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オフィス家具営業は机の数より使う人数と通り道を聞く

机の数より先に見る働く動き

オフィス家具の営業では、最初に机の数や椅子の価格を聞かれやすいです。移転や増床の話では、担当者も「何台必要か」「いつ納品できるか」を急いで確認します。そこで数だけ合わせると、納品後に使いにくさが出ます。

小野寺彩さん(仮名、オフィス家具販売会社で法人相談を担当する営業担当者)は、見積依頼を受けるとすぐ台数表を作っていました。デスク12台、椅子12脚、収納4台。早く見積を出すほど親切だと思っていたからです。

ところが、移転後に担当者から「通路が狭くて打ち合わせ席へ行きにくいです」と連絡が来ました。台数は合っていました。けれど、使う人数と通り道を聞き切れていませんでした。

オフィス家具営業では、机の数より先に、使う人数と通り道を聞きます。台数だけを合わせても、働く人の動きと合わなければ使いにくい提案になります。

こんな人におすすめの記事です。

  • オフィス家具の見積が台数と価格だけになりやすい方
  • 納品後に使いにくいと言われた経験がある方
  • レイアウト提案の前に聞く順番を決めたい方

これから一つひとつ見ていきましょう。

家具を選ぶ商談は、商品を置けるかどうかだけでは決まりません。人が歩き、座り、立ち上がる動きまで聞きます。この記事では、人数、通り道、使う時間を分けて提案する流れを扱います。

台数表だけでは見えない使いにくさ

小野寺さんの見積は、数字だけ見れば正確でした。社員数に合わせて机をそろえ、会議用の椅子も足しています。納期も希望日に間に合いました。

それでも使いにくさが出たのは、働く人の動きが抜けていたからです。朝は全員が同じ入口から入ります。昼前は複合機の前に人が集まります。午後は打ち合わせ席へ移動する人が増えます。家具は止まっていますが、人は一日中動きます。

担当者も、最初からすべての動きを説明できるわけではありません。営業側が台数と寸法だけ聞くと、担当者もその範囲で答えます。通り道や立ち上がる回数は、聞かれなければ話題に出にくいのです。

特に、引き出しを開ける幅や椅子を引く幅は、図面上の机の大きさだけでは見えません。小野寺さんは後から、入口近くの席で人が立つたびに通路がふさがっていたと知りました。担当者は台数の話だと思っていたため、その動きを最初の相談では言いませんでした。営業側が聞く項目を変えないと、相手の答えも変わらないのです。

オフィス家具営業で先に見るのは、机を何台入れるかだけではありません。誰がどの時間に使い、どこを通り、何のために席を立つかです。

図面を見る前に声でたどる動き

小野寺さんは、見積前に台数表を作らず、担当者と一日の動きを声に出してたどりました。朝は入口から席に向かう。昼前は複合機に人が集まる。午後は打ち合わせ席に移る。図面を見る前に、この順番を言葉で確認しました。

人数は社員数そのものではありません。同時に座る人と外出している人を分けます。通り道は、入口から席、席から複合機、席から打ち合わせ席までの移動です。使う時間は、朝、昼前、夕方など人が増える時間帯を見ます。

この三つがあると、同じ12台の机でも置き方が変わります。全員が同時に座るなら余白を広めに取ります。外出が多いなら共有席を検討します。複合機の前で人が止まるなら、通り道をふさがない置き方にします。

台数は見積に必要ですが、使う人数と通り道は納品後の満足に関わります。

移転前の会話例

小野寺さんは、次の移転相談で台数表を作る前に聞き方を変えました。

小野寺さん「机の数を出す前に、同時に座る人数を確認してもよいですか」
担当者「社員は12名ですが、外出が多い日は7名ぐらいです」
小野寺さん「同時に座るのは7名ぐらいですね。では、12台を固定で置くか、共有席を混ぜるかを分けて見ましょう」

続けて、通り道を聞きました。

小野寺さん「入口から一番よく通る場所は、席までですか、複合機までですか」
担当者「複合機までです。昼前に人が集まります」
小野寺さん「複合機までの通り道ですね。昼前に人が集まるなら、その前に椅子の背が出ない置き方にしましょう」

この会話では、同時に座る人数、複合機までの通り道、昼前に人が集まる時間をそのまま扱います。後で稼働率、動線設計、ピークタイムなどに広げすぎると、担当者が社内で話す言葉から離れます。

小野寺さんは、この三つを見積の備考にも残しました。商品名の横に長く書くのではなく、前提欄に「昼前の複合機前を広く取る」と短く入れます。担当者が上司に見せた時も、価格の理由が通り道から分かります。

現場で見る一つの動き

小野寺さんは、現地確認で全部を測ろうとしませんでした。まず見たのは、入口から複合機まで歩く動きです。担当者に実際の朝の流れを話してもらい、椅子を引いた時に通り道が狭くならないかを見ました。

