
顧客心理を読み解く営業トーク術
営業で成果が出ない本当の理由
「悩みを聞いたのに響かない」「いい提案をしたのに『また今度』で終わる」「押し売りだと思われた」
こうした失敗は、商品やスキルではなく“順序の誤り”から生まれます。
心理の流れを踏まえた会話の順序を知ると、相手は自然に「その提案が欲しい」と思うようになります。
営業は“問題解決業”である
営業の本質は「売ること」ではなく「解決すること」です。
多くの営業マンがやってしまうのは、いきなり「解決法です!」と提案してしまうこと。
でも、お客様自身が問題を整理できていない段階では、抵抗されるのが当然です。
だからこそ一緒に整理するプロセスが欠かせません。
現状 → 欲求 → 解決策 → 提案
この順序で初めて信頼と納得が生まれます。
4ステップの全体像
- 現状を聞く
「今どんな状況ですか?」と丁寧にヒアリングする。 - 欲求を聞く
「どうしていきたいですか?」と未来のイメージを描いてもらう。 - 解決策を聞く
「これまでどんな対応をされてきましたか?」と過去の取り組みを確認する。 - 提案する
「それなら役に立つものがあります」と、整理後に提示する。
この順序を守ると、相手は「理解された→自分の希望に沿っている→だから聞きたい」と自然に心が動きます。
営業現場での実例
ある社長との会話例です。
営業「社員は何人くらいですか?」
社長「20人くらいです」
営業「どんな状況が気になりますか?」
社長「部下がなかなか育たない」
営業「具体的には?」
社長「同じことを何度も言わないと動かない」
営業「どうしていきたいですか?」
社長「言わなくても自発的に動いてほしい」
営業「これまでどんな対応を?」
社長「注意するくらい。でも改善しない」
営業「自然に成長する仕組みがあればどうですか?」
社長「それはぜひ欲しいですね」
営業「実は、その仕組みがあるんです。といいますのも…」
この流れなら、提案は“社長自身が求めている答え”として届きます。
営業以外でも使える万能法
この4ステップは営業以外にも応用できます。
- 部下への指導
いきなり「片付けなさい!」ではなく、現状→欲求→解決策を聞いたうえで「こうしたらもっとやりやすいよ」と提案する。 - 自分自身の課題整理
例:時間管理
現状 → ダラダラ仕事が続く
欲求 → 休憩を切り替えたい
解決策 → 今までは特に対策なし
提案 → タイマーで区切る
俯瞰的に整理することで、大きな問題が小さな行動レベルに変わります。
顧客心理が動く瞬間
お客様の心理が動くのは、「理解してもらえた」と感じた瞬間です。
だからこそ、自分のペースで売り込むのではなく、お客様の言葉で問題を整理してもらう時間が必要です。
一緒に悩みを整理したあとに提案すれば、「まさにそれが欲しかった」と自然に受け入れられます。
これがトップ営業マンが使っている最強の問題解決法です。
まとめ
顧客心理を読み解く営業トーク術の本質は、次の4ステップです。
- 現状を聞く
- 欲求を聞く
- 解決策を聞く
- 提案する
この流れを守るだけで、提案は押し付けではなく「求められる答え」になります。
営業だけでなく、指導や自己改善にも応用できる万能法です。


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