ご質問ご回答Q&A

上司の態度が普段と変わってしまうので営業会議が恐いです。

●質問

私は営業になって1か月の新人です。36歳にしてはじめて営業部署に配属になりました。

営業会議のことで相談です。

普段はやさしい雰囲気の上司なのですが、営業会議になると態度がちょっと変わります。
成績の悪い順に営業マンに発表させたり、事細かいことまで追求します。

上司なので当然だよなと思う一方で、ピリピリした恐い雰囲気に少し困っています。
営業会議は他の会社もそんなものなのでしょうか?

● 回答

上司が営業会議になると態度が変わって恐いと思っておられるのですね。

普段はやさしい上司であるなら、そう感じて当然だと思います。

あなたが準備して営業会議にのぞむことが大切だと私は思います。

なぜなら、準備をしていないと、何をいわれるのか、きかれるのか不安になってしまうからです。

上司をすぐに変えることは出来ませんが、あなたがほんのちょっと行動を変えることは出来ると思います。

たとえば、事前に準備できるのは次のようなことです。

・売り上げを把握しよう。
 「売り上げ目標」「現在の売り上げ実績」「目標との差額」は何も見なくても言えるようにしましょう。
 聞かれたらパッと答えられるようにしておくことです。普段から数字を見るくせをつけましょう。

・目標との差額に対しての行動をハッキリしよう。
 目標を達成させるための案をいくつか出しましょう。ハッキリした行動として数字で示せるとよいですね。

・議題にあがることを予測しよう。
 営業会議で議題にあがるであろう項目を予測しておきましょう。
 その話題が出たときに、すぐに返答できるようにしておくことや、自分なりの解決案を考えておきましょう。

・賛否など意見を聞かれるときは紙に書いておこう。
 営業会議で決めごとがあらかじめ予定されている場合は、あなたの意見(賛成・反対)とその理由などを紙に書いておきましょう。
 ピリピリした雰囲気であっても発言を求められることがあります。紙を見ながら読みあげると、自分の意見が言いやすくなります。
 
・あなたの売上数字をしっかりつろう。
 売上をあげられない状態や、売上をあげられない不安があると、上司から何を言われるか恐いという気持ちになってしまいます。
 売上をあげられる自分を作って安心して営業会議にのぞめるようにしましょう。

とは言うものの、「それらをやっても上司が恐いのは変わらないよ。」という方もおられるかもしれません。もちろん、上司がすぐに営業会議をやってやさしく変わってくれるとは私も思っていません。

ですが、”影の努力はいずれ日の目を見る”という視点に立ってみると、おのずと結果が表れてくると思います。ほかの営業マンに対しての態度がはじめは変わらなくても、もしあなたが行動をし続けていれば、あなたに対しては徐々に態度が変わっていくと私は思います。

下記は元TOTO社長の木瀬照雄氏について書かれた記事です。
若手のころに希望と異なる営業部に配属され、営業会議で苦労された様子が伺えます。

 「木瀬君は、営業事業本部営業第1課です」
 1970年(昭和45年)5月末、2カ月間の新人研修を終えて、配属先を告げられた。「営業は向いていない」と入社試験の時に伝えたはずが、叶(かな)わなかった。

配属当初、役員や全国の支社長などで構成する営業会議の議事録作成も私の仕事。会議の模様はオープンリールの大型録音機で収録していて、テープを回したり、戻したりの繰り返し。時々絡まった。業界用語や社内用語はちんぷんかんぷん。大変な思いをしたが、先輩からは「必ず役に立つ」と励まされた。市場の状況や流通の変革期にあることもわかり、その後の予算策定などの流れがよく分かった。

2021/06/11 日本経済新聞 朝刊 38ページ

私自身も、営業会議で大変な思いをしたことがあります。営業会議で上司から鋭い目で見られ、ほかの営業マン全員がいる前で、「どうなってるの!木村さん!」と追及されたこともありました。当時は、自分の不甲斐なさにがっかりして肩を落とすばかりでした。今おもえば、事前にできることがあったなと感じます。

お話ししたような一つひとつの行動を積みかさねていくことが大切と私は思います。そうすれば、上司の態度がだんだん気にならなくなってくると思います。

こどもの運動会の徒競走を想像してみてください。4人が一斉に走り出して、出だしはそんなに差はないけど、ゴール付近では大きな差がでてくることがあります。1等のこどもの走り方をみると、腕を前後にふっている、前傾姿勢になっているなど、ちょっとした違いを感じます。ちょっとの差なのだけれど、百歩になるととおおきな差が出てくるのです。

ながながとお話してしまいましたが、何が言いたいかというと、事前に準備をして、上司の態度で左右されない、キリっとしたあなた自身をつくっていってほしいということです。応援しています。

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2003年、22歳から営業マンとして18年の実績。お客様からの〝たった一言〟をきっけかに営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。500人以上の営業相談に応じてきた実績。経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に好評がある。

 
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