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日程調整は候補日より確認目的を先にそろえる

候補日の前に目的をそろえる日程調整

「候補日を三つ送ったのに、返事が止まっています」。営業の日程調整では、日付を増やしても相手が動けない場面があります。空き時間だけを問題にすると外します。

相手は日付を選ぶ前に、別の判断を抱えています。次回は何を確認する時間なのか。誰が同席する必要があるのか。どこまで決めるのか。ここが曖昧なままでは、候補日は選びにくいままです。

営業で予定が合わない時は、候補日より確認目的を先に聞きます。目的がそろうと、相手は時間を取る理由を社内で説明しやすくなります。

この記事では、日程調整で候補日を増やす前に、確認目的、参加者、決める範囲を分けて聞く進め方を解説します。日程調整では、空いている日探しより、次回に何を確認するかをそろえます。

候補日を送っても返事が遅い時、日程調整はただの空き時間確認になりがちです。次回面談の目的を短く伝えるだけで、相手は時間を取る理由を社内で説明しやすくなります。

候補日だけが増える連絡

藤田直哉さん(仮名、法人向け防災備蓄品を担当する営業担当者)は、面談の日程が合わないたびに候補日を三つ送っていました。相手が選びやすいと思っていたからです。

日程調整が詰まると、営業側は候補日を増やします。三つで駄目なら五つ。午前が駄目なら午後。相手に選択肢を渡しているつもりでも、返事がないまま時間だけが過ぎます。

藤田さんも、担当者に候補日を送っていました。「来週火曜の午前、木曜の午後、再来週月曜で調整できます」。丁寧な文面でしたが、担当者からは返事が遅れます。

理由は担当者の忙しさだけに限りませんでした。次回の面談で何を確認するのかが曖昧だったため、上司を呼ぶべきか、自分だけでよいのか、三十分で済むのかを判断できなかったのです。

逆転営業では、相手が動きやすい入口をつくります。日程調整でも同じです。まず確認目的をそろえ、その目的に合う参加者と時間を決めます。

一行目に目的を書く

予定が合わない時に最初に直すのは、メールの一行目です。候補日より前に、確認目的を置きます。藤田さんの案件では、防災備蓄品の数量を見たいのか、保管場所を見たいのかが曖昧でした。

確認目的が曖昧なままでは、参加者も決まりません。数量確認だけなら担当者で進められるかもしれません。保管場所を変えるなら、総務責任者や現場担当が必要かもしれません。

決める範囲も日付より先に置きます。次回で全部決めるのか、数量だけ決めて保管場所は持ち帰るのか。ここが分かると、必要な時間も変わります。

日程調整で先に聞くのは、空いている日より、次回に確認する目的です。

目的を聞いた連絡例

藤田さんは、次の連絡で候補日を先に並べませんでした。まず、次回の確認目的を二択にしました。

藤田さん「次回は、数量確認と保管場所のどちらを先に見ますか」
担当者「保管場所です」
藤田さん「保管場所ですね。では、保管場所を見られる方が同席できる日で調整しましょう」

この会話では、保管場所という言葉を後で変えていません。担当者が保管場所と答えたなら、その後も保管場所です。倉庫、置き場、保管スペースと言い換えすぎると、最初の確認目的から離れます。

保管場所が目的になったため、藤田さんは参加者を聞けました。「保管場所を見る場合、総務の方だけでよいですか、現場の方も必要ですか」。担当者は現場の方も必要と答えました。

その後で初めて候補日を出します。「現場の方も必要なら、来週水曜午後と金曜午前ではどちらが合いますか」。この順番なら、候補日は単なる日付を超えて、保管場所を見るための日です。

時間を取る理由が明確になったため、担当者は金曜午前を選びました。

日程メールの文面を短くする

確認目的を先に聞くと、日程メールも短くできます。長い説明で丁寧に見せるより、相手が社内で転送しやすい文面にする方が役立ちます。

藤田さんは、以前のメールで候補日を三つ並べ、最後に「ご都合をお知らせください」と書いていました。今は、確認目的を先に置きます。

件名は「保管場所確認の日程相談」。本文では「次回は保管場所を確認する時間として、現場の方も同席できる日で調整できればと思います」と書きました。

ここでも、保管場所という言葉を変えません。件名、本文、候補日の説明で同じ言葉を使うと、担当者は社内に転送しやすくなります。

日程調整の文面は、礼儀より短さだけを優先する文章と違います。相手が何の時間か一目で分かり、誰を呼べばよいか判断できる形にします。

日程メールは、候補日を並べる前に確認目的を一行で置くと返しやすくなります。

転送しやすい一文に絞る

確認目的、参加者、決める範囲は、相手に送る前に文面で分けます。ただし、本文で三項目を並べる必要はありません。相手が社内で転送するなら、一文で目的が伝わる形に絞ります。

