
営業成約率が上がらない原因とその対策~4つの原因~
なぜこのテーマが重要なのか?
「商品には自信があるのに、なぜか契約に結びつかない」
そんな悩みを抱えている営業パーソンは少なくありません。
成約率が上がらない原因は、実は“営業トークの視点”に潜んでいることが多いのです。
本記事では、4つの典型的な落とし穴と、その対策をロールプレイ形式で解説します。
成約率が上がらない4つの原因
- お客様の本音を引き出せていない
- 断られたときに、すぐ説得モードに入ってしまう
- 相手の話を聞く前に、自分の話を始めてしまう
- お客様の都合や気持ちを尊重していない
つまり、お客様の心がまだ開いていない段階で、こちらが勝手に話し出す──これが最大の失敗原因です。
逆に言えば、お客様の心のドアを開ける“入り口の言葉”が見つかれば、流れはガラッと変わります。
魔法の一言「何かあられたのですか?」
その入り口が、
「何かあられたのですか?」という問いかけです。
もっと砕けた表現だと「何かあったんですか?」ですね。
この一言が、反論対応における突破口になります。
例えばこんなシーン──
お客様:「ウチはもう結構やってるんで」
営業:「いやでも、一度だけでも!」
……ではなく、
営業:「あ、そうなんですね。何か…あったんですか?」
この一言で、お客様が「過去の体験」や「不満」を話し出すことがあります。
そこから本音が見えてきて、信頼関係のベースができるんです。
ロールプレイ実演(失敗パターン)
営業:こんにちは。今回、新しいご提案で伺いました。ぜひ一度お話だけでも…。
お客様:あー、それ、うちもいろいろ取り組んできたんですよ。もう分かってるんで、大丈夫です。
営業:そうですよね。でも、他の会社さんとは違う視点のご提案なんです!ぜひ5分だけでも!
お客様:いや…もう結構です。お忙しい中すみませんね。
営業:あ、いえ…(引き下がる)
このように、相手がこちらを向いていない段階で話し出すと、空振りで終わります。
ロールプレイ実演(改善パターン)
営業:こんにちは。今回、御社にお役立ていただけそうな提案がありまして、お時間いただけたらと。
お客様:あー、そういうのね…実はウチも前に結構やってきてるんで。もう分かってるんですよ。
営業:あ、そうなんですね。何か…あったんですか?
お客様:いや、最初は良かったんだけど、結局社員も飽きてやらなくなっちゃって。
営業:ああ、続かなかったんですね。具体的には、どういうところで止まってしまったんですか?
お客様:うーん…形だけの取り組みになって、成果も出ずじまいで。部下も「またか」って感じで…。
営業:なるほど。そこを“定着”させる工夫が必要だったんですね。もし、そこが改善できる仕組みがあるとしたら…ご興味ありますか?
お客様:…それ、ちょっと聞いてみたいかも。
相手の本音を聞けたことで、話が自然に前へと進みました。
「敬意ある問いかけ」が成約率を変える
「何かあられたのですか?」という言葉は、
相手の事情に耳を傾ける“敬意のある問い”です。
詰問でも説得でもなく、
「背景に何かあるのでは?」というスタンスが、信頼を築きます。
実際、私の講座でこのフレーズを試してもらうと──
- 「言ってみたら、相手が本音を話してくれた!」
- 「営業の空気が一気に変わった」
と感動されることがよくあります。
寄り添いの一言こそが、これからの営業の必須スキルです。
5分後アクション
以下の3ステップを、ぜひ今日から実践してみてください。
- 最近、断られたお客様を思い出してください
- そのとき、「何かあられたのですか?」と聞けていたかを振り返ってみましょう
- 次の商談では、ぜひ勇気を出して使ってみてください
「なんでそう言ったのか?」という理由を聞くだけで、営業の展開は一変します。
よければ、実践してみた感想もコメント欄で教えてください。


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