時間活用術

【時間活用術】忙しくても営業で成果をあげる方法

営業になったばかりのあなたは猫の手も借りたいほど奔走していることでしょう。上司や先輩から頼まれた作業、商品知識をつけるための勉強や研修などさまざまな業務が降ってくる。目まぐるしい中でも、あなたは営業としての力を身につけたいと思っている。打開するために時間の活用に興味を抱く。
営業成果アップ
どうすればさらに効率的に営業の成果をあげられるのか気になることでしょう。本記事では、一息つく暇さえ与えてくれないなかでも営業で成果をあげられる時間活用術についてお伝えします。営業活動の時間を確保する、営業学ぶ時間を確保する、という2つの大きな視点を踏まえて見ていきます。重要なポイントといえる「投じた時間が売上につながるのか」からひもといていきましょう。

売上にすぐつながる時間、つながらない時間

営業マンは限られた時間の中で成果をあげる必要があります。誰しもが1日は24時間と有限。多くの企業では勤務時間が8時間、残業しても1日あたり2~4時間程度。働く私たちにとっても定時になれば帰りたいもの。近年、働き方改革のなかで企業は残業時間に目を光らせ、就業時間内の生産性を求めています。
営業マン制限時間

法律で残業時間の上限を定め、これを超える残業はできなくなります。
法律による上限(例外)
・年720時間
・複数月平均80時間*
・月100時間未満*
 *休日労働を含む
出典:厚生労働省 働き方改革 ~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~

営業マンが求められる評価の主たる基準は売上。売上をあげるためには次の計算式が成り立ちます。

売上=商談数×成約率×単価

つまり、商談数と成約率を高められる時間の確保が成功のカギ。売上にすぐにつながる時間と、売上にすぐにつながらない時間を分けて考えておくとよいでしょう。営業マンは守備範囲が広く、アポイントの取得から後方部隊への引き継ぎまでさまざま。過去に私が同席した営業会議で、業務に無関係の話題ばかりで「ムダだなぁ」と、心のなかで数え切れないほどぼやきました。

売上にすぐつながる時間

売上にすぐつながる4つの時間とは

売上にすぐつながる時間というと、多くの人がクロージングの場面を思い浮かべるのではないでしょうか。クロージングとは商品説明後に契約意思の確認をすること。売上に直結する場面で商談時間に含まれますね。
営業目標
売上にすぐつながる時間とは次の4つだと私は考えています。

  • アポイントの獲得の時間
  • 新規顧客との商談時間
  • 既存顧客との商談時間
  • 営業を学ぶ時間

以下で具体的に見ていきましょう。

アポイントの獲得の時間

営業活動にとってアポイントの取得は切っても切り離せません。商談数をより多く獲得するため、アポイントがどれだけ取れるかは重要な指標だからです。1日4件アポイントを獲得、次の2日は2件ずつ訪問のように計画的に獲得するとよいでしょう。
アポイント取得
アポイントの獲得のパターンとは

  • 新規で問い合わせを受けた顧客にアポイントを取る。
  • テレアポでニーズのある顧客にアポイントを取る。
  • 既存顧客から紹介をいただいた顧客にアポイントを取る。

などです。

ニーズのある顧客にアポイントを取る必要があります。ニーズがない顧客は成約率が低いため、アポイント取得時に見極めることが求められます。私はかつて、むやみやたらにアポイントを取ったことがありました。西へ東へ来る日も来る日もがむしゃらに新規訪問する繰り返し。結果は悲惨でした。とくにムリやりアポイント取った顧客は、まったく興味を示しません。機械的にアポイントを取るのではなく、アポイントの質を重視しつつ活動することが大切です。

