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営業で次回提案がぼやける時は比較条件を一つに絞る

資料を増やす前の比較条件

次回提案の約束は取れたのに、何を提案すればよいかぼやけることがあります。相手の要望は聞けた。課題も聞けた。けれど、資料を作り始めると、あれもこれも入れたくなる。そんな経験はありませんか?

この記事は、次のような営業場面に役立ちます。

  • 次回提案の資料が毎回厚くなりすぎる方
  • 相手の要望を聞いたのに提案の焦点が定まらない方
  • 比較検討で何を見られているか分からない方

小松健司さん(仮名、法人向け映像制作の営業担当者)は、採用動画の相談で次回提案を約束しました。担当者は「社内で必要性を話しにくいです」と言いました。

この営業担当者は、実績、制作工程、料金、納期、撮影事例を全部入れた提案資料を作りました。資料は丁寧でしたが、次回の商談で担当者はどこを見ればよいか迷っていました。

営業で次回提案がぼやける時は、比較条件を一つに絞ります。提案資料を増やすほど、相手が比べる場所は見えにくくなることがあります。

この記事では、次回提案を作る前に、相手が何を比べて判断するのかを絞る方法を解説します。次回提案で先に決めるのは、資料の量ではなく、相手が見る比較条件です。

提案資料が厚くなる理由

提案資料が厚くなる理由は、営業側が不安になるからです。足りないと思われたくない。競合に負けたくない。専門性を見せたい。そう考えるほど、資料には説明が増えます。

しかし、相手が次回提案で見たいのは、すべての情報ではありません。自分たちが何を基準に決めればよいかです。基準が見えないまま資料を受け取ると、情報が多くても判断は進みません。

資料には、制作工程も料金表も撮影事例も入っていました。ただ、担当者が最初に話したその言葉に答える内容が薄くなっていました。

社内で必要性を話しにくい相手に、実績を多く見せても比較条件は整いません。担当者が比べたいのは、動画を作るかどうかだけでなく、採用ページの文章だけで足りるのか、社員インタビューがある方が伝わるのかという点でした。

資料を作った後で自分でも迷いました。どのページを最初に説明すればよいのか決められなかったからです。営業側が説明順を決められない資料は、相手にとっても読み順が見えにくい資料です。

そこで資料の枚数ではなく冒頭の問いを見直しました。次回の場で担当者が社内説明に使える比較が先に見えるか。ここだけに絞ると、残すページと後ろに回すページが分かりました。

提案前にこの比較条件を聞いていれば、資料の作り方は変わります。

商談後に振り返る一項目

次回提案の前に振り返る項目は、一つで十分です。相手は何と比べて迷っているのか。この一項目だけを見ます。

価格と比べているのか、競合と比べているのか、現状維持と比べているのか、社内説明のしやすさと比べているのか。ここが分かると、提案資料の中心が決まります。

商談後にこの一項目を見直しました。ロープレで説明順を確認すると、担当者の言葉は社内で必要性を話しにくいという内容でした。つまり、競合比較よりも、現状維持との比較が先でした。

この時に、担当者の言葉を変えないことが大事です。動画の価値が伝わらない、と営業側の言葉に置き換えると、最初の実感から少し離れます。

次回提案の冒頭には「社内で必要性を話しやすくするために、採用ページだけの場合と社員インタビュー動画を加える場合を比べます」と置きました。

相手が何と比べているかを一つに絞ると、提案は説明集ではなく判断材料になります。

比較条件を聞く会話例

比較条件は、次回提案の約束を取る前に短く聞けます。長いヒアリングに戻る必要はありません。

営業側「次回の提案では、何と比べて見られる形が一番話しやすいですか」
担当者「採用ページだけで足りるかどうかです」
営業側「では、採用ページだけの場合と社員インタビュー動画を加える場合を比べます」
担当者「その形なら社内で話しやすいです」

