営業の雑談が苦手な一人社長へ|話術なしで距離が縮まる質問雑談の3つのコツ
商談に入る前の雑談で、何を話せばいいか分からず固まってしまう。そんな悩みは、多くの一人社長に共通しています。
お天気の話を振っても続かない、趣味を聞いても会話が広がらない、結局沈黙が気まずくて自分から商品の話を切り出してしまう。実は雑談は「話す力」ではなく「質問する力」で決まります。
この記事を読んでいただくことで、話術がなくてもお客様との距離が自然に縮まる雑談のコツがつかめます。最後までご覧ください。
こんな人におすすめの記事です。
- 商談前のアイスブレイクで会話が続かず気まずくなる一人社長
- 面談での雑談から本題への切り替えがうまくできない一人社長
- 話術や雑学に自信がなく、雑談そのものを避けてしまっている一人社長
これから一つひとつ見ていきましょう。
営業の雑談が苦手になる本当の理由
営業の雑談がうまくいかない一人社長の多くは、「自分が話して場をつなごう」と考えています。話題を探し、面白いネタを準備し、お客様を笑わせようとする。けれど準備すればするほど、本番では言葉が出てこなくなる。これは雑談の本質を取り違えているからです。
雑談は、営業マンが話すための時間ではありません。お客様に話してもらうための時間です。
理想の会話配分は、お客様が8割、営業マンが2割。雑談の段階からこの割合を意識するだけで、空気はガラッと変わります。
話術・雑学・元気は不要だった
「営業マンは話し上手でないといけない」という思い込みは、いまの時代には通用しません。お客様はインターネットで何でも調べられる時代です。営業マンに求めているのは情報ではなく、自分の話を真剣に聞いてくれる存在です。
あるデータでは、コミュニケーションに苦手意識を持つ人は約60%、90%以上が「自分のコミュニケーション力は不十分」と感じているとされています。
つまりお客様自身も、雑談で気を遣う側にいるのです。
営業マンが滑らかに話す必要はありません。お客様の話に「なるほど」と共感し、「たとえば?」と興味を示す。それだけで雑談は成立します。
私自身の現場での気づき
私は22年間で1,000件以上の商談を経験し、1,000人以上の営業相談に乗ってきました。メーカーで有形商材の営業から、人材紹介や求人広告など無形商材の営業まで経験する中で気づいたのは、雑談で結果を出していた営業ほど話していなかったという事実です。
共通していたのは、自分の話題ではなく、お客様の世界に純粋な興味を向けていたこと。
雑談を「ネタの披露の場」ではなく「相手のことを知る入り口」と捉え直すと、たちまち楽になります。
話術なしで距離が縮まる質問雑談の3つのコツ
雑談を「質問雑談」に切り替えるためのコツは、次の3つです。
- お客様の周辺にあるものから入る
- 過去→現在→未来の順に質問を重ねる
- 共感の一言を必ず挟む
名刺・社名の由来・オフィスの様子・置物など、目に見えるものから質問を始めます。「このお名前はどういう由来ですか?」「素敵な絵ですね、何かこだわりがあるのですか?」のような一言で十分。お客様自身に関わりの深い話題なので、誰でも答えやすいのです。
「以前はどんなお仕事をされていたのですか?」「いまはどんなことに力を入れておられますか?」「これからはどう広げていきたいのですか?」と時間軸で聞きます。聞かれた側は人生の流れを語ることになり、自然と人柄が浮かび上がります。
「なるほど」「そうだったのですね」「すごいですね」を質問の合間に必ず入れます。共感がないと、ただの取り調べになってしまいます。共感+質問の組み合わせで、お客様は安心してさらに深い話をしてくれるのです。
魔法の質問フレーズ「たとえば?/なぜ?/ということは?」
雑談を深めていくときに使えるのが、この3つのフレーズです。
「たとえば?」で具体例を引き出し、「なぜ?」で動機を掘り、「ということは?」でお客様自身に結論を語ってもらいます。
たとえばお客様が「最近忙しくて」とおっしゃったら、「たとえばどんなことで忙しいのですか?」「なぜそこに力を入れておられるのですか?」「ということは、これから○○を強化していきたいということですね?」と展開できます。この3フレーズだけで、雑談は本題への自然な橋渡しになります。
雑談から本題への橋のかけ方
雑談から商談本題への切り替えに使える枕言葉が「そういうなかで」です。
「そういうなかで、今のお仕事の現状はどうですか?」と一言入れるだけで、空気を壊さずに本題のヒアリングへ移れます。雑談で得たお客様の人柄や状況が、その後のヒアリングをグッと深めてくれるのです。
できる営業 vs できない営業|雑談の対比
同じ初対面の場面でも、できる営業とできない営業では雑談の組み立てがまるで違います。
- Aさん(コーチング業の一人社長) 「初対面で何を話せばいいか分からず、自社サービスの紹介から入っていました。お客様の表情がだんだん固くなっていくのが分かるのに、止まれませんでした。」
- Bさん(保険業の一人社長) 「名刺の社名の由来を一言聞いただけで、社長が10分以上ご自身の創業ストーリーを語ってくださいました。私は『なるほど』と相づちを打っただけです。」
Aさん、Bさんのどちらが身近に感じましたか?
