ご質問ご回答Q&A

オンライン商談で声が二重に聞こえる時の対応と会話の再開

聞き取れないまま提案を続けないための段取り

オンライン商談で、自分の声が少し遅れて返ってくる。お客様の声も重なり、何を話しているのか聞き取りにくい。こんな時、声を張って説明を続けても、お互いの話を確かめられません。まずは説明を中断し、聞こえ方を確認しましょう。

声が二重に聞こえた時は、会話を止める一言と、音声を使う端末の確認を先に行います。直った後は、途切れる直前の話を確かめてから本題を再開してください。この記事では、Zoomの公式説明を踏まえ、商談の進行役が何を伝え、どこから話し直すかを紹介します。

こんな人におすすめの記事です。

  • 会議室で同僚と別々のパソコンから商談に参加する方
  • 商談中にスマートフォンを追加して音声がおかしくなった方
  • 設定を直した後に話の続きをどう聞くか迷う方

聞こえ方を確かめるための中断

自分の声が返ってくると、話す速さを保つだけでも苦労します。その状態で商品の条件を説明すると、相手がうなずいていても、どこまで聞き取れたか分かりません。「説明を終えてから直そう」と考えるより、途中で区切るほうが、聞き直す範囲も少なくなるでしょう。

たとえば、「声が重なって聞こえるため、いったん説明を止めます。そちらでも聞き取りにくいでしょうか?」と尋ねます。機器の故障や相手の操作を原因と決めつけず、自分が聞いている状態を伝えるのです。こちらだけの問題なのか、相手も困っているのかを聞くところからはじめましょう。

設定を見る間は、「こちらの音声接続を確認しますので、少々お待ちいただけますか?」と頼みます。無言で画面から目を離れると、お客様は自分の話を聞いてもらえているのか判断できません。確認する人が同席しているなら、進行役はお客様に待ってもらうことを伝え、操作はその人に任せます。

音が重なる症状と、言葉の一部が途切れる症状も分けて受け止めましょう。いずれも聞き取りにくい状態ですが、その場で同じ原因だと決める根拠にはなりません。ここでは、声が遅れて返る、複数の端末から同じ声が流れるといった状態について、音声接続の確認が先です。

同じ部屋で音声を使っている端末の確認

Zoomの公式ヘルプは、音声の反響が起きる原因として、パソコンと電話の両方で音声を使うこと、スピーカー同士が近いこと、同じ会議室で複数のパソコンの音声が有効になっていることを挙げています。まずは、自分たちの会議室にある端末を確認しましょう。

資料を見るために開いた同僚のパソコンや、予備として参加したスマートフォンも確認対象です。進行役の端末だけを見ていると、後から接続した機器を見落としかねません。参加者一覧の名前に加え、その場にいる人に、どの端末から音を出しているか尋ねてください。

同じ会議室で複数の端末を使う場合、Zoomはほかの端末のコンピューターオーディオを切断するよう案内しています。マイクのミュートだけではスピーカーが有効なため、十分ではないという注意もあるのです。マイクのマークが消えたことだけで、音声の接続まで切れたと判断しないようにしましょう。

参考:Managing audio echo in a meeting(Zoom、2026年10月18日確認)

一方、お客様の部屋の機器は、こちらからすべて見えるわけではありません。「そちらの設定が原因です」と決めつける代わりに、まず自分たちの接続を確認したことを伝えます。そのうえで、同じ部屋に音声が有効な端末が複数あるか、確認をお願いしましょう。操作に不慣れな相手なら、次々と設定変更を求めるより、社内の担当者に確認できるかを聞きます。

同席者が途中参加する場面のロープレ

杉山俊介さん(仮名、業務用冷蔵設備の保守契約を提案する営業担当者)の架空のロープレで見てみましょう。杉山さんは事務所から参加し、同じ部屋の技術担当者も、資料を確認するため別のパソコンで途中参加する場面です。

店長「声が二重に聞こえます。点検の回数のところが聞き取れませんでした」

杉山さん「いったん説明を止めます。同じ部屋から接続した端末の音声を確認しますので、少々お待ちいただけますか?」

技術担当者「こちらのパソコンも音声に接続していました。音声接続を切ります」

杉山さん「こちらの声は、いま聞き取れますか?」

店長「はい、聞こえます」

杉山さん「ありがとうございます。点検の回数について、聞き取れなかった部分から説明し直します」

この練習では、機器を操作できたことだけで終えず、お客様が聞き取れると答えるところまで続けます。設定を変えたという事実と、会話を再開できるという確認は別々です。相手役には、直っていない時はそのまま伝えてもらいましょう。