新規顧客との商談時間

アポイントが取れた新規顧客と商談する時間は営業マンの真骨頂といえるでしょう。顧客情報の下調べや、商談の流れの準備、資料の準備など、営業マンがもつスキルによって商談内容は大きく変わります。新規顧客から見ると、限られた時間の中で的確な提案をしてくれるのか、パートナーとなり得るのかを見極める場面。新規顧客との商談の場面は何度も得られることではなく、時間に比例して成約率が上がるわけではありません
新規営業
私の経験では、新規顧客との商談は1回限りが比較的多い傾向でした。1回の商談で、顧客との人間関係構築・ニーズヒアリング・商品/サービス提案・クロージングする。商談時間は少なくて1時間、長いと2時間におよぶことも。顧客から見ると第一印象が重要。1回目の印象はその後もずっと尾を引きます。一方で、大型案件においては1回目の商談でニーズのヒアリングまで行い、2回目に提案を行うこともありました。2回目の商談が一瞬の気の緩みも許されないほどの局面と言えます。

新規顧客との商談の質をいかに高められるかは事前準備にかかっています。売上にすぐにつなげるため、優先的に時間を確保して事前準備を抜かりなく行いましょう。

既存顧客との商談時間

営業活動というと、新規顧客との商談がメインに思われがちです。実は既存顧客との商談こそ重要な時間。なぜなら、既存顧客は以下のような売上の源泉となるからです。

  • 既存商品の追加の購入(アップセル)
  • 関連商品の新規購入(クロスセル)
  • 新規顧客の紹介

既存顧客を大切にして信頼を積みあげていくことによって、あなたは上昇気流に乗るように売上をあげられます。いわばストックとフローの関係性。新規顧客がフローで、既存顧客がストックです。新規顧客との商談で商品を購入して頂いて、既存顧客に切り替わり継続的に関係を構築する。信頼を持ってくださっている既存顧客は、購入意欲の心理的なハードルは低いといえます。ニーズに応じて商品を購入いただけるチャンスは十分にあるでしょう。
ルート営業
既存顧客との商談は、自社の商品を利用して「顧客がどのように価値を感じているか」「ビフォーアフター」をヒアリングすることがカギ。見過ごしていたメリット2既存顧客があらためて気づくことでしょう。既存商品の追加の購入、関連商品の新規購入、新規顧客の紹介は自然と起こってくるのです。

私が今まで聞いた企業のなかで、強烈なカウンターパンチを喰らったかのような話があります。一般住宅のある建築メーカーは、98%が新規顧客。既存顧客からの紹介は皆無。まったく既存顧客のフォローをしていなかったのです。経営者は「新規だけで回す。既存顧客には目を向けない。」と息巻いている。新規顧客獲得のために広告費は跳ね上がり、経営を圧迫、従業員の給料にも悪影響も。既存顧客に背を向けると営業マンの生活をも揺るがすと感じたエピソードでした。

営業を学ぶ時間

売上につながる時間として、営業を学ぶ時間と答える人は少ないでしょう。「営業は自分の力で身に付けるものだ。」「3年~5年かけて営業スキルが亀が進むように得られる。」と思っておられる人もいるはず。実は誤解です。

なぜなら、営業を学ぶことで新規顧客との商談の質向上と同時に成約率が高まり、既存顧客から新たな売上や紹介を得られるから。
営業セミナー
営業を学ぶこととは、

  • アポイント取得
  • 人間関係の構築
  • ニーズのヒアリング
  • 課題の絞り込み
  • 具体的な提案
  • 契約意思の確認
  • 契約手続きの補助
  • 契約後の後方部隊への引き継ぎ

などです。
これらの一つひとつを学ぶことが営業活動の質を向上させ、売上をあげることにつながるのです。成約率が高まれば商談数は少なくて済む。残業時間は削減され、定時に帰れる。自分の趣味に時間を使えたり、家族サービスにあてられる。営業学ぶ時間を割くことは売上げアップのみならず、あなたの生活をも充実させる。つまり、緊急であり重要なのです。

商談数が半数でも、成約率が2倍であれば契約件数は同じ。

  • 商談数100件×成約率10%=契約10件
  • 商談数50件×成約率20%=契約10件

営業を学んだ結果、身につけた知識や知恵は一生モノ。誰かに盗まれることはありません。営業は商売の原点です。あなたが今の会社に居続ける場合も必要であり、他の部署や会社に移っても必要なスキルでしょう。

