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営業クロージングは契約前に家族に話す言葉を整える

契約書の前に整える説明の言葉

クロージングであと一歩のところまで来たのに、お客様が「家族に話してから」と言うことがあります。営業側は、断られたように感じて焦ります。

この記事は、次のようなクロージング場面に役立ちます。

  • 家族相談が出ると焦ってしまう方
  • 契約書を出すタイミングが早くなりやすい方
  • お客様が家で説明しやすい言葉を一緒に整えたい方

三浦直人さん(仮名、住宅設備のリフォーム相談を担当する営業担当者)は、浴室暖房の提案でこの場面に何度も出会いました。お客様は商品に興味を示していましたが、最後に「妻に話してから決めます」と言いました。

三浦さんは以前、その言葉を保留として受け取り、契約書をもう一度説明していました。工事日、費用、保証、特典期限を重ねて話すほど、お客様の返事は短くなりました。

営業クロージングでは、契約前に家族に話す言葉を整えます。 お客様が家族に何をどう説明するかが見えないままでは、契約書を出しても前に進みにくいです。

この記事では、営業クロージングで家族相談が出た時に、契約を急がず、相手が説明しやすい言葉に整える進め方を解説します。契約前に見るのは、申込意思だけでなく、家族に伝える言葉です。

家族相談を断りと見る焦り

家族に話してから決めたいと言われた瞬間、営業側は失注を想像しがちです。ここで焦ると、説明が増えます。お客様は家族に話す前に、さらに情報を渡される形になります。

三浦さんも、最初は工事日や保証をもう一度説明していました。お客様の不安を減らしたかったからです。ただ、相手は説明不足で止まっていたわけではありませんでした。

お客様が困っていたのは、家族に短く話す言葉です。「浴室暖房を入れたい」と言うだけでは、費用や工事の負担をどう受け取られるか分かりません。

ここで契約書を出すと、お客様は家族に持ち帰る前に迫られているように感じます。クロージングで大事なのは、相手が自分の言葉で判断を話せるかを見ることです。

家族相談は、断りとは限りません。お客様が次に説明する相手を思い浮かべている合図です。その相手に何を伝えるかを一緒に整えます。

契約書を出す前の一問

三浦さんは、契約書を出す前に一問だけ変えました。奥様に今日の話をどの言葉で伝えると話しやすいかを聞いたのです。

お客様は少し考えて、冬の入浴前の寒さを先にやわらげたいという言い方なら話せそうだと答えました。三浦さんは、その生活場面を変えませんでした。

三浦さんは、生活の場面として受け止めました。ここで機能名に直さなかったことが大事です。

浴室暖房、断熱、工事費という言葉は営業側には便利です。けれど、家族に話す時には「冬の入浴前が寒い」という生活の言葉の方が伝わります。

この確認で見えたのは、商品に対する関心ではなく、家庭内で最初に出す話題でした。お客様は性能表を読み上げたいわけではありません。家族が毎晩感じている寒さをどう減らしたいかを、短く話せる状態にしたかったのです。

三浦さんは、ここから費用説明の順番も変えました。最初に金額、次に工事日、最後に保証という並びではなく、冬の入浴前を暖める目的、工事中に困る時間、費用の見方という順番にしました。お客様が選んだ言い方が先にあると、費用や工事日の説明も家族に伝えやすくなります。

お客様が家族に話す言葉は、営業側のきれいな説明より生活に近い言葉で整えます。

急ぎすぎるクロージングの癖

クロージングで急ぎすぎる時、営業側には三つの癖が出ます。契約書を早く出す。特典期限を強く言う。費用の説明を繰り返す。この三つです。

三浦さんは、この三つを全部やっていました。お客様が迷っているほど、情報を足せば安心してもらえると思っていたからです。

けれど、家族に説明する言葉がない相手に情報を足しても、家での会話は楽になりません。むしろ、何から話せばよいか分からなくなります。

三浦さんは、契約書を出す前にチェックする項目を一つに絞りました。お客様が家族に最初に話す一文です。

このチェックを入れると、営業側の焦りも下がります。契約するかどうかをその場で迫るのではなく、家で説明できるかを確かめる会話になるからです。お客様も、今すぐ署名するかどうかではなく、家族に何を話すかを考えられます。

特典期限を伝える場合も、順番を間違えません。期限を先に強く言うと、お客様は急がされていると感じます。家族に話す一文が整った後で、期限は判断材料の一つとして短く添えます。

