失敗しない営業プレゼンのコツ

失敗しない営業プレゼンのコツ

背景:プレゼンで伝わらないのは「説明の量」ではなく「伝え方」

多くの営業が「一生懸命説明しているのに伝わらない」と感じています。
しかし本当に大事なのは、話す量ではなく「お客様に伝わるかどうか」。
今日はその鍵を握る“失敗しない営業プレゼンのコツ”を解説します。

「説明上手=流暢に話せる」ではない

営業では商品の説明をする場面があります。
だからこそ「スラスラ話せる=説明上手」と思いがちです。

でも実際は、大事なのは「どんな説明をするか」という点です。
自分が伝えたい説明ではなく、お客様に“わかってもらうための説明”
さらに言えば「お客様が望んでいる説明」でなければなりません。

つまり、相手の欲求・ニーズ・課題を聞いた上で、
「それをどう解決できるのか」を伝えること。
それが本当の意味での説明です。

では、どうすればお客様に“響く説明”ができるのか。
次で実例を見ていきましょう。

一方的な説明と対話的な説明の違い

(例① 一方的な説明)

営業役:
「今、お子様のことがご心配とのことですが、どういう点が特に気になりますか?」

お客様役:
「3人いるので、もしもの時にどうなるかが心配ですね。」

営業役:
「そうですよね。ご夫婦だけでなく、お子さんの将来も含めて安心できる形にしておきたいということですね。実は私どもも、そうしたご家庭の安心を支えるために、さまざまなプランを考えてきました。一つひとつ丁寧にお話を伺いながら、最適な形をご提案していきますので、ご安心ください。」

一見、丁寧に話しているようですが、これは「一方的な説明」。
相手と絡んでおらず、“対話”になっていません。

では、質問を交えた“対話的な説明”を見てみましょう。

(例② 対話的な説明)

営業役:
「お子様のことが心配とおっしゃいましたが、具体的にはどんな点が気になりますか?」

お客様役:
「3人いて、上が12歳、下が8歳と5歳です。私も働いていますし、もしもの時に備えておきたいと思っていて。」

営業役:
「なるほど。ご自身の万一のときに家族を守れるようにしておきたいんですね。他にはどんなことが心配ですか?」

お客様役:
「子どもたちが大きくなったときの進学費用とかですかね。」

営業役:
「なるほど。つまり“今の安心”と“将来の安心”、その2つが大切ということですね。実は私たちも、その2つを軸にプランをご提案しています。では今から、その内容を具体的にご説明しますね。」

このように、お客様と対話しながら説明していくと、信頼が生まれます。
「自分の話を理解してくれている」と感じてもらえるからです。

逆に、何も聞かずに「安心してください」と言っても、
「何に安心すればいいの?」と不安にさせてしまいます。

真の説明上手は“聞き上手”

説明上手になるためには、聞き上手であることが前提です。
聞き上手な人こそが、本当の説明上手。

説明とは、相手の心にハーモニーのように響くもの。
流れるように話すことではなく、
相手の心の中に“溶け込むように伝わる”ことが本当のハーモニーです。

つまり、相手の状況をよく聞き、感じ取り、共に考える姿勢。
それがあってこそ、心に届く説明ができます。

営業とは「美しい対話」

お客様の心に寄り添い、
一緒に考え、一緒に未来を描く。
それが「失敗しない営業プレゼン」の本質です。

営業とは、まさに“美しい対話”の仕事なのです。

The following two tabs change content below.
営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

最新記事 by 木村まもる(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)

 
営業適正