売上にすぐつながらない時間

売上にすぐつながらない11の時間とは

営業活動している中でこの時間を売上に直結しないなと私は度々感じました。数えだすとキリがありません。代表的な11の項目について工夫すべき点や実情を実体験をもとにお伝えします

salesforce researchの調査では、営業マンが34%しか営業活動に時間を使えていないという実態が明らかに。雑務が多すぎて圧迫されている現状を読み取れます。

営業担当者は、その時間の34%しか営業活動に使えていません。大半の時間が、他の業務に奪われて
しまうのです。
出典:salesforce research 第3回年次レポート セールス最新事情 全世界2,900人以上を対象にしたセールスの動向に関する調査結果

テレアポ

テレアポとは電話によるアポイントの取得のこと。用意したリストを元に電話をかけ続けてアポイントを取得する。100件電話してアポ取得率が仮に1%だった場合、99件は生産性がない時間と言えるでしょう。アポ取得率を高めることはさることながら、テレアポに依存しない営業活動の仕組み化が急務です。目指すべきは既存顧客からの紹介で回り続ける仕組みだと私は思います。
テレアポ
私の実体験として、テレアポに慣れないころは、2時間3時間と電話をかけ続けてもアポ獲得はゼロ。精神的にも追い込まれ「テレアポをやる意味があるのだろうか。」とさえ考えました。テレアポからの脱却は早ければ早いほどよいと言えるでしょう。

訪問記録の作成時間

訪問記録の作成とは、商談した顧客との会話や重要事項・今後の行動予定の入力を指します。商談後の重要な作業のひとつです。
商談記録
作成に時間をかけすぎないように以下の3つに注意しましょう。

  • 商談記録は当日に書く。
    後に伸ばすと記憶があいまいになり余計に時間がかかってしまいます。当日のうちに書き上げましょう。

  • 制限時間を決める。
    だらだら書いているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。たとえば15分に決めるなど、制限時間を決めて作戦にかかりましょう。

  • 箇条書きにする。
    話し言葉で書いたり、まとまりのない文章を書くと文章が長くなりがち。要約して箇条書きにしましょう

とくに見込みの低い顧客については簡略化して記載するなど、見込み度合いで濃淡をつけるのも方法です。見込みが高く契約の可能性があり後方部隊に引き継ぐ必要性を感じる案件について私は詳細に記載していました。商談した時点で契約意向を頂くことが多々あったため見極められたのです。訪問記録を書く量の判断は商談の内容にかかっているとも言えます。

資料の作成

資料の作成とは、顧客との商談前にプレゼンテーション資料の作り込みを指します。
資料作成
大型案件など重要な局面での作り込みは重要です。通常の商談においてプレゼンテーション作り込みすぎると時間の浪費になり得ます。見込みの度合いを把握してから優先順位をつけましょう。細かいことにこだわりすぎないこともポイント。解決策を商談の中で見出していくことが営業の基本です。

私は同じパンフレットを用いて多くの商談を行いました。顧客に対して必要な箇所だけ重点的に資料を見せるのです。つまり商談の中でニーズをどれだけヒアリングできるかがカギです。

移動時間

会社から顧客先へ訪問する移動時間を指します。
移動時間
エリアで効率良く回れるように工夫しましょう。Googleマップに顧客の所在地を登録するのも一つの手です。Googleマップは住所と企業名のExcelデータをアップロードすることでマップにピンを複数立てられます。とても使いやすくわかりやすい機能ですので使わない手はありません。特に営業回り始めたばかりの初心者は地理関係を把握できず効率的に回れない傾向があると私は思います。地理関係をつかめれば、ひとつのエリアで複数の顧客先を1日の訪問で回れます。初心者にもオススメの方法と言えます。

遠方の顧客を訪問するときは見込み度合いを電話で確認しましょう。見込み度合いが低ければ、訪問ではなくオンライン商談に切り替えるのも方法のひとつです。

休憩時間

昼休憩や、午後に一息つく時間など休憩時間が売上につながらないのは当然のこと。就業時間に成果をあげるための英気を養いましょう
ランチ
弁当持参であれば、広場や公園などの開けた場所でリフレッシュする。
外食であれば、顧客から聞いたオススメの店に行くのもよいでしょう