家族相談が出た時は、契約条件を増やす前に、家で最初に話す一文を確かめます。

この一文が出れば、契約書の説明は短くできます。出なければ、まだ契約書を出す前の確認が足りません。

急ぐ前に見直す癖は、次の三つです。

  • 契約書を早く出す癖
  • 特典期限を強く言う癖
  • 費用の説明を繰り返す癖

家族に話す短い会話例

三浦さんは、契約書に進む前に、家族に話す一文を一緒に確認しました。相手の言葉を使うため、会話は長くありません。

三浦さん「奥様には、今日の話をどの言葉で伝えると話しやすいですか」
お客様「冬の入浴前が寒いから、先に暖められるようにしたい、ですかね」
三浦さん「冬の入浴前が寒いから、先に暖められるようにしたい、という言い方ですね。費用の話は、その後で見た方がよさそうですか」
お客様「はい。まずそこを話したいです」

この会話では、三浦さんは契約を迫っていません。お客様が家族に話す順番を一緒に確認しています。

お客様が出した生活場面は、後の説明でも軸にします。途中で「浴室環境の改善」と言い換えると、家族に話す一文から離れます。

三浦さんは、その後で費用と工事日の説明へ入りました。生活の言葉が先にあるため、契約条件も家族に説明する材料として聞いてもらいやすくなりました。

このロープレで三浦さんが見た反応は、契約書を出した時と違いました。現場では、お客様が費用表を見る前に、家で話す順番を自分で言えるようになったのです。

この会話例で大事なのは、営業側の質問が契約確認ではなく説明準備になっている点です。「契約しますか」と聞く前に、家でどう話すかを聞いています。お客様が自分の言葉を口にできると、営業側は次に何を補えばよいかを落ち着いて選べます。

家で反対される前の確認

家族相談では、家で反対されてから対応するより、反対されそうな点を先に聞く方が自然です。三浦さんは「奥様が気にされそうなのは費用ですか、それとも工事中の使いにくさですか」と聞きました。

お客様は「工事中の使いにくさです」と答えました。ここで、費用の値引きより先に、工事日の過ごし方を説明する必要があると分かりました。

この問いは、相手を誘導するためのものではありません。家族が気にしそうな点をお客様自身に思い出してもらうためのものです。

三浦さんは「工事中の使いにくさですね」と受けました。その後で、工事日に使えない時間、入浴できる時間、連絡先を短く確認しました。

家で反対される点は、営業側が想像だけで決めると外れます。費用だと思って値引きの話をしても、家族が気にしているのは工事中の生活かもしれません。保証だと思って資料を足しても、実際には当日の入浴時間が心配かもしれません。

三浦さんは、反対されそうな点を聞いた後で、その一つだけに説明を絞りました。工事日は半日で終わること、使えない時間は事前に分かること、困った時の連絡先を渡すこと。この三つに絞ると、お客様は家族に話す順番を作りやすくなりました。

契約前に家族に話す言葉が整うと、お客様は持ち帰りやすくなります。持ち帰りやすい状態を作ることは、クロージングを弱めることではありません。お客様が自分で決めるための準備です。

契約前に待つ姿勢

クロージングで待つことは、何もしないことではありません。お客様が感じていることを聞き、考える材料を整え、次に行動できる状態を作ります。

三浦さんは、家族相談が出た時にすぐ契約書を閉じました。そして「では、奥様に話す時に一番伝えたい点だけ、ここで一緒に確認しておきましょう」と言いました。

お客様は安心した表情になり、さきほどの生活の言葉をもう一度話しました。三浦さんはその一文を受け、費用と工事日の見方を短く添えました。

この順番なら、家族相談はお客様が家で判断を進めるための準備の時間です。営業側がここで待てると、お客様も自分の言葉で決めやすくなります。

契約書を出すのは、その後です。お客様が家族に何を話すかを言えた時、契約条件の説明も相手の判断に沿ったものになります。

次のクロージングでは、申込書を出す前に、家族に最初に話す一文を聞いてください。その一文が出たら、契約条件はその言葉に沿って短く確認しましょう。

営業Q&A

「家族に相談します」と言われたらどう返せばよいですか?

契約直前でお客様が持ち帰りたいと言い、営業側が焦りやすい場面です。

回答

まず、家族に今日の話をどの言葉で伝えると話しやすいかを聞きます。家族に話す一文が出ると、費用や工事日の説明もその言葉に沿って整理できます。

契約書はどのタイミングで出せばよいですか?

お客様が前向きに見える一方で、家族説明がまだ見えていない場面です。

回答

お客様が家族に最初に話す一文を言えた後に出します。申込書を早く出すより、家で説明しやすい言葉を整えた方が、納得した判断につながりやすいです。

家で話せる状態づくり

営業クロージングでは、契約書を出す前に家族に話す言葉を整えます。お客様が生活の言葉で説明できると、費用や工事日の確認も受け取りやすくなります。

  • 家族相談を断りと見る焦り
  • 契約書を出す前の一問
  • 家で最初に話す生活の言葉

次のクロージングでは、契約書を出す前に、家族に最初に話す一文をお客様と一緒に整えてください。その答えを軸にして、条件を短く確認しましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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