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花屋営業は用途と渡す相手から法人注文を整える

法人注文で迷いを減らす用途確認

花屋の法人注文では、花の種類や予算を聞けば提案できそうに見えます。けれど、用途、渡す相手、置く場所が曖昧なまま進めると、納品直前に色や大きさで迷いが出ます。

  • どの場面で使う花なのか
  • 誰から誰に渡す花なのか
  • どこに置かれる花なのか

田村紗季さん(仮名、法人向け花束受注を扱う花屋の一人社長)は、開店祝いの注文で「華やかにお願いします」と言われ、赤系の大きなアレンジを提案しました。後で分かったのは、相手先の受付が狭く、落ち着いた色を望んでいたことでした。花屋営業は、花材より先に用途、渡す相手、置く場所を聞くと、見た目の好みだけに寄らない提案になります。

この記事では、法人向けの開店祝いと退職祝いを例に、用途確認、相手への配慮、納品場所、メッセージカードの聞き方を整理します。高い花をすすめるのではなく、贈る側が安心して決められる営業の進め方です。

  • 予算と花材の話だけで法人注文を受けている方
  • 納品直前に色や大きさの変更が出やすい方
  • 贈る相手に合う提案理由を短く伝えたい方

用途から聞く入口

田村さんは、最初に「ご予算はどれくらいですか」と聞いていました。予算は大事ですが、最初に金額を聞くと、お客様は高いか安いかだけで考えやすくなります。

開店祝いなのか、退職祝いなのか、周年祝いなのか。用途が違えば、ふさわしい大きさ、色、渡すタイミングが変わります。田村さんは、先に「どの場面で、誰から誰に贈るお花ですか」と聞くようにしました。

用途を先に聞くと、花の説明は好みの押しつけではなく、相手に合う理由として伝えられます。お客様も、社内で説明しやすくなります。

用途 先に聞くこと 提案で見る点
開店祝い 入口や受付に置ける広さ 高さと色の強さ
退職祝い 渡す人数と持ち帰り方 重さと花束の大きさ
周年祝い 会社名を出すかどうか 札とメッセージの見え方
お礼 相手が受け取りやすい時間 手入れのしやすさ

渡す相手の場面

花は贈る人の気持ちを表しますが、受け取る人の場所にも合わせます。田村さんは、相手が店舗なのか、事務所なのか、病院なのか、個人宅なのかを分けて聞きました。

相手が店舗なら、入口で通行の邪魔にならない高さを見ます。事務所なら、香りが強すぎないことも大切です。病院や施設では、持ち込み条件の確認が必要になることもあります。

渡す相手の場面を聞くと、花のきれいさに加えて、受け取った後の扱いやすさまで提案できます。法人注文では、この扱いやすさが信頼につながります。

店頭での短い会話

田村さんは、店頭で次のように聞きました。「今回は開店祝いとのことですが、お花は入口に置かれそうですか、それとも受付台に置かれそうですか」と聞きます。担当者は「受付台です」と答えました。

田村さんは続けて、「受付台なら、高さを出すより、横幅を抑えて名札が見える形がよさそうです」と伝えました。ここで初めて、色や花材の話に入ります。

この会話では、花の知識を先に並べていません。相手が置く場面を答えた後で、提案理由を短く添えています。お客様は、自分の注文に合わせた提案だと受け取りやすくなります。

納品場所の確認

法人注文で抜けやすいのが納品場所です。同じビルでも、受付、店舗入口、会議室、イベント会場では動線が違います。田村さんは、納品先の住所だけではなく、建物の中でどこへ置くかを聞きました。

「受付台に置く予定です」と分かれば、奥行きと高さを抑えます。「入口横です」と分かれば、通行の邪魔にならない台付きの形を考えます。置く場所が分かると、花材選びの理由も変わります。

納品場所の確認は、配送都合のためだけではなく、受け取る相手が困らない形を作るために行います。この説明なら、営業側の確認が細かすぎる印象になりません。

メッセージカードの一文

法人注文では、花そのものより、添える言葉で迷う担当者がいます。田村さんは、メッセージカードを最後に急いで聞いていました。そのため、担当者が社内に確認し直す場面が出ていました。

そこで、最初の段階で「会社名を前に出しますか、個人名も入れますか」と聞きます。相手先との関係が近いなら個人名を入れることもあります。会社としての祝いなら、部署名や代表者名だけにする方が自然な場合もあります。

田村さんは、文例を三つ渡すのをやめ、一つだけ提案しました。「御開店おめでとうございます。今後のご発展をお祈り申し上げます」という文です。相手が少し硬いと感じた時だけ、短い言葉へ直しました。

贈る側の社内確認

法人注文では、担当者一人で決めきれない案件もあります。上司、総務、代表者、現場責任者など、見る人が分かれます。田村さんは「どなたが最終確認されますか」と聞きました。

