営業でネガティブキャンペーンをやるメリット・デメリットとは
●質問
営業部署の上司から「顧客が迷ったときはネガティブキャンペーンを打つのも手だ。」と聞きました。
上司曰くネガティブキャンペーンとは、「競合他社の欠点を顧客に吹き込むこと」だそうです。
プレゼンテーションは実施済みで、後日、改めて訪問する予定です。
私個人としてはあまり気が進まないのですが、ネガティブキャンペーンをやるべきなのでしょうか?
●回答
ネガティブキャンペーンをやるべきか迷っておられるのですね。上司から話を振られたら、どうしても気になりますよね。
私個人の意見としてはネガティブキャンペーンに対して消極的です。
私の知人でネガティブキャンペーンをやってうまくいった人もいれば、失敗した人もいました。リターンを取るか、リスクを取るか【賭け】に近いものがあると私は思っています。差が歴然の競合他社であれば明確な違いを打ち出せます。商品サービスが拮抗している場合は要注意です。
【ネガティブキャンペーンのメリット】
- あなたの主張が顧客にぴったりフィットすれば、自社に切り替えられる。
- 競合他社のウイークポイントを適切に指摘できれば、受注確度が高まる。
【ネガティブキャンペーンのデメリット】
- あなたの主張が顧客に理解されず反感を買って競合他社に流れてしまう。
- あなたとの信頼関係が崩れて顧客が提案を聞いてくれなくなる。
仮に、競合他社について顧客が思い入れのあるポイントをあなたが否定したとします。怖いのは根拠が曖昧だったり、誤解を招くような表現だったりして食い違いが起こること。今まで築き上げてきたものが音を立てて崩れていきます。
では、誤解を招かず競合他社に獲られないためには、どのようにすればよいでしょうか。それは商談の中で以下のようなポイントをおさえることです。
【競合他社を阻止するポイント】
- 顧客との人間関係を構築する。
- 現状をありありとあぶり出す。
- 課題を明確にする。
- 差別化ポイントを資料に盛り込む。
そもそもの営業の基礎からきっちり磨き上げていくことで、競合他社が入る余地を抑えられます。
一方で、「上司からネガティブキャンペーンをするように言われている。」「気が進まないが、やらざるを得ない。」「無理やりこじづけてでも受注したい。」という方もおられるでしょう。営業部署の方針に従わなければならないという状況も理解できます。しかし、競合他社が反論してくるため、根拠がないと顧客からの信頼を失いかねません。言い方や、表現に十分気をつけましょう。
下記の情報は営業と直接の関係はありませんが、営業知識として認識しておくと良いでしょう。消費者庁が比較広告についてガイドラインを示しています。
比較広告ガイドラインのポイント
基本的考え方
比較広告が不当表示とならないようにするためには、一般消費者に誤認を与えないようにするため、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
(1)比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること。
(中略)
(2)実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること。
(中略)
(3)比較の方法が公正であること。
引用:消費者庁「比較広告ガイドラインのポイント」
私自身過去に競合他社の欠点を顧客に主張したことがありました。後に顧客が競合他社の営業マンと話し、反論されて私の方が言い負かされてしまったという経験が実際にあります。
諸刃の剣であると捉えて慎重に対応しましょう。
木村まもる(逆転営業アカデミー 売上UPマジシャン)
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