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営業で話す順番に迷う時は相手の用途から始める

商品説明へ進む前の用途確認

商談の最初に、何から話せばよいか迷う場面があります。自己紹介、実績、商品の特徴、料金、事例。どれも大事に見えるため、気づくと説明が先に出ます。

久保大輔さん(仮名、オフィス家具の入替提案を担当する営業担当者)は、初回商談で話す順番に悩んでいました。資料の順番どおりに話すと、お客様は途中で「先に費用感を知りたいです」と言いました。費用から入ると、今度は「どれが必要か分かりません」と止まりました。

久保さんは、話す順番を資料の順番で決めていたことに気づきました。相手がどの用途で家具を使うかを聞く前に、椅子、机、収納の特徴を説明していたのです。

営業で話す順番に迷う時は、商品ではなく相手の用途から始めます。 用途が分かると、確認すること、説明すること、提案することの順番が決まります。

この記事では、話す順番が乱れやすい商談で、用途、困りごと、決める人の三語をどう使えばよいかを解説します。資料順ではなく、相手の判断順に合わせる話です。

この記事は、次のような営業場面に役立ちます。

  • 初回商談で何から話すか迷う方
  • 資料の順番で説明して相手が止まりやすい方
  • 確認、説明、提案の順番を整えたい方

資料順で話す時の詰まり

資料順で話すと、営業側は安心します。漏れなく説明できるからです。けれど、お客様の頭の中は資料順で動いていません。今の用途、困っている場面、決める人、費用感の順に考えていることもあります。

久保さんの商談では、最初に椅子の機能を説明しました。お客様は聞いていましたが、途中で「会議室で使うのか、受付で使うのかで違いますよね」と言いました。

この一言で、久保さんは順番を間違えていたと分かりました。椅子の機能より前に、使う場所と用途を聞く必要があったのです。

用途、困りごと、決める人

久保さんは、話す前に見る三語を決めました。用途、困りごと、決める人です。この三語は、商談の途中でも最後まで変えません。

用途は、どこで何に使うかです。困りごとは、今の椅子や机で起きている不便です。決める人は、最終判断だけでなく、実際に使う人や支払う人も含みます。

用途、困りごと、決める人の順に聞くと、説明する商品の順番も自然に決まります。 商品説明を先に並べるより、相手が判断しやすい流れに変わります。

最初に聞く用途

久保さんは、次の商談で最初の質問を変えました。商品一覧を開く前に、入替後に一番長く使う場所を聞いたのです。

お客様は「会議室です。長い打ち合わせで腰がつらいという声があります」と答えました。久保さんは「会議室ですね」と短く受け、椅子の説明へ進む前に、困りごとをもう一つ聞きました。

用途が先に出ると、商品説明は相手の場面に沿って始められます。 会議室なら座る時間、受付なら見た目と出入り、執務席なら作業姿勢というように、見る点が変わります。

説明前のチェック項目

久保さんは、説明前に一項目だけ確認することにしました。それは、相手がどこで一番長く使うかです。これを聞かずに説明すると、商品の良さが相手の生活に結びつきません。

一項目に絞る理由は、商談の入口を複雑にしないためです。用途を聞けば、困りごとを聞く方向も見えます。そこから決める人を確認すれば、提案の順番が作れます。

  • 最初に聞く項目は用途
  • 次に聞く項目は困りごと
  • 最後に確認する項目は決める人

会話の二往復

久保さんは、商談前に次の二往復だけを声に出しました。商品の説明へ進む前に、用途と困りごとをそろえる練習です。

久保さん「今回の入替で、一番長く使う場所はどこですか」
担当者「会議室です」
久保さん「会議室ですね。長い打ち合わせで困っていることはありますか」

この二往復だけで、話す順番は変わります。会議室、腰のつらさ、使う人数が出てから椅子を見るため、機能説明が相手の判断に合います。

順番を間違えた後の振り返り

商談後、久保さんは自分の説明が何分だったかというよりも、三語がどの順番で出たかを見ました。用途、困りごと、決める人のうち、最初に出たのが商品名なら、次回は入口を直します。

振り返りでは、次のように見ました。

振り返る点 次回の直し方
用途を聞く前に商品名を出した 最初に使う場所を聞く
困りごとを聞く前に価格を出した 不便な場面を一つ聞く
決める人を聞く前に提案した 使う人と支払う人を確認する

提案へ進む合図

用途、困りごと、決める人がそろったら、提案へ進みます。そろう前に提案すると、相手は商品の良さを自分の場面へ置き換える負担を持ちます。

久保さんは「会議室で使う」「長い打ち合わせで腰がつらい」「総務部長と利用者代表が見る」という三語が出てから、椅子の候補を二つに絞りました。

ここで候補を多く出しすぎません。相手が判断するための情報は、用途、困りごと、決める人に関係するものだけです。色や細かい仕様は、必要な時に後で扱います。

この進め方にしてから、久保さんは話し始めの迷いが減りました。資料の1ページ目を開く前に用途を聞く。困りごとを聞く。決める人を確認する。そこから関係するページだけを開く。この順番が決まったからです。

