ご質問ご回答Q&A

営業の話す割合は相手の言葉と間から整える

相手の言葉で整える営業の話す割合

商談が終わった後に、今日は少し話しすぎたかもしれないと感じる日があります。資料は説明できた。料金も伝えた。導入の流れも話した。それでも相手の言葉が少なく、次の判断が見えないまま終わると、営業側には重さが残ります。

営業の話す割合は、営業が何割でお客様が何割という数字だけでは決まりません。相手が考えている間を残せているか。答えの後に、もう一文続けてもらえているか。こちらの説明が、相手の言葉を増やしているか。そこを見ると、話す量の調整が現場でしやすくなります。

営業の話す割合は、説明量ではなく、相手の言葉が増えたかどうかで整えます。相手の言葉が短いままなら、説明を増やす前に一度受け止めへ戻ります。

この記事では、営業の話す割合を数字の目安で終わらせず、商談中の合図から直す方法を解説します。展示什器レンタルの架空事例を使い、話す量を減らす場面と増やす場面を分けていきます。

説明が長くなりやすい方へ向けた内容です。

  • 商談後に自分ばかり話していたと感じる方
  • 沈黙が出ると資料説明を足してしまう方
  • 相手の言葉を増やす会話配分を作りたい一人社長

比率だけで直せない話しすぎ

営業では、お客様が8割、営業が2割といった目安がよく語られます。この考え方は役立ちます。ただ、商談中に時計を見ながら割合を測るわけにはいきません。数字だけを意識すると、今度は話さなさすぎて相手を困らせる場面も出ます。

見るべきなのは、時間の割合より言葉の動きです。相手が一文で終わったのか、二文目まで話したのか。抽象語だけだったのか、担当者名や場所、時刻まで出たのか。そこに注目すると、いま自分が話すべきか、待つべきかが見えてきます。

話す割合を整える目的は、営業側が黙ることではありません。お客様が自分の状況を言葉にできる空間を作る点にあります。

最初の三分で見る相手の言葉

商談の最初の三分は、営業側の話す量が増えやすい時間です。自己紹介、実績、商品概要を一気に話すと、相手は聞く姿勢に入ります。聞いてくれるので安心しますが、そのまま説明会になりやすくなります。

最初に見るのは、相手が自分の現場を一つ話したかどうかです。展示什器なら、展示会なのか、店舗什器なのか、短期イベントなのか。どの場面で使うのかが出る前に商品ラインナップへ入ると、営業側の話す割合が急に増えます。

最初の三分では、説明の上手さより、相手の具体語が出たかを見ます。具体語が出ていないなら、一問だけ戻します。

展示什器相談で変えた会話

芽依さん(仮名、展示什器レンタル業の一人社長)は、初回相談で什器の種類、サイズ、料金、搬入方法を丁寧に説明していました。相手の担当者はうなずいていましたが、最後は「社内で検討します」で止まりました。

振り返ると、相手が使う場面を話す前に、営業側の説明が進んでいました。展示会のブースで使うのか、商業施設の催事で使うのか、社内発表会で使うのかが曖昧なまま、棚や台の種類だけを案内していたのです。

次の商談では、冒頭の説明を短くしました。営業側: 今日は什器の種類を全部見る前に、使う場面だけ先に聞いてもよろしいでしょうか。相手: 商業施設の週末催事です。営業側: では、来場者が最初に立ち止まる場所は入口側ですか、レジ側ですか。相手: 入口側です。

この会話で、営業側の説明は半分以下になりました。什器一覧を順に見せるのではなく、入口側で立ち止まりやすい高さ、搬入時の動線、撤収時間だけに絞れたからです。

説明を止める一つの合図

説明を止める合図は、相手の返事が短くなった時です。「はい」「そうですね」「なるほど」が続く時、相手は理解しているように見えても、自分の話へ戻るきっかけを失っている場面もあります。

その合図を見たら、さらに説明を足しません。「いまの中で、催事当日に一番気になるのは搬入、見え方、撤収のどれでしょうか」と小さく分けます。相手が選べる形に戻すと、会話の主語が営業側からお客様へ移ります。

話す量を減らす合図は、相手の理解不足ではなく、相手の言葉が細くなった瞬間です。ここで一度止まると、商談の流れは戻せます。

沈黙を待ち時間へ変える受け止め

沈黙が出た時、営業側はつい補足を入れたくなります。けれど、相手が考えている沈黙もあります。ここで資料説明を足すと、相手の考えが言葉になる前に上書きしてしまいます。

使いやすい受け止めは短くします。「そこを考えてくださっているのですね」「入口側の見え方が気になっているのですね」。これだけで、沈黙は気まずい空白ではなく、相手が考える時間として扱えます。

受け止めの後に一拍置くと、相手は続けやすくなります。会話の主導権を奪わず、相手の言葉を待つ姿勢が伝わるからです。

話す量が増える三つの癖

増えやすい癖 場面に戻す動き
相手が一言返すたびに追加説明を入れる 返答を受け止めてから一問だけ置く
資料の順番どおりに話し切ろうとする 相手の使用場面に関係するページだけ出す
沈黙を理解不足と決めつける 考えている論点を短く言葉にして待つ

