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文具店営業は法人注文前に使う部署と補充時期を聞く

部署で変わる価格表の見せ方

この記事は、次のような文具店営業の場面に役立ちます。

  • 法人注文で価格比較だけになりやすい方
  • カタログ説明から入って商談が長くなる方
  • 定期注文につながる聞き方を作りたい方

法人のお客様から文具の相談を受けると、販売側はついカタログを広げたくなります。ボールペン、コピー用紙、ファイル、封筒、名札。品数が多いほど、説明できる材料はたくさんあります。

青木航さん(仮名、駅前の文具店で法人注文を担当する店長)は、近隣の税理士事務所から備品注文の相談を受けました。青木さんは売れ筋商品を並べ、単価の安いセットを見せましたが、事務長から「すぐなくなる色だけ困っています」と言われました。

青木さんは最初、在庫数の問題だと思いました。けれど話を聞くと、困っていたのは赤ペンの本数だけではありません。決算期に監査チームが使う部署、月末に補充する時期、急ぎで取りに来る担当者が分かれていたのです。

文具店営業では、商品名より先に、使う部署と補充時期を聞きます。 どこで使うかが分かると、安い商品を並べるだけの商談から、切らさない注文の相談に変わります。

この記事では、文具店が法人注文を受ける時に、カタログ説明の前に聞きたいことを商談の記録に沿って解説します。価格表より先に、使う人の仕事の流れを見る話です。

カタログ説明で止まる理由

文具は品数が多いため、説明を始めると終わりが見えにくくなります。営業側は親切のつもりで候補を出しますが、お客様はどれを選べばよいか迷います。

青木さんも、最初は価格の安いボールペンを何種類も見せました。事務長は聞いていましたが、途中で困っている色の話を出しました。この一言が出た時点で、見るべき場所はカタログではなく使用部署でした。

商品をたくさん見せるほど、相手の判断は価格に寄ります。使う部署と補充時期を先に聞くと、どの商品を見せるかを絞れます。

すぐなくなる色の中身

青木さんは、事務長の一言を削らずに受けました。ここで「在庫管理の問題ですね」と言い換えると、相手の困りごとが少しずれます。

事務長に聞くと、赤ペンは監査チーム、青ペンは入力担当、黒ペンは受付で使っていました。全色を同じ本数で納品すると、赤だけ先になくなり、黒だけ余ります。

法人注文では、商品ごとの数より、使う部署ごとの減り方を聞くと相談が具体的になります。 文具そのものではなく、使われる場面を見るのです。

使用部署を記録する欄

青木さんは、注文書の書き方を変えました。商品名の横に、使用部署を書く小さな欄を作ったのです。現場で見ると、赤ペンなら監査チーム、青ペンなら入力担当、黒ペンなら受付と減り方が分かれていました。

欄を作ると、聞き方も変わります。商品名を聞いた後にすぐ数量へ進まず、「どの部署で一番使いますか」と確認できます。これは長い質問ではありませんが、注文の見方を変えます。

この確認で、赤ペンの単価を比べる前に、監査チームが月末前に足りなくなる流れが見えました。青木さんは、店内のチェックリストにも「商品名の前に使用部署」と一項目だけ足しました。

補充時期の確認

文具の法人注文は、初回に買って終わりではありません。使う部署が分かっても、補充時期を聞かないと、次の注文でまた急ぎになります。

青木さんは、事務長に「いつ足りなくなるか」を聞きました。事務長は「月末の二日前です。チェックが集中するので、そこで赤が一気になくなります」と答えました。青木さんは「月末の二日前ですね」と受け、納品日を月末三日前に合わせる案を出しました。

この確認があると、注文は数量の話だけで終わりません。お客様の仕事が詰まる日を避ける提案に変わります。

青木さんは、納品日の話を出す前に、月末のどの作業で赤ペンを使うのかも聞きました。事務長は、書類の差し戻し確認と押印前のチェックで赤を使うと説明しました。ここまで聞くと、単に赤を多めにする話を越えて、月末前に切らさない段取りの話になります。

さらに、誰が足りないことに気づくのかを聞きました。監査チームのリーダーが気づくのか、それとも受付が買いに走るのかによって、連絡のタイミングが変わるからです。青木さんは、月末五日前に事務長に確認し、三日前に納品する流れを提案しました。

価格表の開き方

使う部署と補充時期が分かってから、青木さんは価格表を開きました。最初に全商品を見せず、赤ペン、青ペン、黒ペンの使う部署ごとに候補を二つだけ出しました。

赤ペンは監査チーム用なので、書きやすさとまとめ買い単価を見ます。青ペンは入力担当用なので、長時間書いても疲れにくい軸を見ます。黒ペンは受付用なので、見た目と補充のしやすさを見ます。

