ご質問ご回答Q&A

内勤から営業に左遷されたと思っています。感情の浮き沈みについて。

●質問

内勤から営業になりました。自分では左遷じゃないかと感じています。

これから営業としてやっていくのですが、感情の浮き沈みが激しくなるのではないかと心配しています。

営業に行って説明したのに断られたりするとショックだなと、考えただけでもぞっとします。

● 回答

営業としてやっていくなかで、感情の浮き沈みについて心配されておられるのですね。

結論から申し上げますと、「あなたに自信を持ってほしい。」と私は思います。

なぜなら、あなたはすでに内勤としていままで業務を果たしてきておられるからです。

内勤から営業になって、不安でいっぱいかもしれません。ましてや、左遷じゃないかと感じておられる状況であればなおさら不安になると思います。しかし、私はあなたに、いままであなたがされてきた業務を振り返ってみて欲しいと思います。

いままであなたは内勤として様々な依頼を受けたり、相談を受けたり、時には決断をすることがあったり、相手と話し合いを設けたり、様々な経験をしてきていると思います。

様々な状況に対応する力をすでに身に付けているのです。営業としての力の引き出し方はたしかに少し内勤とは違うかもしれません。でも、あなたには力があることを忘れてはいけません。

きっといままでもあなたは感情に左右される場面を経験されているのではないでしょうか。成功した時には喜び、失敗した時は悲しむ・後悔するなど数えきれないほどあるはずです。

営業になって、感情の浮き沈みが起こるというと、主なものは顧客との商談だと思います。

営業に行って商談して契約が取れたら嬉しい、逆に契約がとれなかったら悲しい。せっかく説明したのにもかかわらず、断られるとショックで落ち込んでしまうのも無理はありません。例えば、前日までプレゼン資料をパワーポイントでつくり込んだにもかかわらず、お客さんから「これじゃ採用できないな」とサラッと言われてしまって、ガクッとあなたは肩を落としてしまう、などです。

しかし、このように浮き沈みが起きてしまうやり方こそ、見直す必要があるのです。顧客に無理に売ろうとして説得しようとして、断られるとその落差に落ち込んでしまう、それ自体がおかしいのです。顧客の気持ちを確かめながらすすめていくと断られる感覚にはならないのです。

いっぽうで、「そうはいってもすぐに営業ができるようにはならない、断られて失敗して経験を積むのも大事。失敗はつきものだ。」という意見もあるでしょう。たしかに失敗から学ぶことはたくさんあります。失敗をかさねて経験豊富になってさらに営業力が高まることは往々にしてあります。

著名な経営者でも過去の失敗や挫折の経験から数多くのことを学んでいると思うと勇気づけられます。

「ベゾス本人も『自分ほど失敗した人はいない』と話している」。こう指摘するのはアマゾン日本法人の立ち上げメンバーで、雑誌のオンライン書店を運営する富士山マガジンサービスの西野伸一郎社長だ。オークション事業で失敗し、その経験を生かしてマーケットプレイスを立ち上げた事例などを見ており、「まずやってみて、ダメであれば修正して現実との折り合いを付けている」と分析する。
出典:2021/04/06 日経産業新聞 3ページ 「この時、ベゾスなら」思案(人ビジネスMAP)

失敗から学ぶのももちろん大切ですが、やり方を学んでから動くというのも大切だと私は思います。つまり、説得ではなくて納得してもらうことが大事なのです。相手に納得してもらうためには相手の状況をしっかり把握することが大切になります。一つ一つ相手のことを確かめながら進めていけば、断られるということはなくなっていくのです。むしろこちらから「このお客様には今はタイミングではないな」という判断をしているくらいの気持ちでいいのです。

そうすれば、気持ちは楽になります。もちろん「売りたい」という気持ちも分かりますが、無理やり売ろうとしても売れないのです。

それがわかれば、あなたのお客様との会話も、あなた自身の気持ちも変わってくることでしょう。

ですので、あなたが今までの経験に自信を持って、あなたに無理のないやり方で、失敗を極端に怖れずに進めていくことを私はお勧めします。

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2003年、22歳から営業マンとして18年経験。2017年の配置転換を機に営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。500人以上の営業相談に応じてきた実績。無形商材・有形商材の営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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