コピー機営業は月額より印刷枚数と止まる時間を聞く
月額の前に見る印刷現場の止まり方
コピー機営業では、月額料金と本体価格の話から商談がはじまりやすいです。担当者も、今より安いか、リース料はいくらか、保守費は含まれるかを急いで見ます。
三上玲奈さん(仮名、コピー機販売会社で法人向け相談を担当する営業担当者)は、見積依頼を受けるとすぐ月額比較表を出していました。今の契約より安ければ、前に進むと思っていたからです。
ある会社では、月額は下がりました。けれど導入後に「朝だけ印刷が詰まります」と連絡が来ました。料金の比較では勝てたのに、現場では使いにくさが残っていました。
コピー機営業では、月額の前に、印刷枚数と止まる時間を聞きます。安い機種を出すだけでは、現場で止まる時間の不満を解決できません。
こんな人におすすめの記事です。
- コピー機営業で月額比較だけの商談になりやすい方
- 安くしたのに導入後の不満が残った経験がある方
- 現場の使い方から提案を作りたい方
これから一つひとつ見ていきましょう。
コピー機の商談で先に見るのは、機械そのものより、誰がどの時間に印刷で困っているかです。この記事では、枚数、時間帯、止まる作業を分けて聞く流れを解説します。
月額比較だけでは見えない現場
三上さんの見積は、金額だけ見れば分かりやすいものでした。現在の月額、提案後の月額、保守費込みの金額。担当者が上司に見せやすい表です。
ただ、その表には現場の止まり方がありませんでした。朝の会議前に資料を一斉に印刷するのか。請求書を月末にまとめて出すのか。カラー印刷が多い部署はどこか。ここを聞かないまま月額だけ比べると、現場の不満が残ります。
コピー機は、普段は意識されにくい機械です。動いている時は誰も話題にしません。止まった時、遅い時、紙詰まりが続く時だけ、不満が出ます。だから商談では、止まる時間を先に聞きます。
三上さんが導入後に聞いた不満も、機能名ではありませんでした。朝の時間帯に印刷待ちが出るという現場の言葉です。ここを先に聞けていれば、月額だけではない提案ができました。
印刷枚数と止まる時間の切り分け
コピー機営業で先に分けるのは、印刷枚数、止まる時間、止まる作業です。枚数だけでは足りません。何時に、何の作業で止まるかまで聞きます。
| 聞く項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 印刷枚数 | 一日と月末の枚数を分ける |
| 止まる時間 | 朝、昼前、月末など混む時間を聞く |
| 止まる作業 | 会議資料、請求書、配送伝票を分ける |
一日の印刷枚数が多くなくても、朝に集中すれば現場は止まります。月全体の枚数が少なくても、月末の請求書だけが集中する会社もあります。
止まる作業を聞くと、必要な性能も変わります。会議資料ならスピードと部数が関係します。請求書ならミスの少なさと確認のしやすさが関係します。配送伝票なら、印刷が止まると出荷そのものが遅れます。
月額が安くても、現場が止まる時間が増えれば、担当者は安くなったとは感じません。
朝の会議前で止まる会話例
三上さんは、次の商談で月額表を出す前に聞き方を変えました。担当者が「今より安くなりますか」と聞いた場面です。
三上さん「月額を見る前に、いま印刷で止まりやすい時間を確認してもよいですか」
担当者「朝の会議前です」
三上さん「朝の会議前ですね。どの資料で止まることが多いですか」
担当者「営業会議の資料です。20部ぐらい出します」
この時、三上さんは朝の会議前、営業会議の資料、20部という言葉を変えませんでした。後でピークタイム、資料出力、部数などに広げる前に、担当者の言葉のまま見積の前提にしました。
続けて、紙詰まりなのか、印刷の遅さなのかを聞きました。
三上さん「朝の会議前に止まるのは、紙詰まりですか、それとも印刷の待ち時間ですか」
担当者「待ち時間です。前の人の資料が終わらなくて並びます」
三上さん「印刷の待ち時間ですね。では、朝の20部をどれくらいで出したいかを見ましょう」
ここまで聞くと、月額表の見方が変わります。朝の20部を何分で出せるかが、安さと同じくらい大事な判断材料になります。
現場を歩く時に見る一場面
三上さんは、現地確認でコピー機本体だけを見ませんでした。朝の会議前に人が並ぶ場所を見ました。担当者に、普段どこに資料を置き、誰が取りに来るのかを話してもらいます。
私はこういう商談で、月額の安さだけを見て導入し、あとから現場の不満が強くなる場面を何度も見ています。機械は新しくなったのに、使う人の動きが変わっていないためです。
三上さんは、資料を取りに来る人の列を想像しながら、コピー機の位置も確認しました。印刷そのものが速くなっても、受け取り場所が狭いと人が詰まります。
担当者は「会議前はここに人が集まります」と言いました。三上さんは、その言葉を見積の説明に入れました。会議前に人が集まることを前提にした提案です。
