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営業で決裁者が不在なら伝言より判断材料を先に聞く

決裁者不在の商談で聞く判断材料

営業で決裁者が不在なら、伝言を頼む前に、決裁者が見る判断材料を聞きます。担当者に全部を託さず、部長が何で判断するのかを一緒に整理します。

営業で決裁者が不在だと分かった瞬間、こちらは不安になります。目の前の担当者は前向きでも、最後に別の人が判断する。そこで営業側は、資料を厚くしたり、伝言を頼んだりしがちです。

北村悠介さん(仮名、社員研修サービスを提案する営業担当者)は、担当者との商談では手応えを感じていました。担当者も「内容は良さそうです」と言ってくれます。けれど最後に、部長確認で止まっていました。

北村さんは、部長向けの資料を追加しました。実績、料金、研修内容、導入事例。資料は整いましたが、次の返事は「まだ確認中です」でした。

決裁者不在の商談で大事なのは、資料を増やすことではありません。担当者が社内で話す順番を決めます。この記事では、決裁者がいない場面で聞く一問を解説します。

こんな人におすすめの記事です。

  • 担当者は前向きなのに決裁者確認で止まりやすい方
  • 部長向けの資料を増やしても返事が遅い方
  • 社内確認を次の商談につなげたい方

これから一つひとつ見ていきましょう。

伝言任せで止まる商談

北村さんの失敗は、担当者に悪意があったからではありません。担当者も前向きでした。ただ、部長が何を気にするかを聞かないまま、資料を渡していました。

担当者は、営業側の言葉をそのまま社内で話せるとは限りません。研修の狙い、費用、実施時期、受講者の反応。どれから話せばよいか分からなければ、確認は後回しになります。

決裁者がいない時、営業側は「よろしくお願いします」と言って終えがちです。これでは、担当者が一人で説明を背負います。担当者の社内説明を助けるために、決裁者が見る判断材料を先に聞きます。

北村さんは、部長が見る材料を三つに分けました。費用、欠席者対応、現場効果です。研修サービスの商談では、部長がこの三つで止まりやすいと担当者が教えてくれました。

決裁者が見る三つの材料

決裁者が見る判断材料は、商材によって違います。北村さんの案件では、費用、欠席者対応、現場効果でした。この三つを決めたら、後段でも同じ言葉と順番で扱います。

判断材料 担当者に聞く一言
費用 部長が最初に見る金額の範囲を聞く
欠席者対応 受けられない人が出た時の扱いを聞く
現場効果 受講後に何が変わればよいかを聞く

費用は、総額だけではありません。一人あたりで見るのか、部署単位で見るのかで説明が変わります。欠席者対応は、研修当日に出られない人がいた時の不安です。現場効果は、研修後にどの行動が変わればよいかです。

北村さんは、部長に直接会えないなら、担当者にこの三つを聞くと決めました。資料を増やす前に、社内で何を見られるかを聞きます。

担当者が社内で説明する材料を一緒に決めると、決裁者不在の商談でも次の動きが具体的になります。

部長確認の前に聞く会話例

北村さんは、担当者から「部長に確認します」と言われた時、すぐ資料を渡しませんでした。

北村さん「部長に確認されるのですね。資料をお渡しする前に、部長が先に見る材料を確認してもよいですか」
担当者「費用は必ず見ます」
北村さん「費用ですね。ほかに、欠席者対応と現場効果なら、どちらが話題になりそうですか」
担当者「欠席者対応です。シフト制なので全員そろわない可能性があります」

ここで出た言葉は、費用と欠席者対応です。北村さんは、後で運用課題、参加管理、効果測定などへ言い換えすぎませんでした。担当者が部長に話す時の言葉を守るためです。

北村さん「費用と欠席者対応ですね。では、部長に見ていただく資料は、この二つを先頭にします。現場効果は、最後に一枚で足します」
担当者「その順番なら話しやすいです」

担当者は、社内で話す順番が決まると安心します。全部を伝える必要がなくなります。部長が見る材料から話せるためです。

担当者を一人にしない資料の渡し方

北村さんは、資料を厚くする代わりに、担当者が話す順番を一枚目に書きました。費用、欠席者対応、現場効果。この三つです。

資料の本文には、長い説明を入れません。費用では、総額と一人あたりの見方を分けます。欠席者対応では、欠席した人が後で受けられる流れを書きます。現場効果では、受講後に朝礼で使う一文を決めます。

一枚目の上には、担当者が最初に読む一文も置きました。「部長には費用と欠席者対応から確認したいです」。この一文があると、担当者は資料を上から順に読むだけで済みます。営業側の説明を思い出して組み立て直す負担を減らせます。

私は、決裁者不在の商談で営業側が担当者に頼りすぎる場面を何度も見ています。担当者が前向きだからこそ、「うまく伝えてくれるはず」と思ってしまうのです。けれど、社内で説明するのは担当者です。営業側は、その説明の順番まで一緒に作ります。

