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営業数字を社内説明に渡す材料まで見て翌日を決める

社内説明の材料で見直す営業数字

月末の売上表を開くと、見積5件、受注1件という数字が先に目に入ります。産業用ポンプ修理のように停止時間が関わる商談では、この数字だけで翌日の連絡を決めると催促の文面が強くなります。

設備課長は、申込を渋っているのではなく、生産部へ停止時間をどう説明するかで止まっているかもしれません。数字の横にその事情を書けるかで、営業側の次の動きは大きく変わります。

営業数字を読む時は、足りない件数の横に、相手が社内へ渡す材料を書きます。売上表を責める表にせず、判断支援の表へ変えるためです。

ここでは、架空の産業用ポンプ修理の商談をもとに、未受注案件を社内説明の材料へつなげる見方を整理します。催促、見積、失注、受注後確認を別々に見ていきます。

売上表を見た後、翌日の一手を決めきれない方へ向けた内容です。

  • 営業数字を見ると焦って行動量だけ増やしてしまう方
  • 催促の連絡ばかりになりがちな方
  • 一人社長として数字とお役立ちを両立したい方

売上表を見た後の一呼吸

売上表を見た直後は、営業側の意識が自分へ向きます。今月いくら不足しているか、どの案件を急がせれば売上になるか。考えるほど、目の前のお客様が数字の穴を埋める相手に見えてしまいます。

逆転営業では、売るより先にお役立ちを見ます。数字を無視するという意味ではありません。数字を見た後に、どのお客様のどの判断へ役立てるのかを読み直すという意味です。

売上表を見た後は、相手が社内へ説明する時に足りない材料を一呼吸置いて探します。この見方に変えると、焦りのまま押す営業になりにくくなります。

社内説明まで見る三つの欄

営業数字は、三つの欄に分けて見ます。見積や受注の状況、相手が口にした迷い、社内説明に渡す材料です。どの欄も短い一文で構いません。長い分析より、翌日の連絡で使える形にします。

見積状況だけなら、行動量の話で終わります。相手の迷いを書けば、会話のどこが進んだかが分かります。社内説明の材料まで書けば、翌日に送る一枚や確認する相手が決まります。

営業数字は、売上表、相手の迷い、社内説明の材料を並べると、責める表から助ける表へ変わります。

ポンプ修理相談の振り返り

藤田直人さん(仮名、産業用ポンプ修理業の一人社長)は、工場の排水ポンプ修理を提案していました。月末の数字を見ると、見積提出は5件ありましたが、受注は1件だけでした。以前なら、見積後の催促を増やしていました。

今回は表を、見積状況、相手の迷い、社内で次に見せる材料に分けました。見積5件、受注1件。2件では「予備機がないと止まる」と具体的な困りごとが出ていました。どちらも設備課長が生産部へ停止時間を説明する段階でした。

本人は、催促文を送る代わりに「生産部へ説明しやすいように、停止時間と代替ポンプの扱いを一枚にまとめます」と連絡しました。相手は「その形なら助かります」と返しました。売上表だけなら未受注4件ですが、社内説明の材料が足りない2件が見えました。

このように営業数字は、足りない件数を追うためだけのものではありません。相手が社内で次に説明する内容を探すために使います。

数字不足で押さない境界

数字が足りない時ほど、営業側はクロージングを強めたくなります。しかし、相手がまだ生産停止時間を説明できていないなら、申込書を出しても進みません。

押さない境界は、相手の次動作が決まっているかです。誰に説明するのか、どの資料を見るのか、いつ判断するのか。この三つが見えない時は、契約可否より先に判断材料をそろえます。

数字不足の日ほど、契約を迫る前に、相手が次に何をする段階かを見ます。ここを飛ばすと、営業側の焦りが相手へ伝わります。

相手の変化を見る合図

相手の変化は、はっきりした言葉だけではありません。質問が具体的になった、関係者の名前が出た、使う日付が話題になった、比較先の条件が一つに絞られた。このような合図も数字と一緒に見ます。

たとえば「いくらですか」だけだった相手が、「停止時間は何時間ですか」と聞いたなら、価格から運用へ関心が移っています。「社内で話します」だけだった相手が、「生産部長に見せます」と言ったなら、次動作が具体化しています。

この変化を残すと、数字の意味が変わります。未受注でも、会話が進んでいる案件と、まだ現状が見えていない案件を分けられます。

日次で見る一項目

日次で見る項目を増やしすぎると続きません。まず一項目だけにします。それは、今日の商談で相手の次動作が言葉になったかです。

次動作が言葉になった案件は、翌日の連絡も具体的になります。言葉になっていない案件は、相手が何を待っているのかを聞き直します。数字を見た後にこの一項目を見るだけで、行動量だけの改善から離れられます。