藤田さんなら、「保管場所を確認できる日を、現場の方の同席に合わせて調整します」と書きます。この一文に、保管場所、現場の方、調整する日が入っています。

数量は次回にするなら、別の文で短く添えます。「数量は保管場所を確認した後、在庫表を見ながら合わせます」。この順番なら、相手は転送先に何を頼めばよいか迷いません。

断られた時の次の聞き方

候補日を出しても、相手から「今月は難しいです」と返ることがあります。この時も、すぐ翌月の候補を並べる前に確認目的を扱います。

藤田さんは「承知しました。保管場所の確認だけ先に進めるなら、写真で見る方法と短時間の訪問ではどちらが進めやすいですか」と聞きました。保管場所という確認目的を残したまま、方法を分けたのです。

担当者は「写真で先に見てください」と答えました。藤田さんは、写真で見たい場所を三つに絞りました。棚の幅、搬入口、在庫品の近くです。

日程が合わない時に、面談そのものを諦める必要はありません。確認目的が決まっていれば、写真、電話、短時間訪問など、方法を変えて前に進められます。

ただし、目的を変えないことが条件です。保管場所を確認するなら、写真でも電話でも保管場所を扱います。途中で数量確認まで広げると、また返事が重くなります。

次回面談で決める範囲

日程が決まった後も、決める範囲を確認します。次回で全体を決めるのか、保管場所だけを決めるのか。範囲が曖昧だと、面談当日に話が広がります。

藤田さんは「金曜午前は、保管場所を決める場にします。数量は現場確認後に次回でよいですか」と聞きました。担当者は「数量は次回で大丈夫です」と答えました。

この一言で、金曜午前の面談は保管場所に集中できます。参加者も現場の方を呼べば足ります。数量の決定者が別にいても、当日は無理に呼ばなくてよくなります。

営業で予定が合わない時は、候補日を増やす前に確認目的を聞いてください。目的が決まれば、参加者と決める範囲が決まり、候補日は選びやすくなります。

商談後の記録にも、候補日だけでなく確認目的を残します。保管場所、現場の方、数量は次回。この三つが残っていれば、次の連絡もぶれません。

上司に相談する時も、「日程が合いません」だけでは対策が広がります。「保管場所確認が目的で、現場の方の同席待ちです」と言えれば、写真確認や短時間訪問など具体的な代案を出せます。

社内の予定表にも、単に訪問予定と書かず、保管場所確認と入れます。予定名に確認目的が入るだけで、当日の会話が日付合わせから現場確認へ移ります。

藤田さんは、次回の前日に送る確認文にも同じ言葉を使いました。「明日は保管場所を確認し、数量は次回にします」。相手は面談の準備を迷わずに済みます。営業側も、当日に数量や見積の話を広げすぎず、保管場所を見る時間として進められます。

日程調整は、相手の空き時間を探すだけの作業と違います。相手が社内で時間を取る理由を整える営業活動です。確認目的を先に置くと、予定が合わない時でも次の打ち手が残ります。

藤田さんは、面談後の連絡でも保管場所を先に置きました。「本日は保管場所を確認できました。数量は次回、在庫表を見ながら合わせます」と書いたのです。日程調整の時に目的をそろえていたため、面談後の報告も相手が読みやすい流れになりました。

次の候補日を送る時も、保管場所の確認が終わったことを先に書きます。その後で数量確認の候補日を二つだけ出します。前回と今回の目的が分かれているため、相手は社内で次に呼ぶ人を決めやすくなります。

この流れを続けると、日程調整を毎回のお願いにせず、確認目的を一つ進める連絡にできます。予定が合わない時でも、写真で見る、短時間で見る、次回に分ける、という代案を出しやすくなります。

営業Q&A

候補日は何個くらい送ればよいですか?

相手が選びやすいように、複数候補を出したい場面です。

回答

二つ程度で十分な場合が多いです。ただし、候補日の前に確認目的をそろえます。何を確認する時間かが分かると、少ない候補でも相手は選びやすくなります。

予定が合わない時は電話した方が早いですか?

メールの返事が遅く、直接聞きたくなる場面です。

回答

電話でもメールでも、最初に確認目的を置きます。「保管場所を先に見たいのですが」と目的を言ってから、参加者と決める範囲を聞くと、会話が日付探しだけで終わりにくくなります。

日付より目的を先に聞く

営業で予定が合わない時は、候補日より確認目的を先に聞きます。確認目的、参加者、決める範囲をそろえると、相手は時間を取る理由を社内で説明しやすくなります。

次の日程調整では、候補日を並べる前に「次回は何を先に確認しますか」と聞いてください。目的を一つ決めてから、参加者と決める範囲を合わせましょう。

日付を増やすほど丁寧になるとは限りません。相手が時間を取る理由を短く言える状態にしてから、候補日を二つ出す方が返事は進みやすくなります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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