この会話では、営業側は提案内容を先に広げていません。担当者が社内で何を比べるかを聞き、比較条件を一つに絞っています。

相手の答えは、採用ページだけで足りるかどうかでした。後の資料でも、この言葉を軸にします。途中で「媒体設計の課題」と言い換えると、担当者が話した実感から離れます。

比較条件を聞くと、提案に入れる情報も削れます。撮影機材、編集工程、過去実績を全部並べる前に、採用ページだけの場合との違いを見せればよいからです。

次回提案の約束を取る時は、提案内容より先に、相手が比べる条件を聞きます。

ぼやける提案の直し方

次回提案がぼやける時は、資料を作り直す前に、見出しを一つ直します。資料の冒頭見出しが「採用動画のご提案」だけなら、相手が何を見る資料か分かりません。

冒頭見出しは「採用ページだけの場合と社員インタビュー動画を加える場合の比較」に変えました。この見出しなら、担当者は社内で説明しやすくなります。

本文も同じ順番にします。採用ページだけの場合、社員インタビュー動画を加える場合、社内で話す時の一文。この三つです。

ここで別の三語に変えません。途中で、文章改善、動画活用、応募者心理の三つに広げると、最初に決めた比較条件から外れます。

提案資料には、詳しい制作工程を入れてもよいです。ただし、冒頭で比較条件が見えた後に置きます。先に工程を並べると、担当者は何のための工程かを見失います。

この直し方なら、資料を厚くしなくても提案の焦点は立ちます。

担当者が話せる一文

次回提案を社内に持ち帰ってもらうなら、担当者が使える一文を一緒に作ります。これは営業側の決め台詞ではありません。担当者が社内で説明するための言葉です。

営業側は、「採用ページだけでは仕事の雰囲気が伝わりにくいので、社員の声を一分で見せる案です」という一文を担当者と確認しました。

この一文は、担当者が話した社内説明のしにくさに対応しています。必要性を話しやすくするために、採用ページだけの場合と社員インタビュー動画を加える場合を比べる。筋道がつながっています。

社内説明に使う一文がないまま資料だけ渡すと、担当者は資料を読み解く側になります。使える一文があると、社内で話す側に回れます。

営業側は、ここでかっこいい表現を作る必要はありません。担当者が普段の言葉で言える一文にします。

相手が言いやすい一文は、提案後の返事にもつながります。社内でどんな反応だったかを聞く時にも、同じ一文を起点にできます。

次回提案前の確認順

次回提案を作る前に、確認順を決めます。最初に相手の言葉、次に比較条件、最後に社内で使う一文です。

この提案場面では、相手の言葉に社内説明のしにくさがありました。比較条件は、採用ページだけの場合と社員インタビュー動画を加える場合でした。社内で使う一文は、仕事の雰囲気を一分で見せる案です。

この順番で作ると、提案資料は相手の迷いに沿います。資料を作るたびに全部を説明しようとしなくて済みます。

不要なページを消したわけではありません。詳しい制作工程や撮影体制は、後半に置きました。冒頭では比較条件を見せ、担当者が社内で話す時に使う一文を先に示しました。

次回商談では、担当者が最初に「採用ページだけでは仕事の雰囲気が伝わりにくい点を見たいです」と言いました。営業側は、その言葉を受けて比較ページから入りました。資料の順番が相手の言葉に合っていたため、説明は短く済みました。

もし相手が価格で迷っているなら、比較条件は月額費用や制作費の回収時期になります。もし操作負担で迷っているなら、導入初日の動きと担当者の負担を比べます。

大事なのは、どの商談でも同じ資料を厚くすることではありません。その商談で相手が比べる条件を一つに絞ることです。

提案後の振り返りでも、同じ一項目を見ます。相手は比較条件を見て話せたか。社内で使う一文を自分の言葉で言えたか。そこまで見れば、次回に足すべき情報と削るべき情報が分かります。

次回提案の約束が取れたら、資料を作る前に「社内で最初に比べたいものは何ですか」と聞いてください。相手の答えをそのまま使えば、提案の焦点はぼやけにくくなります。

資料作成前に見る順番は、次の三つです。

  • 相手が口にした言葉
  • 何と比べるかという条件
  • 社内で使う一文

営業Q&A

次回提案の資料は詳しいほどよいですか?

競合に負けないように、実績や工程を多く入れたくなる場面です。

回答

詳しさより先に、相手が何と比べて見るのかを決めます。比較条件が一つ見えると、実績や工程も必要な範囲だけ出せます。

比較条件が分からない時はどう聞けばよいですか?

相手の要望は聞けたものの、提案の焦点が定まらない場面です。

回答

「次回の提案では、どの違いを先に見ると社内で説明しやすいですか」と聞きます。価格、現状維持、競合、社内説明のどれに近いかが見えると、資料の中心を決めやすくなります。

一文から始める提案

営業で次回提案がぼやける時は、相手が何と比べて判断するのかを一つに絞ります。相手の言葉、比較条件、社内で使う一文の順で見ると、資料の量に頼らず提案の意味がはっきりします。

  • 提案資料が厚くなる不安
  • 商談後に振り返る比較条件
  • 担当者が話せる一文

次回提案の前には、資料を作り始める前に「社内で話す時に、どこを比べると伝えやすいですか」と聞いてください。その条件を資料の冒頭に置き、社内で話せる一文まで一緒に整えましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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