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営業プレゼン資料は相手が聞いた理由から開く

資料を開く前に聞く理由

営業プレゼン資料をきれいに作っても、相手が上から順番に読んでくれるとは限りません。商談の場で資料を開いた瞬間、相手は自分に関係があるページかどうかを見ています。ここで営業側が説明を始めすぎると、相手の考える時間を奪ってしまいます。

内田健太さん(仮名、業務改善資料を扱う営業資料作成支援業の一人社長)は、初回相談の後に20ページの提案資料を見せていました。説明は丁寧でしたが、相手は途中で腕時計を見ていました。営業プレゼン資料では、資料の順番より、相手が聞いた理由、見るページ、感想を先にそろえます。

この記事では、営業プレゼン資料を見せる場面で、説明を増やさずに相手の言葉を使う方法を整理します。資料を作り込む話ではありません。相手が自分の課題として読める順番を決める話です。

  • 資料説明が長くなりやすい方
  • 相手が資料を読んでいる間に話してしまう方
  • 提案資料を商談の判断材料として使いたい方

資料前の一問

内田さんは、資料を開く前に「この商談で一番確かめたいことは何ですか」と聞きました。相手は「現場から月末作業が多すぎると言われたからです」と答えました。

ここで内田さんは、資料の1ページ目を読み上げませんでした。相手の言葉を受けて、「月末作業ですね。では今日は、作業が多い理由を見られるページから始めます」と伝えました。

営業プレゼン資料は、最初のページから説明するものではなく、相手が聞いた理由に合わせて開くものです。

聞いた理由、見るページ、感想

内田さんは、この記事の中核を聞いた理由、見るページ、感想にしました。聞いた理由は、相手がその場に時間を取った理由です。見るページは、資料の中で最初に相手と確認するページです。感想は、資料を見た後に相手が口にした言葉です。

この三語をそろえると、プレゼン資料の使い方が変わります。営業側が説明したい順番ではなく、相手が知りたい順番で資料を開けます。内田さんは、資料の目次を説明せず、聞いた理由に近いページだけを先に見せました。

聞いた理由、見るページ、感想をそろえると、資料説明は営業側の発表ではなく、相手の理解を確かめる時間になります。

三語 商談で見ること 営業側の一文
聞いた理由 相手が時間を取った理由 この場で先に確かめたいことを伺う
見るページ 最初に開く資料の場所 その話なら先にこのページを見ます
感想 相手が読んだ後の言葉 どの部分が近いと感じましたか

資料説明で損する三つの癖

目次から読む癖

目次から読むと、営業側は安心します。話す順番が決まっているからです。けれど、相手は目次を聞きたいわけではありません。自分の困りごとに近いページがどこかを知りたいのです。

グラフを急いで解説する癖

グラフを見せた瞬間、営業側は数字を説明し始めがちです。相手がまだ読んでいる途中なら、その説明は早すぎます。内田さんは、グラフを見せた後に数秒待ち、「まずどこが目に入りましたか」と聞きました。

最後に感想を聞く癖

資料を全部説明した後に感想を聞くと、相手は全体の印象しか言いにくくなります。途中で一度聞く方が、相手の理解が見えます。感想は最後の確認ではなく、途中の進み具合を見る材料です。

ページを開く短い会話

内田さんは、資料を見せる前の会話を練習しました。内田さんが「今日の時間で先に見たい課題はどれですか」と聞くと、相手役は「月末作業が多いからです」と答えました。

内田さんは「月末作業ですね。では、作業が多い理由を分けたページから見ます」と返しました。相手役が資料を読んだ後、内田さんは「どの部分が現場の状況に近いですか」と聞きました。

この会話で大事なのは、説明のうまさではありません。相手が資料を読んだ後に、自分の言葉で感想を出せることです。内田さんは、読む時間を挟んでから質問する流れに変えました。

最初に見せるページの決め方

最初に見せるページは、営業側が強く見せたいページではありません。相手が聞いた理由に近いページです。相手が月末作業を気にしているなら、導入事例より先に作業分類のページを見ます。

相手が費用を気にしているなら、料金表だけを先に出しません。費用が変わる条件のページを見ます。相手が社内説明を気にしているなら、導入後の担当者の動きを示すページを先に開きます。

見るページを選ぶ時は、聞いた理由に一番近いページを一つだけ選びます。全部を見せようとすると、相手の感想が薄くなります。

読んでいる間の待ち方

資料を相手が読んでいる間、営業側は不安になります。何か話さないと価値がないように感じるからです。内田さんも、以前は読み始めた相手に補足説明を続けていました。

しかし、相手が資料を読んでいる時は、相手の頭の中で自分の仕事と照合しています。内田さんは、補足説明を止め、相手の目線が止まった場所を見ました。腕組みがほどけた時、指で行を追った時、資料を戻して見直した時に、一つだけ聞きます。