一人社長が毎日見る営業数字は、件数の横に相手の次動作があるかを加えるだけで十分です。まずはそこから整えます。

社内説明へ足す材料欄

売上表の見え方 社内説明に足す材料
見積5件、受注1件 2件は社内説明前、1件は停止時間未整理
失注2件 1件は価格比較、1件は工事日が合わず見送り
商談3件 2件で関係者名が出て、次回の説明先が明確

右側の見方にすると、営業側の次動作が分かります。社内説明前なら説明材料、停止時間未整理なら作業範囲、価格比較なら比較軸を整えます。

数字表へ材料欄を一つ足すだけで、売上管理はお客様の判断支援に近づきます。

フォローアップで読む数字

受注後の数字も見方を変えます。受注件数だけを見て終わると、フォローアップの意味が薄くなります。採用後に何が変わったか、どんな不便が減ったか、誰が助かったかを聞くと、数字は成果確認へつながります。

ポンプ修理なら、停止時間が減った、夜間対応が減った、現場責任者の判断が早くなったなどです。これらを聞くと、次の提案や紹介依頼も売り込みではなくなります。

フォローアップの数字は、売上後の点検ではありません。お客様に起きた変化を一緒に確かめるための材料です。

失注数字の読み直し

失注数字も、落ち込むためだけに見るものではありません。失注した理由を価格、時期、社内説明、使用場面のどれかに分けます。分けるだけで、次の商談で直す箇所が見えます。

価格で失注した案件でも、価格だけが理由とは限りません。相手が生産停止時間を説明できなかったために、安い業者を選んだ可能性もあります。時期で失注した案件でも、次の定期点検前なら再相談の余地があります。

失注数字は、負けた件数ではなく、相手の判断材料がどこで足りなかったかを知る数字として読みます。ここまで読めると、次の商談で先に聞く内容が変わります。

受注前後で比べる変化

受注後は、金額だけでなく前後の変化を比べます。修理前は何に困っていたのか。修理後は誰の作業が楽になったのか。夜間対応は減ったのか。現場責任者の判断時間は短くなったのか。

この前後差を聞くと、数字は売上ではなくお客様の変化として見えます。次の提案でも、同じ変化を求める相手へ話しやすくなります。

前後差を聞く時は、成果を誇る口調にしません。「以前と比べて、現場の判断で変わった点はありますか」と聞きます。相手の答えが次の営業の判断材料になります。

数字を見る時間の決め方

数字を見る時間を商談直前にすると、焦りが会話へ出やすくなります。見込み不足を見た直後に商談へ入ると、相手の話を待てず、契約の話を急ぎやすくなります。

数字を見る時間は、商談前ではなく、商談後か一日の終わりに寄せます。商談前には、相手の現状と最初の問いだけを見ます。数字の不足は大切ですが、目の前の相手に向き合う時間とは分けます。

数字を見る時間を分けるだけでも、営業側の焦りは会話へ入りにくくなります。一人社長ほど、自分で時間の境界を作ると商談が安定します。

数字を見る時間を決めたら、その場で翌日の一手まで書きます。単に未達を見て終えると不安だけが残ります。次に聞く相手、送る判断材料、見送る案件を一つずつ決めて、数字を見る時間を終えます。

翌日の一手まで決めると、数字は自分を追い込む表ではなく、商談を整える表になります。朝に見るのはその一手だけです。売上不足の感情を引きずらず、目の前の相手に役立つ会話へ入りやすくなります。

週一回の見直し手順

毎日見る数字とは別に、週一回だけ流れを見直します。見る順番は、件数、相手の変化、次動作、翌週の一手です。

件数で不足を把握します。相手の変化で、会話が進んだ案件を分けます。次動作で、相手が何をする段階かを見ます。最後に、翌週の一手を一つに絞ります。

週次の見直しで、全部の案件を同じ扱いで追わないようにします。進んでいる案件には判断材料を出し、止まっている案件には現状を聞く。数字の読み方が変わると、動きも変わります。

営業Q&A

営業数字が悪い日は、まず行動量を増やすべきではありませんか?

行動量が足りない時は増やします。ただ、相手の変化を見ないまま増やすと、同じ会話を繰り返します。

回答

件数、相手の変化、次動作を分けて見ます。商談数が少ないなら入口を増やし、相手の次動作が止まっているなら判断材料をそろえます。数字の悪さを一つの原因に決めず、どこで止まったかを読むことが先です。

翌日の連絡を決める数字の読み方

営業数字は、売上表だけで見ると焦りが強くなります。相手が社内へ何を説明する段階かまで読むと、数字は会話を直す材料になります。

産業用ポンプ修理の相談では、未受注4件のうち2件が社内説明前だと分かり、催促ではなく、停止時間と代替ポンプの説明材料をそろえる動きに切り替えられました。営業数字は、売上の不足を責めるためではなく、相手の判断を進める行動を選ぶために使います。

今日の数字を見る時は、売上表の横に相手へ渡す材料を一つだけ書いてください。そこから翌日の一手を決めると、数字管理はお役立ちの行動へつながります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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