この順番なら、単価だけの比較になりにくくなります。どの部署で使うかが先に出ているため、価格表の見方が相手の仕事に結びつきます。

青木さんは、価格表の横に部署名を置いて説明しました。赤ペンの列には監査チーム、青ペンの列には入力担当、黒ペンの列には受付と書きます。事務長は、安い順だけでなく、使う人ごとに候補を見られるようになりました。

その場で決めなかった商品もあります。受付用の黒ペンは、見た目を気にする人がいるため、次回までに受付担当者に聞いてもらうことにしました。全部を即決にしないことで、事務長は社内に確認する範囲を絞れます。

急ぎ注文を減らす相談

文具店の営業で喜ばれるのは、安い商品を出すことだけではありません。急ぎで取りに来る回数を減らせることも、お客様には大きな価値です。

青木さんの店では、事務長が昼休みに赤ペンだけを買いに来ることが何度もありました。事務長は「毎回、誰かが抜けるのが地味に困ります」と話しました。青木さんは昼休みに人が抜ける負担として受け、月末前の定期納品を提案しました。

この時も、相手の話を「在庫管理の最適化」とは言い換えませんでした。営業側の専門語に変えないと、事務長は自分の仕事の話として聞き続けられます。

急ぎ注文を減らすには、店側の在庫都合だけを話しても伝わりません。お客様の昼休み、来客時間、締め作業の時間と重ねて考える必要があります。青木さんは「買いに来る時間はいつが多いですか」と聞き、昼休みの移動が負担になっていることを確認しました。

その後、青木さんは配達の曜日を固定しました。毎月最終週の火曜に赤と青を確認し、木曜に納品する流れです。文具店側にとっても発注が読みやすくなり、事務所側にとっても誰かが途中で店に寄る回数を減らせます。

次回注文につなぐ確認

初回注文の後、青木さんはすぐ追加販売をしませんでした。納品した文具がどの部署でどれくらい使われたかを聞き、補充時期が合っていたかを確認しました。

事務長は「赤はちょうどよかったです。青は少し余りました」と言いました。青木さんは「赤はちょうどよく、青は少し余ったのですね」と受け、次回は青を減らし、赤の予備を増やしました。

文具店営業は、初回の単価で勝つより、次回の注文が楽になる流れを作る方が続きます。使う部署、補充時期、急ぎ注文。この順に聞くと、法人のお客様は自分の仕事に合った注文として判断できます。

青木さんは、この流れにしてから、カタログ説明の時間が短くなりました。商品を減らしたのではありません。相手が使う部署に関係する商品だけを見せられるようになったためです。

次回確認で大事なのは、足りたかどうかだけを聞かないことです。どの部署で余ったか、どの部署で早く減ったか、急ぎで買い足した商品があったかを聞きます。この三点が分かると、次の注文数を店側だけで決めずに済みます。

青木さんは、注文書の備考欄に部署名と補充時期だけを残しました。長いメモではありません。次に電話を受けたスタッフも、赤は監査チーム、青は入力担当、月末三日前が納品目安だと分かる形です。

法人注文は、担当者が変わると前回の話が切れやすくなります。だからこそ、文具店側が商品名に加えて、使う部署と補充時期を共有しておく意味があります。お客様は同じ説明を何度もせずに済み、店側も提案の起点を戻さずに済みます。

青木さんは、次回の電話で事務長に「前回と同じ赤でよろしいですか」とは聞きませんでした。「監査チームの月末分は、前回の三日前納品で間に合いましたか」と聞きました。商品名から入らないだけで、事務長は前回の仕事の流れを思い出しながら答えられます。

次の法人注文では、商品名を聞く前に、どの部署でいつ足りなくなるかを聞きましょう。 そこが分かると、文具の提案は価格表の説明から、仕事が止まりにくい注文相談に変わります。

営業Q&A

文具店で法人注文を受ける時は何から聞けばよいですか?

お客様が商品名だけをいくつか挙げ、数量がまだ曖昧な場面です。

回答

まず使う部署を聞きましょう。同じ文具でも、監査チーム、受付、入力担当では減り方が違います。部署が分かると数量と補充時期を聞きやすくなります。

安い商品を先に見せた方が喜ばれますか?

価格比較を意識して、最初に安いセットを出したくなる場面です。

回答

先に使う場面を聞きます。安い商品でも、すぐ切れる色や使いにくい型なら仕事の手間が増えます。使用部署と補充時期を聞いた後で価格を見せましょう。

商品前に聞く仕事の流れ

文具店営業の法人注文では、商品名の前に使う部署と補充時期を聞きます。カタログの説明量を増やさなくても、価格だけに寄らない商談を作れます。

  • カタログ説明で止まる理由
  • すぐなくなる色の中身
  • 部署と補充時期から作る次回注文

法人注文を受けたら、商品を並べる前に、どの部署がいつ足りなくなるかを聞いてください。部署と時期が分かると、価格表の見せ方も絞れます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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