さらに、会議資料を出す人が一人なのか、部署ごとに別々なのかも聞きました。担当者は「営業部の若手がまとめて出します」と答えました。若手がまとめて出すなら、操作の分かりやすさも大事になります。三上さんは、印刷速度だけでなく、部数設定のしやすさも見ました。
三上さんは、印刷待ちの列を見たあと、受け取り後の動きも聞きました。資料を取った人がその場で仕分けるのか、席に戻ってから配るのかで、通路の混み方が変わります。コピー機の性能だけでなく、受け取った後の数分まで見ると、止まる作業がさらに具体的になります。
この確認を入れると、機種選びの理由が増えます。速い機種だからすすめるのではありません。朝の会議前に営業会議の資料20部を、若手が迷わず出すための機種として説明できます。担当者にとっても、社内で話す理由が月額以外にできます。
コピー機の現地確認では、機械の場所だけでなく、人が待つ場所を一つ見ます。
料金表の前に読む前提
三上さんは、料金表を見せる前に、前提を短く読み合わせました。
三上さん「今回の前提は、朝の会議前に営業会議の資料20部で待ち時間が出る点です。この理解で合っていますか」
担当者「はい。そこが困っています」
この前提があると、料金表はただの安い順から、朝の会議前に20部を出す時、どの機種なら待ち時間を減らせるかを見る表に変わります。
担当者は上司に説明する時も、「月額が少し上がる機種ですが、朝の会議前の待ち時間を減らすためです」と話せます。三上さんは、この一文を見積の備考に残しました。
備考には、もう一つだけ加えました。「営業部の若手が部数設定をする」という前提です。誰が使うかを書いておくと、上司も現場の使い方を想像しやすくなります。月額の差だけを見ていた上司にも、なぜその機種なのかが伝わります。
月額を下げる提案が合う会社もあります。その時も、止まる時間が少ない会社なら安さを優先できます。大事なのは、安いか高いかを決める前に、現場の止まり方を見る姿勢です。
導入後に聞く朝の変化
導入後、三上さんは一週間で連絡しました。聞いたのは、全体の満足度ではありません。朝の会議前に営業会議の資料20部を出す時、待ち時間がどう変わったかです。
三上さん「朝の会議前の20部は、前より待ち時間が減りましたか」
担当者「前より並ばなくなりました」
三上さん「並ばなくなったのですね。では、月末の請求書の時も同じように見ましょう」
ここで次の相談が自然に出ます。三上さんは追加機能の説明へ急がず、前回と同じ止まる時間の見方で月末を扱いました。
導入後の確認をしておくと、次の提案も現場の言葉から始められます。朝の会議前、営業会議の資料20部、待ち時間。この三つを続けて扱うため、担当者も変化を説明しやすくなります。
もし待ち時間が減っていなければ、三上さんは機械のせいに決めつけません。部数設定で迷っているのか、受け取り場所で人が重なるのか、紙の補充で止まっているのかを聞きます。止まる理由を分ければ、追加機能を売る前に直せることが見つかります。
担当者から「請求書の月末印刷も見てほしいです」と言われた時も、三上さんは同じ順番で聞きました。月末に何部出すのか。どの時間に集中するのか。誰が印刷するのか。朝の会議前で使った見方を、別の作業に移したのです。
コピー機営業で大事なのは、機械の性能を全部説明することではありません。相手の仕事が止まる場面を聞き、その場面に合わせて料金表を読みます。
営業Q&A
コピー機営業では最初に現行料金を聞いてよいですか?
担当者が今の月額をすぐ出してくれる場面です。
回答
聞いて構いません。ただ、現行料金を見た後に、止まりやすい時間も聞きます。料金だけを比べると、安くなっても現場の不満が残りやすくなります。
印刷枚数が分からない会社には何を聞けばよいですか?
担当者が細かい枚数を把握していない場面です。
回答
正確な枚数から入らず、混む時間を聞きます。「朝と月末では、どちらが詰まりやすいですか」と聞けば、現場の困りごとから話しやすくなります。
止まる時間から作るコピー機提案
コピー機営業では、月額の前に、印刷枚数と止まる時間を聞きます。朝の会議前、営業会議の資料20部、待ち時間のように現場の言葉を残すと、料金表の意味が変わります。
- 月額比較だけでは見えない現場
- 印刷枚数と止まる時間
- 導入後に聞く朝の変化
料金表を出す前の一問を、「印刷で止まりやすい時間はいつですか」に変えてみましょう。その時間に何の資料を何部出すのかまで聞き、月額表の前提として扱ってください。
木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント)
最新記事 by 木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)
- 営業の振り返りはうまく話せた点より返事の変化を見る - 2026年9月16日
- レンタカー営業は料金より使う日と返却時間を聞く - 2026年9月16日
- 営業プレゼンは資料を開く前に変えたい作業を聞く - 2026年9月16日