通勤時間

自宅と会社の行き来の1日2回の通勤時間。満員電車で身動きが取れなくなったり、車通勤で渋滞にハマるのはよくあること。耳からの情報収集はできるはず。満員電車の場合、たとえばApple AirPodsなどのようなBluetooth接続イヤホンの活用がオススメ。

社内会議の時間

社内会議ムダ
社内の営業会議では売上報告・行動予定・競合情報共有など議題は企業によってさまざまでしょう。戦略や効果的な施策が議論されなければ売上に直結しません。私の経験上、自分が参加する必要のない会議は出たくないのがホンネ。ムダ話が続くようであれば理由をつけて退室したいくらいです。あなたが営業会議の進行に関われるのであれば、要点を絞る・所定時間内に終了することをオススメします。

参加する必要のない会議については上司と相談して不参加にする営業マンがいました。議事録だけ後で確認して要点をつかんでおくのです。会議に参加しない時間で自分の作業が進められるので一つの手だと私は思います。

社内情報共有ツールの入力時間

社内イントラや、クラウド型情報共有ツールへの入力時間は売上に直結しません。
営業クラウドツール
入力した数字が戦略策定につながるには若干のタイムラグがあるからです。私は「週1回の営業会議までに入力し終えなくては」と煩雑な入力作業に辟易としていました。入力作業は要点のみで簡略化すべきだと私は思います。管理側から見ると営業マンが入力することで行動が見えるのはメリット。あなたの入力した数字や情報が戦略策定に適切に活用されているでしょうか。徒労に終わっていないか、営業マンの立場から注意深くみておく必要性を感じます。

私は過去にクラウド型情報共有ツールの導入で営業部門が混乱する経験が何度かありました。実際の営業活動の現場の感覚と、入力作業の煩雑さの乖離を埋めるには半年から1年程度かかった覚えがあります。ツールを導入するだけで営業効率が上がると楽観的に考えすぎるのは要注意です。

ツール導入の時期が繁忙期に重なってしまうと二重苦。ただでさえ導入が煩雑になる営業ツールは導入時期を十分に検討する必要があります。営業マン個々の作業に関わってくる話題ですので根回しするなど工夫しましょう。

引き継ぎ

引き継ぎ
人事異動ではじめて営業になられた方は、前部署の引継ぎ業務が伴います。口頭での説明は最小限にできるように箇条書きでまとめるなど工夫しましょう。営業部署で前任者から引き継ぎをあなたが受ける際は書面と口頭の説明をあわせて受け取るのがポイント。先入観や固定概念をもたず客観的な情報の収集は必須です。

部門間の調整

営業部門と現場部門の部門間の調整は要注意です。部門同士の信頼関係が築けていれば調整は容易に進みます。対立関係にあれば調整に時間がかかることはいうまでもありません。
部門間調整

あなた一人で解決しようとするのではなく、必要に応じて上司に相談しましょう。日頃から他の部門のメンバーと雑談する機会を設けるなど関係性を作っておくことがポイントです。部門間の交渉が長引くと顧客への納期や対応が遅れる可能性もあります。売上には直接つながらない時間です。やり方によっては泥沼にはまってしまう可能性があるので気をつけましょう。

経費精算の時間

経費精算
経費精算は領収書の貼り付けや、交通費の計算など月1回提出するのがおそらく一般的でしょう。溜め込んで月末にやると時間がかかりやすいので、こまめに日頃から空いた時間で作業しましょう。手帳に書く・日報に書く・予定表に書くなどあなたなりに工夫のがオススメです。

私は予定表に電車代を記入するのを習慣にしていました。日付と金額と目的地がひと目でわかるため経費精算の作業がスピードアップしました。

時間活用4つのテクニック

時間活用の4つのテクニックとは

営業マンとして成果をあげるため、日々刻々と変わる状況の中で欠かせないのは自己管理。自己管理ができている営業マンと、できていない営業マンは第一印象にまで影響するほど違いがでます。
自己管理
自己管理の中でもとりわけ大事な時間管理。この章では、時間の活用ができる4つのテクニックをご紹介します。

