことでしょう。
「やる気のない新人だから放置」にならない秘訣
新人営業で職場に配置されてはじめの3か月間は「この新人はやる気があるのか」と周りが評価しがち。やる気がないと烙印を押されてしまうのかどうかは3か月間で決まるといっても過言ではないでしょう。「やる気のない新人だから放置」にならないために、どのような秘訣があるか見ていきましょう。
挨拶・会話・雑談を部署の全員とする
「自分から声をかけられない」「引っ込み思案で萎縮してしまう」からと誰にも声をかけずにいるなんてことはありませんか?ささいなコミュニケーションでいいので少しずつやっていくことで職場の人間関係が出来ていきます。「こんにちは」「今日はいい天気ですね」「今日はどんな予定ですか?」など、たわいもない話を自分から話しかけてみましょう。
相談相手を見つける
いろいろな人に声をかけられるようになると「この先輩は相談しやすそうだ」などわかってくるはず。
教育担当者以外に相談相手がいればささいな質問もしやすくなるもの。困ったことも話しやすくなります。思っていることを話すだけでも不安からスッキリに変わります。行き詰まりを防げるので、やる気がないと思われることはなくなりますね。
相談相手は次のような人が考えられるでしょう。
- 上司
- 教育担当部署の担当者
- 同じ部署の先輩や同僚
- 別部署の先輩や同僚
- 人事・総務の担当者
- 上司のさらに上の上司
- 外部の営業講師
営業同行を希望する
営業同行を自ら希望してみるのもオススメ。上司や先輩の予定をチェックして「明日の13時から◯◯社の訪問に同行させてもらえませんか?」などと、申し出てみましょう。「積極的に動いている」と部署のメンバーは感じるはずです。
自分でテーマを決めて取り組む
OJTはあっても、教育体制が整っておらず形だけ、新人の自主性に任せる、という場合は、自分で乗り切るしかありませんね。「今週はこのテーマでやろう」などと決めて、段階を踏んで取り組んでいくことが大切。次のようなテーマを参考にしてみてください。
- 商品知識
- 競合他社知識
- 商談の事前準備
- お客様からのよくある質問と答え方
- 契約書内容の把握
- 納品や請求の流れ
営業Q&A
質問:営業でOJTはありますが教育体制がなく放置されています。
異動して営業職になりましたが、教育体制がなくほとんど放置されている状態です。
会社自体が中小企業で少数精鋭の営業部隊のため、中途入社の方も多く、教育体制が手探り状態です。
OJTもありますが、その担当の先輩ご自身も業務量が多く多忙です。
6か月後には担当を持つことになっていますが、コロナの影響もあり、OJT同行自体も少ない状況でなかなか場数を踏めません。
先輩や同僚、上司は皆さんいい方ばかりで、教育も時間がない中なんとかやってあげようという気持ちが伝わってくるので、何も不満はないのですが、人手が足りてない状況で、満足な教育をしてもらっているとは思えません。
そのため勤務時間中は一人でできるようなこと、例えば業務に関連する書籍や資料の閲覧、PCでの文書作業など雑用をしています。
このまま6か月後以降に担当を持つのが不安に感じています。
何かアドバイスいただけると嬉しいです。
● 回答
営業に異動になられて、6か月後に担当を持つ予定のなかで教育が満足にされていない、放置されていると感じておられるのですね。
特に中小企業であられて、先輩や同僚、上司は人柄はいいけれど、通常の業務で手一杯の状況で歯がゆさを感じます。
中小企業の場合は、特に限られた人員のなかで教育・指導の体制を組んでいくため、教育を継続して計画通りに遂行することが困難なことが多いと私は思います。
特に繁忙期になったり、受注増や業務過多、決算時期が重なる時期的な問題や、新卒社員の入社に伴ってそちらのほうに教育の軸足が置かれる問題など、複雑に絡み合ってきます。
その結果、異動した営業マンが放置されてしまうケースはよくあると感じます。
実は私自身も営業に配属されたときは研修がまったくと言っていいほどありませんでした。放置状態で本当に参ったなと思いました。
先輩や同僚、上司はきっとあなたに満足に教育をしてあげたいと思っていると文面から感じ取れます。
でも、現実としてできない状況があるのです。
つまり、あなたは待っているだけでは自分のスキルはあがっていかないのです。
教育してくれるだろう、という気持ちは置いといて、自ら情報を求めていく必要があるのです。
例えば、ご自身で期間ごとにテーマを決めて、その情報収集をしていくのです。
今月「商談には何を準備すべきか」、来月「顧客と人間関係を作るために必要なこと」
などです。
待ちの姿勢から脱却が近道だと私は思います。
まとめ
OJTで放置される理由や対処法などについてみてきました。いかがでしたか?社内だけで解決できなければ、外部の教育機関や営業講師に教わることも検討するのも手です。OJTで営業スキルを身につけられないと感じた方のために無料メール講座をプレゼントしています。下記をクリックしておすすみください。
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木村まもる(逆転営業アカデミー 売上UPマジシャン)
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