商談成約率を90%にしたシンプルな3ステップ

営業の成果が伸び悩む方へ|見直すべきは「入り口」です

営業の成約率が上がらないと悩む方、その原因はプレゼンやクロージングではなく、最初の「アプローチ」にあるかもしれません。

営業で最も大切なのは、実は商談の“入り口”なのです。
本記事では、数千件の商談経験をもとに体系化された「アプローチ3ステップ」をご紹介します。

アプローチの成否がすべてを決める

プレゼンやクロージングは“後半戦”ですが、そこで成果が出るかどうかは、すでにアプローチで8割決まっています。

私もかつては、「プレゼンで押し切ろう」「クロージングで巻き返そう」としていました。しかし、結果はまちまちでした。

たとえば、アメリカ型の営業スタイルは「プレゼンテーションが中心」で、「買うなら買ってください」という姿勢。でも、それを日本にそのまま持ち込むと、文化の違いからうまくいかないことが多いのです。

日本には「心」や「和」を大切にする文化があります。だからこそ、日本人に合った“信頼ベース”のアプローチが必要なのです。

アプローチ3ステップの全体像

では、どうすれば「話を聞いてもらえる状態」をつくれるのか?

その答えが、次の3ステップです。

  1. こちらに注意を向けてもらう
  2. 人間関係をつくる
  3. 現状・課題を聞き出す

この順番が重要で、いきなり提案や商品説明に入るのは逆効果です。

ステップ①|こちらに注意を向けてもらう

初対面で「うちの商品は…」と説明し始めても、お客様の頭は他のことでいっぱいです。

必要なのは、“話しかける”のではなく“問いかける”こと

例:

  • 「御社のこと、ニュースで拝見しました」
  • 「最近この業界、こういう動きが増えてますよね?」

こうした問いが、相手の注意をこちらに向ける第一歩です。

ステップ②|人間関係をつくる

相手がこちらを向いてくれたら、次は「この人なら話しても大丈夫」と思ってもらう段階です。

そのためには、相手の“背景”に関わる質問が有効です。

例:

  • 「なぜこの会社を立ち上げられたんですか?」
  • 「今のお仕事に、どんな想いを持たれているんですか?」

こうした質問は、相手に「自分のことをちゃんと見てくれてる」と感じてもらえます。

ステップ③|現状・課題を聞き出す

信頼関係ができて初めて、現状や課題のヒアリングです。

この段階で、ようやく提案が可能になります。

例:

  • 「いま、どんなことに一番時間がかかっていますか?」
  • 「改善できるとしたら、どこから変えていきたいですか?」

ここでは“売る”のではなく、“聞き出す”ことが目的です。出てきた課題に対して解決策としての商品を提案する──それが成約率90%への道です。

ワンポイントアドバイス|アプローチは「聞くこと」

「シンプルな3ステップ」と聞くと簡単に見えますが、実はそこに高度な技術が詰まっています。

  • 言葉の選び方
  • 聞き方の順番
  • 相手の心の動きを読む感性

受講生の中には、「アプローチを変えただけで、成約率が劇的に上がった」という方もいます。

売る前に、聞くことに集中する。これが90%成約の営業スタイルです。

「1時間の商談なら、アプローチにはどれくらい時間を使うべきか?」という質問には、こう答えます。

最低でも30分、理想は45分。それくらい、アプローチに力を注ぐべきなのです。

まとめ

  1. ステップ①:相手の注意をこちらに向ける
  2. ステップ②:人間関係をつくる
  3. ステップ③:現状・課題を聞き出す

この順番でアプローチを実践することで、成約率90%も夢ではありません。

あなたは今、どのステップに一番時間を使っていますか?
ぜひ振り返ってみてください。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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