Aさんのように自分が話すモードに入ると、お客様は受け身になります。Bさんのように質問に切り替えると、お客様は主役になり、自然に心を開いてくれるのです。雑談で大事なのは、何を話すかではなく何を聞くかです。
質問雑談で商談が変わった一人社長の事例
WEBデザイン業の一人社長Cさんは、初対面の商談で必ず緊張してしまうタイプでした。話題を準備しても本番で頭が真っ白になり、結局自社サービスの説明から入って早々にお断りされる日々が続いていました。
Cさんに「お客様の名刺と会社の様子から質問を始めてみてください」とお伝えしました。次の商談でCさんは、社長室の絵を見て「このお仕事はどなたが?」と一言尋ねました。社長は娘さんが描いた絵だと笑顔で語り、家族の話から事業の想いへと自然に話が広がりました。
Cさんが話したのはおよそ2割。けれど商談は「次回もう一歩踏み込んだお話を」と次回約束付きで終わったのです。
お客様が話したくなるのは、見透かされるほどの話術ではなく、自分に純粋な興味を向けてくれる人に対してなのです。
営業Q&A|質問雑談のよくある悩み
●質問 雑談で何を聞いていいか分かりません
面談に行くたび、共通の趣味も話題もなく、毎回沈黙が長くなります。話題のネタ帳を作ってもいざとなると思い出せません。事前に話題を準備しなくても、雑談が成立するコツはありますか?
● 回答
雑談のネタを準備しないと不安、というお気持ちはよく分かります。けれどネタを探すのではなく、目の前の現場にあるものから入るのがコツです。
ポイントは3つあります。
- 名刺・社名・オフィスの様子から拾う
- 「たとえば?」「なぜ?」「ということは?」で深掘りする
- 必ず「なるほど」と共感を入れる
なぜなら、お客様の周辺にある情報はそのお客様にとって意味のある話題ばかりだからです。事前準備のネタよりもはるかに自然で、相手も答えやすいのです。
これからは話題を探すのではなく、現場で見つけた「ひと言」から質問を始めてみてください。
●質問 雑談から本題に入るのが苦手です
盛り上がってきた雑談を切ると失礼ではないかと感じ、結局時間がなくなって本題に入れずに終わります。雑談から商談へ自然に切り替える方法はありますか?
● 回答
雑談で築いた空気は壊したくない、というお気持ちは大切です。だからこそ「そういうなかで」という枕言葉を使ってください。
たとえば、お客様の事業の話で盛り上がった後に「そういうなかで、今のお仕事の現状ってどうですか?」と一言。雑談の延長線上で本題のヒアリングが始まる感覚です。
雑談で出てきたお客様の言葉をそのまま使えば、本題に入っても違和感がありません。雑談はムダ話ではなく、お客様の現状を聞くための準備時間と捉えてみてください。
●質問 無口なお客様だと雑談が成立しません
口数の少ないお客様だと質問してもひと言で終わり、それ以上広がりません。こちらも引っ込み思案になり、結局商品の話に走ってしまいます。
● 回答
無口なお客様ほど、深く考える方が多いです。短い返答の裏には豊かな世界が広がっているのです。
「ひと言」で返ってきたら、そこに「たとえば?」を重ねてみてください。「お忙しいですね」と返ってきたら「たとえばどんなことで一番お忙しいですか?」と聞く。
それでも沈黙が訪れたら、待ってください。沈黙はお客様が考えている時間です。急いで言葉を埋めようとせず、相手のペースに合わせると、思いがけず深い話が出てきます。
まとめ
営業の雑談が苦手な一人社長へ、話術なしで距離が縮まる質問雑談の3つのコツを解説しました。雑談のコツがつかめたはずです。
雑談は話す時間ではなく、お客様に話してもらう時間。
- お客様の周辺にあるものから入る雑談
- 過去・現在・未来の順に重ねる質問
- 「なるほど」の共感とセットの問いかけ
焦っているだけではどうにもなりません。
まずは目の前のお客様の名刺や社名から、たった一言の質問を投げかけてみましょう。
応援しています。
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