北村さんは、担当者への伝言依頼で終えず、部長へ話す一文を一緒に作りました。「費用は総額に加えて、一人あたりで見るとこの範囲です。欠席者対応は後日受講で補えます」。担当者はこの一文をそのまま使いました。

この一文を作る時、北村さんは研修の良さを全部入れようとしませんでした。部長が先に見る費用と欠席者対応だけに絞ります。現場効果は、部長がその二つを見た後で話す材料にしました。順番を決めるだけで、担当者の説明はかなり短くなります。

担当者は「これなら部長に5分で話せます」と言いました。北村さんは、その5分で話す内容を確認しました。費用、欠席者対応、現場効果。この三つです。費用の中では一人あたりの見方だけを添え、研修カリキュラムの全体説明は足しません。

決裁者が不在の時ほど、担当者が社内で話す一文を一緒に作ります。

次回同席につなぐ一問

社内確認だけで終わらせないために、北村さんは次回同席の可能性も聞きました。無理に部長を呼ぶのではありません。部長が直接聞いた方が早い材料があるかを聞きます。

北村さん「費用と欠席者対応のどちらかで、部長が直接聞いた方が早い点はありますか」
担当者「欠席者対応は直接聞いた方が早いと思います」
北村さん「欠席者対応ですね。では、次回はそこだけ部長にも聞いていただく場にできますか」

この聞き方なら、部長同席が営業側の都合に見えにくくなります。部長が直接聞いた方が早い材料があるから同席する、という理由になります。

もし同席できない場合でも、次の動きは残ります。担当者が部長に費用と欠席者対応を話し、疑問点を一つ持ち帰る。その疑問点を次回の商談で扱います。

北村さんは、次回の目的を「部長の反応を聞くこと」にしませんでした。「費用と欠席者対応について、部長が止まった点を一つ聞くこと」にしました。目的が具体的になると、担当者も動きやすくなります。

担当者への宿題も軽くなります。全部を説明して感想を聞いてくる形では、担当者の負担が大きくなります。部長がどこで止まったかを一つだけ聞く。これなら担当者も社内で動きやすく、営業側も次回の準備を絞れます。

社内確認後の聞き直し

数日後、担当者から返事がありました。部長は費用よりも欠席者対応を気にしていました。北村さんは、そこで新しい資料を一式送らず、欠席者対応だけを聞き直しました。

北村さん「部長は欠席者対応で止まったのですね。欠席した人が後日受けられる流れと、受講記録の残し方なら、どちらを先に見たいと言われましたか」
担当者「受講記録の残し方です」

欠席者対応という言葉はそのまま残し、その中で受講記録の残し方を扱います。これなら、最初の三つの材料から話が外れません。

北村さんは、次回商談で受講記録の残し方だけを説明しました。費用、欠席者対応、現場効果の全資料を最初から話し直しません。部長が止まった点に絞ったため、担当者も部長に報告しやすくなりました。

部長から追加で「欠席した人が後で受けたか分かるのか」と聞かれた時も、北村さんは現場効果の話へ急ぎませんでした。受講記録の残し方だけを答え、次に現場効果を確認する日を決めました。話を広げすぎないことで、担当者は社内の質問に一つずつ答えられます。

決裁者不在の商談では、担当者の前向きさに安心しすぎない姿勢が大事です。担当者が社内で何を言うか、決裁者が何で止まるかを聞きます。そこまで一緒に扱うと、確認中で止まる時間は短くなります。

営業Q&A

決裁者同席をお願いしてもよいですか?

担当者の先に決裁者がいると分かり、直接話したくなる場面です。

回答

言っても構いません。ただし、会いたい理由を担当者の社内説明とつなげます。「欠席者対応だけは直接聞いていただいた方が早いと思います」のように、判断材料を一つに絞って伝えましょう。

担当者が決裁者の考えを分からない時はどうしますか?

担当者も部長の判断軸をつかめていない場面です。

回答

決めつけず、過去の確認で止まりやすかった材料を聞きます。「費用、欠席者対応、現場効果の中で、これまで社内で止まりやすかったのはどれですか」と聞くと、担当者も思い出しやすくなります。

社内で話す順番の共同作成

営業で決裁者が不在なら、伝言を頼む前に、決裁者が見る判断材料を聞きます。費用、欠席者対応、現場効果を同じ言葉と順番で扱うと、担当者は社内で話しやすくなります。

  • 伝言任せで止まる商談
  • 費用、欠席者対応、現場効果
  • 次回同席につなぐ一問

担当者が社内確認に入る前に、「部長が先に見る材料は何ですか」と一問置いてください。その材料を一つ選び、担当者が社内で話す順番まで一緒に作りましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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