「今見直された箇所は、現場に近いですか」と聞くと、相手は感想を言いやすくなります。資料は営業側が話すためだけのものではありません。相手が考えた跡を見るためのものです。

相手の言葉で進める資料

内田さんは、相手の「月末作業が多い」という言葉を、その後も変えませんでした。「現場負荷」「業務逼迫」と言い換えると、相手の言葉から離れてしまいます。

相手が言った言葉をそのまま短く引用します。内田さんは「月末作業が多いという点で見ると、この表の2行目が近いと思います」と言いました。相手は「そこです」と答えました。

この時、内田さんは資料の専門語を増やしていません。相手の言葉を入口にし、資料のページを結びます。相手は、自分の悩みが資料に反映されていると感じます。

決裁者が見るページ

法人商談では、資料を見た相手がそのまま決裁者ではないことがあります。内田さんは、商談の後半で「この資料を社内で見せるなら、どのページが先に聞かれそうですか」と聞きました。

担当者は「費用が変わる条件です」と答えました。そこで内田さんは、作業分類のページに加えて、費用条件のページだけを確認しました。決裁者に全部の資料を読んでもらう前提にしません。

担当者が説明しやすいページを一つ決めると、商談後の社内共有が進みやすくなります。聞いた理由、見るページ、感想の三語は、担当者が社内で話す時にも使えます。

持ち帰り資料の渡し方

資料を渡す時も、内田さんは全ページを同じ扱いにしませんでした。「今日見たページは、月末作業の確認に使ってください。残りは、必要になった時に見ていただければ十分です」と伝えました。

相手が社内で説明する時、全ページを読ませる必要はありません。聞いた理由に近いページと、決裁者が聞きそうなページを先に示します。内田さんは、付箋を貼る代わりに、メールで「最初に見るページ」と「後で見るページ」を分けました。

この渡し方なら、資料は厚くても相手の負担になりにくくなります。営業側も、後日の連絡で「月末作業のページをご覧いただけましたか」と聞けます。話が資料全体に広がらず、相手が読んだ箇所から再開できます。

プレゼン後の確認順

資料を見終えた後、内田さんは「いかがでしたか」とだけ聞きませんでした。「聞いた理由、見るページ、感想の順で振り返ると、今日一番残ったのはどこですか」と聞きました。

相手は「感想です。現場担当者に見せた時の反応が気になります」と答えました。そこで、次回は現場担当者が見るページだけを一緒に確認する約束にしました。

プレゼン後は、良かったかどうかより、聞いた理由、見るページ、感想のどこが次回に残ったかを聞きます。

商談後メールの焦点

商談後メールでは、内田さんは資料の添付だけで終えませんでした。「本日は、月末作業が多いという聞いた理由から、作業分類のページを先に見ました。ご感想では、現場担当者の反応が気になるとのことでした」と書きました。

この文なら、相手は商談で何を確認したか思い出せます。営業側の説明量ではなく、相手が出した理由と感想が残ります。次回の入口も、現場担当者が見るページの確認に絞れます。

次回練習で見る一場面

営業プレゼン資料の練習では、全部を通して話すより、最初の1ページだけを練習します。内田さんは、相手が聞いた理由を受けて、どのページを開くかだけを声に出しました。

相手役が「比較したいです」と言ったら、内田さんは「比較ですね。では価格表ではなく、違いが出る条件のページから見ます」と返します。相手役が「社内説明です」と言ったら、「社内説明ですね。では決裁者が聞くページから見ます」と返しました。

同じ質問文を何度も使う練習ではありません。聞いた理由に対して、見るページを変える練習です。資料の完成度より、相手の言葉を受けたページ選びを整えます。

営業Q&A

営業プレゼン資料は全部説明した方がよいですか?

全部説明すると丁寧に見えます。ただし、相手が聞いた理由と関係の薄いページまで読むと、判断の時間が長くなります。

回答

最初は、聞いた理由に近いページを一つだけ見せます。その後で感想を聞き、相手が次に見たいページを一緒に選びましょう。

次回商談で変える一ページ

営業プレゼン資料では、聞いた理由、見るページ、感想をそろえます。内田さんのように、資料を開く前に相手の理由を聞けば、最初に見せるページが営業側の都合で決まりません。

次の商談では、資料を開く前に、相手が先に確かめたいことを聞いてください。その答えに近い一ページから始めると、相手は自分の判断材料として資料を読めます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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