4つのテクニックとは

  • やめる。
  • わたす。
  • 入れ替える。
  • 減らす。

です。
4つのテクニックであなたの時間活用の仕方が劇的に変わります。

テクニック1つ目:やめる

やめる
営業マンは上述した通り幅広い多種多様な業務をこなすスーパーマン。上司や他の部門から数え切れないほどの矢が自分に向かって飛んでくるように、仕事を抱え込みがち。あの手で抱えきれなくなってしまうとパンクしかねません

解決策の一つは「やめる」こと。抱えていた業務の中から必要不必要を精査。やらないことを決めるのです。不必要なことをやり続けていても成果はあがりません。

営業で新人としてスタートしはじめたばかりの頃は日報の入力が一般的。当初、上司は日報に興味関心を示すものの、やがて日報の内容すら見られなくなった経験が私にあります。多忙ななか時間を割いて入力した内容なのにまったく上司が見ていないとわかった。日報は中止して、週報での報告のみにと上司と相談しました。追うべき数字を決めて、行動の進捗報告をすることでなんら問題はなかったのが実情。常日頃から、ムダかもしれないという業務をリスト化しておくとよいでしょう。

やめるという点では、時間を浪費しているムダな行動がないかをチェックするのも大切。生産性のない行動は自己肯定感を下げることにもつながりかねません。身近なことでいうと、私はスマホアプリのゲームをやめました。パズルゲームやロールプレイングゲームなど、少し楽しむ程度なら構いません。沼にハマると時間の浪費に。最近流行っているゲームの話題についていく目的ならアリだと思います。ゲームはテレビ画面だけでやるなど自分の中で工夫できるとよいでしょう。

テクニック2つ目:わたす

テクニックの2つ目は「わたす」です。やめられないけれど自分以外でも出来る業務を他の誰かにわたすことでラクになります。営業事務・内勤営業・別部署にあなたの業務をわたせるか交渉してみるのです。いち営業が果たすべき業務、営業部門が担うべき業務を明確にする必要はあるでしょう。
縦割り
営業マンは、顧客との商談にもっとも時間を割くべきで、会社一丸となって協力してもらう。ひな形化がポイントです。他の人が出来るようにマニュアル化したり、メール文面を作成したりも効果的。内勤営業にトークを教えればアポイント取得の役割を果たしてくれることも。営業マンは営業活動に集中できて、より高い成果を出せるでしょう。

テクニック3つ目:いれかえる

テクニックの3つ目は、「いれかえる」。あなたがやめたいと思った業務を、誰かに任せる代わりに、新たな業務を引き受けること。
ビジネス
私の経験では次のようなことがありました。既存顧客からのクレームを今までは営業部門で受けていた。後方部隊の部門と調整をして、既存顧客からのクレーム対応を担ってもらいました。その代わりに、今まで広報部隊が対応していた既存顧客の追加案件の商談を営業が引き受けた。部門間の調整はお互いに利害関係が絡むため交渉は難航しがち。目標に向かって協力し合っていく雰囲気の醸成がカギだと思います。

営業部門はしわ寄せが来やすい部門だと私は感じます。営業マン個人として各部門の業務のあり方について日頃から意識することがオススメです。同じ会社の従業員として部門の垣根を越えて協力しあえる会社にしていきたいものです。

テクニック4つ目:減らす

テクニックの4つ目は「減らす」。やめられないが減らしたい時間を見つけましょう。減らすことでストレスが激減して、通常業務の生産性が高まることも。
業務軽減
私の経験では、口を開けばグチが出る同僚と付き合う時間を減らしました。彼は、社内のメンバーの中でもダントツでグチが多い人物。聞きはじめると際限なく話を続けます。他力本願で自分に責任はないと主張する他責の傾向がある。建設的な議論ではないので不毛だと感じた私は彼と話す時間を極端に減らしました。本来の業務にストレスなく集中できたのです。

もちろん、グチ自体を否定しているわけではありません。1on1のミーティングで聞いてあげることも大切でしょう。時間泥棒で自分が成長しようとしない傾向があると話は違います。状況を見極めて判断していくとよいでしょう。