逆転営業のレッスンには、相手に興味・関心をもち、その話をじっくり聞くという考え方があります。トラブル中も、話し終えることを優先するより、お客様が何に困っているかを聞く姿勢が土台です。今回の練習では、同席者の参加後に進行役が説明を中断し、聞こえ方を確かめられたかを一つの確認項目にしてください。

聞き取れなかった箇所からの話し直し

音声が直っても、説明の続きをそのまま話すと、相手は聞き逃した条件を補えません。店長の「点検の回数のところが聞き取れませんでした」という発言なら、点検の回数から話し直します。最初の自己紹介まで戻る必要はなく、聞き取れなかった箇所を起点にするのです。

聞き逃した範囲が分からない時は、「どの説明まで聞き取れましたか?」と尋ねましょう。「全部大丈夫でしたか?」と広く聞くより、再開する場所を決めやすくなります。資料を共有しているなら、いま見ているページや項目名も合わせて確認してください。

とくに、金額、契約の対象、作業の日程を話していた時は、その条件を説明し直してから相手の意向を聞きます。音声の確認に対する「はい」を、商品や契約条件への同意として受け取ることはできません。聞こえたという返事をもらった後に、説明内容について質問があるか確かめます。

お客様が話している途中だった場合は、お客様に続きを話してもらう場面です。「最後に伺えたのは、休日の対応についてのお話でした。続きをお願いできますか?」など、聞き取れた範囲を示して続きを頼みましょう。聞こえなかった発言を推測で補って、返答してしまうのを避けられます。

同席者にも、同じ箇所を伝えておきましょう。進行役だけが事情を理解していても、技術担当者が先のページの説明をはじめれば、お客様は話を追いにくいでしょう。「まず点検の回数から説明します」と一言添えることで、同席者も再開する内容を確かめられます。

その場で直らない時の連絡方法と残り時間

音声接続を確認しても聞き取れない時は、お客様を待たせたまま操作を続ける前に、残り時間を相談します。「この後のお時間はいかがでしょうか?」と尋ね、今日中に確かめたいことと、別の日でもよいことを分けて聞きましょう。

電話への切り替えが認められている会社なら、相手も電話で話せるか、資料を見ながら話せるかを確認します。電話番号が分かっているからと突然かけるより、画面のチャットなど、その時に使える方法で相談してから切り替える順番です。連絡先と利用する方法は、双方が業務で使えるものを選んでください。

電話に切り替えた後、映像や資料が見られなくなった時は、いま何を確認できるかを相手に尋ねます。図面を見なければ答えられない話なら、音声だけで結論を求めず、同じ資料を見られる時に説明する予定にしましょう。連絡方法が変わると、説明できる内容も変わります。

日程を変更するなら、次回の予定と話す内容の確認までが、今回の打ち合わせです。「またご連絡します」だけでは、お客様はいつまで待つか分かりません。予定をその場で決められなければ、候補日を誰がいつ連絡するかを決めると、次の約束を確かめられるでしょう。

商談後のメールには、中断前に確認できた内容と、次回確認する内容を分けて書きます。提案を説明し終えていなければ、採用や契約に合意したような文にはできません。「点検回数の説明は次回に行う予定です」のように、実際にどこまで話したかを伝えてください。

営業Q&A

イヤホンをつければ必ず直りますか?

お客様とのオンライン商談で声が反響したため、急いでイヤホンを接続しました。しかし、お客様からはまだ聞き取りにくいと言われています。買い替えを考える前に何を確認すればよいでしょうか?

回答

必ず直るとは言えません。Zoomは複数の原因を挙げているため、同じ部屋のほかの端末も含めて確認します。イヤホンを使った後に音そのものが聞こえなければ、接続状態と出力先も確認しましょう。音声トラブルに関するZoom公式ヘルプでも、機器の接続、ミュート、音声出力先の確認が案内されています。

本番前は一人で接続を試せば十分ですか?

営業担当者として、開始前に自分のマイクをテストしています。次回は同じ会議室の同僚も別のパソコンから参加する予定ですが、全員で試す時間も確保したほうがよいのでしょうか?

回答

同僚が別の端末で参加する予定なら、その条件でも試しましょう。一人のテストでは、同じ部屋に参加端末が増えた時の聞こえ方を確かめられません。短い返事の伝わり方については、オンライン商談の相づちは聞こえているか? 練習相手と確かめる方法でも紹介しています。

同席者との開始前の打ち合わせ

声が重なる時の接続確認と、聞き取れなかった箇所から話を再開する方法を解説しました。次の商談前には、同席者と音声を使う端末を決めておきましょう。資料を見るための追加参加も含め、本番と同じ接続で互いの声が聞き取れるかを試しておくと安心です。

The following two tabs change content below.
営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

最新記事 by 木村 守(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)

 
営業適正