この三つは、熱心な営業ほど出やすい癖です。相手のために話しているつもりでも、相手が考える時間を減らしてしまいます。

修正は、話し方を大きく変えるより、止まる場所を決める方が実行しやすいです。返答後、資料をめくる前、沈黙の後。この三つで一度止まるだけでも、話す割合は変わります。

オンライン商談で見る画面の間

オンライン商談では、話す割合のズレが見えにくくなります。相手の反応が小さく見え、営業側は不安になって資料共有を続けがちです。画面上ではうなずきが分かりにくいので、説明が長くなります。

ここでは、資料を切り替える前に一度画面を止めます。「ここまでで、実際の催事に近いのはどの写真でしょうか」と聞きます。相手が写真を選ぶと、営業側はその写真から次の質問へ進めます。

画面共有中の話す割合は、ページ数ではなく、相手が画面を見て何を言ったかで調整します。資料が多いほど、相手の一言を拾う時間を先に置きます。

次回までに残す聞く割合

商談の最後には、次回までに営業側が何を聞くかも残します。次回はさらに説明する時間ではなく、今回出た場面をもう一段具体化する時間にします。

展示什器なら、入口側で人が止まる場所、搬入車が停められる時間、撤収時に先に片づける棚。この中から一つだけ次回の確認にします。三つ全部を広げると、次回も説明量が増えます。

営業の話す割合は、その場だけで完結しません。次回に何を聞くかが決まると、フォローの連絡も短くなり、相手も準備しやすくなります。

相手が話し始めた後の返し方

相手が具体語を出した後も、営業側はすぐ解説へ戻らないようにします。入口側、週末催事、撤収時間といった言葉が出たら、その言葉を一度使って返します。「入口側の見え方が大事なのですね」と返すだけで、相手は自分の話が商談の中心になったと分かります。

この返しがないまま説明へ進むと、相手の具体語はただの情報収集で終わります。営業側がその言葉を受けてから資料を出すと、資料は相手の発言に答える形になります。

営業コミュニケーションで大事なのは、相手の話を聞いた事実ではなく、聞いた言葉を次の会話に使う姿勢です。返答後の一文があると、話す割合は数字以上に相手側へ寄ります。

話してよい場面の見極め

話す量を減らす意識が強すぎると、今度は営業側が答えを出す場面でも黙ってしまいます。相手が具体場面を出し、迷いも一つに分かれた後は、営業側が短く話して構いません。

展示什器なら、入口側で立ち止まってもらいたい、搬入は閉店後、撤収は一時間以内という条件がそろった時です。ここまで見えたら、棚の高さや台の幅を提案しても押し込みに見えにくくなります。

話してよい場面を見極める合図は、相手の言葉に場所と動きが入った時です。場所だけならまだ浅く、動きだけなら広すぎます。場所と動きがそろうと、説明は相手の現場へ届きます。

商談後に見返す一つの反応

商談後に見返すのは、自分が何分話したかだけではありません。相手の言葉が増えた瞬間を一つ拾います。入口側の話で言葉が増えたのか、搬入時間の話で増えたのか、撤収の話で増えたのかを見ます。

その反応が分かると、次回の入り方も変わります。「前回、入口側の見え方で一番具体的に話してくださいました」と戻せます。相手の言葉を起点に再開するため、営業側の説明で商談を塗り直さずに済みます。

商談終盤で使う短い確認

商談終盤では、話す割合をもう一度相手側へ戻します。営業側がまとめを長く話すと、最後にまた説明の比率が増えます。代わりに「今日いちばん使えそうだと感じた什器はどれでしたか」と聞きます。

この一問で、相手は自分の言葉で商談を締められます。営業側は、その答えに合わせて次回確認を一つ置くだけで足ります。最後の数分で説明を増やさないことが、会話全体の印象を軽くします。

話す割合の調整は、冒頭だけでなく終盤にも効きます。入口で聞き、途中で受け止め、最後に相手の言葉でまとめる。この三つがそろうと、営業側の説明は自然に短くなります。

営業Q&A

営業は何割くらい話すのが正解ですか?

数字の目安だけでは、商談ごとの判断が難しくなります。

回答

相手の言葉が増えているかで見ます。担当者名、場所、時間、困っている場面が出てきたら、聞く流れは合っています。返事が短くなったら、説明を足す前に受け止めと一問へ戻します。

相手の言葉で整える話す割合

営業の話す割合は、黙る練習だけでは整いません。相手の言葉が短くなった時に止まり、具体語が出た時に必要な説明だけ返す。この往復で会話の配分が変わります。

展示什器の相談では、什器一覧を語る前に、入口側の見え方と搬入動線を聞いたことで説明が絞れました。相手の場面が見えてから話すほど、説明はお役立ちに変わります。

次の商談では、資料をめくる前に相手の具体語が出たかを見てください。話す割合を数字で守るより、相手の言葉が増える順番を守る方が、商談は進みやすくなります。

The following two tabs change content below.
営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

最新記事 by 木村まもる(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)

 
営業適正