営業マンが減らす時間として検討したいのは、嗜好品に関する時間。ギャンブルやタバコ・お酒など、依存性の高いものに関わっている時間を見なおすのも一つの手。テレビでバラエティ番組を夜中まで見続ける時間にも目を向けてみましょう。Facebook・ Twitter・YouTubeなどのSNSについても同様です。すべてやめてしまうというよりは、うまく付き合えるように工夫するとよいと思います。

忙しくても営業を学べる時間活用術

忙しくても営業を学べる時間活用術とは

時間の有効活用
本記事で営業を学ぶ必要性について上述しました。営業を学ぶことについて、重要ではなく緊急ではないと思う方はおられるでしょう。営業スキルとは目には見えないものですし、身についたのかどうかは一目でわかりません。そのように感じるのも当然です。あなたは営業を学ぶことによって売上目標を達成でき、立場がよくなって、昇格する可能性があります。営業スキルを身につければ成果を出し続けられるのです。つまり緊急であり重要なこと。

営業を学ぶ時間の確保

タイムイズマネー
目まぐるしく忙しい中、営業を学ぶ時間の確保は一見困難に見えるでしょう。研修で1時間・2時間・半日・1日と時間を取られていては営業活動がままなりません。時間をかけずにスキマ時間で学ぶことがポイント。上述した売上にすぐつながらない時間をうまく活用するのです。

  • 移動しながら。
    顧客先の車移動の最中は安全運転に配慮しながら耳から情報を得られます。

  • 通勤しながら。
    通勤で満員電車であってもスマホを片手に学習ができるでしょう。

  • 休憩しながら。

    ランチの時間ではイヤホンをつけて食事を楽しみながら学べます。

  • 作業しながら。
    単純作業であれば手元を動かしながら見たり聞いたりして学習ができるはず。

スキマ時間を活用することであなたのワークライフバランスは保たれたまま学習が可能。何かを我慢したり、節制する必要はありません。「ながら」を意識するだけで解決できます。
ながら学習
私はランチの時間をあえて一人で食事する日、同僚と食事する日と意識して分けていました。一人で食事する日はワイヤレス接続のイヤホンで学びながらランチをとっていたのです。通勤時間も活用していました。自宅を出発すると同時に最寄り駅までの7分間、一人でブツブツとロールプレイングをしたのです。口元が大きく動くと周りから不審に思われるので自分に聞こえる程度のささやき声で。毎日の練習が成果につながるのを実感しました。インプットしたことをアウトプットする、この繰り返しをスキマ時間に実現したいものです。

営業Q&A

Q&A

●質問1:新規営業とルート営業の仕事内容、時間の使い方は?

ルート営業
ルート営業の部署に配属されました。

まだ研修がはじまったばかりで、右も左もわかりません。

新規営業とルート営業の仕事内容、時間の使い方の違いについて教えてください。

● 回答1

ルート営業の部署に配属されたのですね。

新規営業はまったく取引のない新規顧客に対して営業活動をかける業務。テレアポや飛び込みなども含みます。初対面の顧客との対面の機会、オンライン商談など変化の多い業務です。会社によって異なりますが営業マンは新規商談のみ、後方部隊が既存顧客を管理するパターンがあります。新規の商談に時間を割くことが多いでしょう。

ルート営業は既存顧客に対して現状の不満や欲求を確認して具体的に提案する業務。信頼関係の構築・商品知識・トラブルシューティングなど専門的なスキルが求められます。既存顧客との綿密な打ち合わせなどに割く時間が多いでしょう。

●質問2:営業マンにとって資格取得は有利でしょうか?

資格取得
先日、営業部署に配属されました。

就業時間以外を資格取得の時間にあてようと考えています。

社会保険労務士の資格を目指す予定です。

名刺に社会保険労務士の肩書があれば信頼感が増して売上につながると期待しています。

営業マンにとって資格取得は有利でしょうか?