相手の用途を聞くと、営業側の説明は弱くなりません。むしろ、どの特徴を話すべきかがはっきりします。会議室の椅子なら、長時間座る姿勢と収納性を先に見ます。受付用なら、来客から見える印象と出入りのしやすさを先に見ます。

久保さんは、次回の冒頭で「前回は会議室で長く座る場面が中心でした」と伝えました。担当者は「そこを先に見たいです」と答え、候補比較に進みました。

話す順番に迷う時ほど、営業側は準備を増やしがちです。資料を増やす、実績を増やす、説明を増やす。けれど、入口の用途が決まらないまま増やすと、相手はどれを見ればよいか迷います。

まず用途を聞くと、準備した資料の使い方も変わります。全部を見せるための資料というよりも、相手の判断を助けるページを選ぶ資料として使えます。

話す順番は、話す順番の基準は、営業側の覚えやすさではありません。相手が決めやすい順番に合わせます。用途、困りごと、決める人。この三語を最後まで変えずに扱うだけで、商談は整理しやすくなります。

久保さんは、商談後に提案書の並びも見直しました。1ページ目を商品一覧にせず、相手が使う場所を書ける欄に変えました。会議室、受付、執務席のどこかを確認してから、関係する商品に進む流れです。

次の面談では、担当者が「受付の椅子も気になります」と話しました。久保さんはすぐ商品を広げず、「受付ですね。来客が座る時間と社員が使う時間では、どちらが長いですか」と聞きました。用途を聞くと、同じ椅子でも見る点が変わります。

担当者は「来客が座る時間です」と答えました。久保さんは「来客が座る時間ですね」と受け、見た目と座り心地を中心に説明しました。会議室の時に話した腰のつらさとは別の角度です。用途が違えば、困りごとも変わります。

久保さんは、この流れを自分用の確認表にしました。表といっても、商談中に埋めるためのものではありません。準備段階で、用途、困りごと、決める人の三語を空欄にしておくだけです。商談中は相手の言葉を聞き、終わった後に抜けた点を確認します。

話す順番を整えると、営業側の緊張も減ります。何を話すかを全部覚えるより、最初に用途を聞くと決める方が動きやすいからです。そこから困りごとを聞き、決める人を確認する。流れが見えると、説明を急がずにすみます。

現場で久保さんの商談を振り返ると、順番が乱れる時には共通した反応がありました。お客様が商品名を聞いた直後に資料を閉じる、価格表の前で眉を寄せる、使う人の名前を出さずに「社内で考えます」と言う。この反応が出たら、話題を広げず用途に立ち返ります。

久保さんは、次回から最初の5分を用途確認に使いました。会議室、受付、執務席のどこで使うか。誰が長く座るか。今どの場面で困っているか。ここまで聞くと、資料のページを飛ばしても不自然ではありません。相手が知りたい順番に合わせているからです。

さらに、決める人を聞く場面も変えました。最後に「決裁者はどなたですか」と聞くのではなく、用途を確認した後で「実際に長く座る方と、予算を見る方は同じですか」と聞きます。これなら、決める人の確認が事務的に響きにくくなります。

次の初回商談では、商品説明の前に、相手が一番長く使う場所を聞きましょう。 その答えから困りごとと決める人を確認すると、話す順番は自然に整います。

営業Q&A

自己紹介と商品説明のどちらを先に話せばよいですか?

初回商談の冒頭で、自分の説明から入るか、商品から入るか迷う場面です。

回答

長い自己紹介や商品説明より先に、用途を聞きましょう。相手が何に使うかを聞いた後なら、自己紹介も商品説明も相手に関係する内容へ絞れます。

相手が費用から聞きたいと言った時はどうしますか?

商談の早い段階で、相手が価格を知りたがっている場面です。

回答

費用を隠す必要はありません。ただし、先に用途だけ確認します。「費用を見る前に、どこで使う想定かだけ確認してよいですか」と聞くと、価格の意味を合わせやすくなります。

説明前に決める最初の質問

営業で話す順番に迷う時の整え方を解説しました。資料順ではなく、用途、困りごと、決める人の順に聞くと、説明と提案の流れが作れます。

  • 資料順で話す時の詰まり
  • 用途、困りごと、決める人
  • 提案へ進む合図

焦って資料の1ページ目から話すだけではどうにもなりません。まずは相手が一番長く使う場所を聞き、そこから困りごとを確認しましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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