この一問で、提案資料の出し方が変わります。代表者が見るなら、用途と相手先名を前に出します。総務が見るなら、納品時間、請求書、札名を分けます。現場が見るなら、置く場所とサイズを見せます。

確認する人が違う時は、見せる材料を分けます。田村さんは、代表者には贈る意味を前に出します。総務には手配条件を、現場には置き場所を先に見せます。

花材説明の順番

花材の説明は、用途、相手、置く場所が出た後にします。田村さんは「季節の花を使います」だけで終わらせず、なぜその花が合うのかを短く言いました。

たとえば、受付台に置く開店祝いなら、香りが強すぎない花を選びます。退職祝いで持ち帰る花束なら、軽さと水持ちを見ます。周年祝いで写真に残るなら、会社名の札が見える高さにします。

お客様は花の名前をすべて覚える必要はありません。覚えてほしいのは、贈る相手が受け取りやすい理由です。田村さんは花材名を二つまでにし、残りは用途に合う理由で説明しました。

直前変更を減らす読み合わせ

注文の最後には、田村さんが読み合わせをしました。読み合わせるのは、金額、用途、渡す相手、置く場所、札名、納品時間の六項目です。

確認項目 見る内容
金額 税込か送料込みか
用途 祝い、お礼、退職など
渡す相手 会社、個人、部署
置く場所 受付、入口、会場
札名 会社名、部署名、個人名
納品時間 受け取れる時間帯

田村さんは、この六項目を読み上げた後で「変更が出やすいのは札名と納品時間です。ここだけ今日中に社内でご確認ください」と伝えました。相手は、何を確認すればよいか分かります。

読み合わせは、間違い探しではありません。贈る側と受け取る側の両方が困らないように、注文内容を一緒に整える時間です。

予算を聞く前の置き方

予算を聞くこと自体は悪くありません。ただ、予算だけを最初の入口にすると、用途や渡す相手が後回しになります。田村さんは「ご予算の前に、置く場所だけ確認させてください」と言うようにしました。

すると、お客様は金額を守りながらも、なぜその大きさが必要なのかを理解しやすくなります。受付台なら小さめでも印象が残る形にできます。入口横なら、通行を妨げない幅にします。会場なら、写真に残る高さを見ます。

予算の話は、用途と場所が出てからの方が自然です。「この用途なら、札名と納品時間まで含めてこの範囲です」と伝えられます。金額の前に使い方を聞くことで、安い高いだけの比較から離れられます。

予算を聞く前に用途と置く場所を置くと、金額は値段交渉ではなく、贈る場面に合う範囲として話せます。

次回注文につながる確認

法人注文では、同じ会社から次回も依頼が入ります。田村さんは、納品後に「お花はいかがでしたか」とだけ聞いていました。これでは、次に何を直すかが見えません。

納品後の確認では、用途、渡す相手、置く場所の三語を使います。「受付台の大きさは邪魔になりませんでしたか」「札名は見えやすかったですか」「納品時間は受け取りやすかったですか」と聞きます。

相手が「札名はもう少し上でもよかったです」と答えたら、田村さんは次回の注文欄にそのまま残しました。次回は花材より先に、札の高さを確認します。

この積み重ねがあると、次回注文で同じ説明を繰り返さずに済みます。お客様も、前回の気づきを覚えてくれている店だと感じます。花屋営業の信頼は、きれいな商品だけでなく、前回の受け取り方を次に活かすところにも出ます。

次回注文につなげる確認は、追加販売のためではなく、前回の贈り方を次に合わせるための確認です。

写真確認を使う場面

法人注文では、完成写真を送るかどうかも先に決めます。田村さんは、毎回写真を送れば親切だと思っていました。けれど、相手が急いでいる時は、写真確認がかえって判断を増やすこともあります。

写真確認を使うのは、札名、色味、置く場所の三つに迷いがある時です。迷いがない注文では、納品完了の写真だけで十分です。田村さんは「事前確認が必要なのは札名だけですか、色味も見ますか」と聞き、確認範囲を絞りました。

確認範囲が決まると、担当者も社内に回しやすくなります。写真は花の完成度だけでなく、贈る側が相手に失礼がないと安心できる材料として送ります。

営業Q&A

花の種類を先に提案した方が喜ばれませんか?

花の種類を楽しみにしているお客様もいます。ただ、法人注文では、用途や置く場所が合っていないと、どれほどきれいでも使いにくくなります。

回答

まず用途、渡す相手、置く場所を聞きます。その後で、花材を二つまで示し、なぜその場面に合うのかを短く伝えましょう。

贈る理由を一文にする

花屋営業の締めでは、花材名を並べるより、贈る理由を一文にします。田村さんなら「受付台で邪魔にならず、開店祝いの気持ちが会社名と一緒に伝わる形です」と言えます。

用途、渡す相手、置く場所がそろえば、花の提案は売り込みに見えにくくなります。次の法人注文では、予算を聞く前に、どの場面で誰に渡す花なのかを一つ聞いてから提案に入りましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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