● 回答2

社会保険労務士の資格を目指しておられるのですね。

肩書きがあれば売上があがるという考え方は短絡的だと私は思います。

水を差すようで恐縮ですが営業マンにとって肩書きは不要です。

顧客に提案できる力が増すなど本来の目的をもつとよいでしょう。

あなたの会社が推奨する資格を取得する程度でよいと私は思います。

私自身も過去に社会保険労務士を目指したことがありました。勉強は途中で断念して資格を取得できませんでした。ところが営業にはなんら支障がありません。むしろ営業に集中できてよかったとさえ思っています。

こちらの記事をご覧ください。
営業マンにとって資格の取得は有利でしょうか?

●質問3:営業を学ぶ時間を取るための工夫とは?

スキマ時間
営業の研修中ですが、上司や先輩からの指示で分からない事ばかりなので、手間取っています。

なかなか思うようにいかず、営業を学ぶ時間を取れていないと感じています。

なにか工夫できることはあるでしょうか?

● 回答3

配置転換や人事異動で初めて営業にあったあなたは、いろいろなことで、忙しい時間がない状況だと思います。

ズバリ、スキマ時間を活用することをお勧めします。

例えば、もともといた部署の後任の担当者から「お忙しいところ悪いんですけど、この書類ってもう処理終わってるんでしたっけ?」とか、業務を引き継いだ相手が新人だったりすると「この業務について、具体的な経緯を教えてもらいたいんですが予定いつが可能ですか?」などと聞かれ「いや、もうそれ引き継いだのに。。。」と思ってても言えずに時間を割くはめになってしまう。こんなことはよくあることです。

一方であなたが新しく配属された営業部署では、先輩から書類を渡されて「3部コピーしてきてくれるかな」と頼まれたり。「同行のスケジュールだけど、明日に2社訪問するから資料の準備を18時までにやっといてくれるかな。」と急に依頼されたり。そしてその時間をかきわけて営業の資料を読み込んだり、先輩のトークをメモしたり。。。そんな慣れない営業部署であなたは多忙極まりないと思います。

あるいはこんな人もいるかもしれません。上司からどさっと、大量の資料を渡されて「明後日までにこれ読んでおくように。」と言われてあとは放置。時間はたっぷりあるけれど、具体的な指示は無く、教育もおざなりで、あなたは何をやっていいかわからない状態。 あなたは「このままでいいのかな。まずいな。」とだんだんと気持ちは焦るばかりで時間ばかりがただただ過ぎていく。。

でも数週間後、あるいは数ヵ月後にあなたは独り立ちして単独営業するということは決まっているのです。つまり、顧客に1人で訪問して、商談をして受注するという一連の流れをやらなくてはいけないのです。

この限られた時間の中でたった5分のスキマ時間を活用することはこれらのメリットがあります。

  • ムダなく計画的に行動できる。
  • やるべきことに集中できる。
  • ほかの人と差別化ができる。
  • モチベーションが上がる。
  • 成果が上がる。

デメリットは

  • スキマ時間を意識する必要がある。
  • 営業力はすでにあるから必要ない。

それ以外はデメリットを私は思いつきませんでした。

スキマ時間というと、例えばこんな感じです。

  • 通勤時間(歩いている時間、電車の待ち時間)
  • 移動時間(商談先への移動時間)
  • お手洗いの時間
  • エレベータの待ち時間
  • 注文したランチが出てくるまでの時間
  • 待ち合わせで相手が来るまでの時間

あなたにもできると思いませんか?

もしこれができれば、やるべきことが見えてきて、無駄な労力を使わずに、最速最短で結果に近づけるのです。

ですので、時間がないあなたが、限られた時間で営業力を身につけられるように、スキマ時間を活用して最速最短で成果に近づいていってほしいと思います。

こちらの記事も参考にしてください。

営業の車移動・車通勤の時間を活用するには?

まとめ

営業マンの時間活用術についてみてきました。いかがでしょうか?視点を変えて物事を見ることで新たな気付きが得られるはずです。意識が変わると行動が変わります。たったひとつの工夫があなたの成果をグッと引きあげる要因になることも。一度読んで理解できかなった箇所は何度も読んでみてくださいね。

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2003年、22歳から営業マンとして18年経験。2017年の配置転換を機に営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。500人以上の営業相談に応じてきた実績。無形商材・有形商材の営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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