私はこういう商談で、営業側が寸法だけに集中して相手の歩く動きを見逃す場面を何度も見ています。メジャーの数字は合っているのに、椅子を引くと人が通れない。収納の扉を開くと通り道がふさがる。数字だけでは見えない不満です。

小野寺さんは、椅子を一脚だけ引いてもらいました。担当者が「ここで人が止まります」と言ったため、その場所を中心にレイアウトを直しました。大きな変更ではありません。机の向きを一列だけ変え、複合機前の通り道を広げました。

この確認があると、価格説明も変わります。高い椅子をすすめる話ではなく、背もたれが通り道に出にくい椅子を選ぶ理由を話せます。

担当者は、椅子の座り心地よりも「昼前にぶつからないなら、その方が助かります」と反応しました。ここで小野寺さんは、椅子単体の良さを長く説明しませんでした。昼前に人が集まる時間と、複合機までの通り道に合うかだけを確認しました。

小野寺さんは、担当者と椅子を引いた幅をもう一度見ました。担当者は品番表を指す前に、「この幅なら昼前も通れますね」と言いました。価格の話も、昼前の動きに合うかを確かめた後で進めました。

現地確認では、寸法を測るだけでなく、人が一番通る場所を一つ歩いてもらいます。

見積前に戻る質問

レイアウト案を作る前、小野寺さんはもう一度、人数、通り道、使う時間を確認しました。

小野寺さん「今回の見積では、同時に座る7名、複合機までの通り道、昼前に人が集まる時間を前提にします。この理解で合っていますか」
担当者「はい。そこが一番困っていました」

この一文があると、見積の意味が変わります。机12台の価格表ではなく、同時に座る7名と複合機までの通り道を扱う提案になります。担当者も社内で説明しやすくなります。

もし担当者から「やはり全員分の固定席が必要です」と言われた場合も、話は戻りません。人数の前提が変わったと分かるため、レイアウトを作り直す理由がはっきりします。

見積前に前提を確認しないまま出すと、後から台数だけの比較になります。前提を確認してから出すと、価格差の理由も通り道や使う時間から説明できます。

納品後に聞く確認

オフィス家具営業は納品で終わりではありません。納品後に、実際の通り道がどうだったかを聞きます。

小野寺さんは、移転から一週間後に連絡しました。「複合機までの通り道は、昼前でも通りにくくありませんか」と聞きました。担当者は「椅子を引いても通れています」と答えました。

ここで初めて、次の相談が出ます。「収納をもう一台増やすなら、どこがよいでしょうか」。小野寺さんはすぐ追加販売に入りませんでした。最初に決めた通り道をふさがない場所から一緒に見ました。

納品後の確認も、人数、通り道、使う時間で聞きます。人が増えたか。よく通る場所は変わったか。昼前の混み方はどうか。使ってから分かることを聞くと、次の提案も現場に合います。

担当者は「次に買う時も、先に通り道を見たいです」と言いました。小野寺さんは、その言葉を次回訪問の理由にしました。台数表ではなく、働く動きを見る訪問です。

このように納品後の一言を残しておくと、追加相談も押し売りになりにくくなります。収納を増やす話が出た時も、前回と同じ通り道を守る前提で話せます。担当者にとっては、前に確認した使い方の延長として聞けるからです。

オフィス家具営業で大事なのは、早く台数をそろえることだけではありません。働く人が使いやすい状態を、担当者と一緒に見つけることです。

営業Q&A

オフィス家具営業では最初に予算を聞いてよいですか?

担当者が見積を急いでいて、予算から入った方が早く感じる場面です。

回答

予算は聞いて構いません。ただ、予算だけで商品を絞る前に、同時に座る人数とよく通る場所を聞きます。使い方が分かると、予算内で何を優先するかを決めやすくなります。

現地確認に行けない時は何を聞けばよいですか?

図面だけで見積を作る必要があり、現場を歩けない場面です。

回答

図面上で、入口から席、席から複合機、席から打ち合わせ席までの移動を聞きます。あわせて、人が増える時間帯を聞いてください。図面だけでも、通り道をふさぎやすい場所は見つけられます。

働く動きから作る見積

オフィス家具営業では、机の数より先に、使う人数と通り道を聞きます。人数、通り道、使う時間を分けて見れば、同じ台数でも提案の根拠が変わります。

  • 台数表だけでは見えない使いにくさ
  • 人数、通り道、使う時間
  • 納品後に聞く通り道の変化

次の商談では、見積を作る前に「同時に座る人数は何名ぐらいですか」と聞いてください。その後、入口から一番よく通る場所を確認し、台数表の前提として残しましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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