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営業で時間が足りない時は最後に聞く確認を一つ決める

終盤に残す確認

商談の終盤で時計を見た瞬間、説明を急いでしまうことがあります。残り五分で機能も価格も事例も伝えたい。そう考えるほど、相手の表情を見る余裕がなくなります。

  • 商談終盤で早口になりやすい方
  • 説明しきれずに次回へつながらない方
  • 時間が短い面談でも確認材料を残したい方

黒田真司さん(仮名、法人研修の提案を担当する営業担当者)は、初回面談の最後でいつも時間が足りなくなっていました。研修内容、費用、実施日、参加人数を説明しているうちに、終了時刻が近づきます。

黒田さんは終盤になると話す速度が上がり、相手の手元にある資料を見なくなっていました。担当者は資料の費用欄に目を止めていたのに、黒田さんは導入事例を追加していました。

営業で時間が足りない時は、最後に聞く確認を一つだけ決めます。 説明を増やすより、相手が次に考える材料を一つ残す方が次回につながります。

この記事では、商談終盤で焦った時に、どの説明を止め、どの確認を残せばよいかを解説します。残り時間を説明で埋めず、次回の入口を作る話です。

時間不足で起きる説明過多

時間が足りない時ほど、営業側は話す量を増やします。残り時間で伝え切ろうとするからです。ところが、相手は情報を受け取り切れません。むしろ、最後に何を考えればよいか分からないまま終わります。

黒田さんも、残り五分になると研修内容の要点を早口で読み上げていました。担当者はうなずいていましたが、資料の費用欄から目が動いていませんでした。

ここで必要なのは、追加説明ではありません。相手が止まっている箇所を一つ見る姿勢です。費用欄なのか、実施日なのか、参加人数なのか。最後に聞く確認を絞れば、終盤の焦りは少し扱いやすくなります。

説明を足すほど、相手が迷っている箇所は見えにくくなります。黒田さんは、残り時間が短い時ほど資料をめくる手を止め、担当者の視線がどこに残っているかを確認しました。

相手の視線と手元

終盤で見るべき非言語は、相手の視線と手元です。黒田さんは以前、相手の表情だけを見ていました。けれど、担当者の迷いは資料のどこを見ているかに出ていました。

担当者が費用欄を見ているなら、残り時間で研修内容を足すより、費用を社内で説明する時の不安を聞きます。日程欄を見ているなら、実施時期や参加者の都合を聞きます。

視線は相手を分析するためではありません。どの確認を最後に置くかを決める材料です。相手の手元を見れば、今どの項目で考えているかの手がかりが出ます。

黒田さんは、相手が資料の同じ箇所を二度見る時に注意しました。費用欄へ戻るなら費用説明、日程欄へ戻るなら実施時期、参加者欄へ戻るなら対象者の範囲です。戻った箇所に合わせると、最後の一問が自然になります。

終盤の焦りを抑えるには、話す速度より、相手が見ている箇所を先に見ます。

最後に聞く確認の決め方

最後の確認は、次回につながるものに絞ります。今日決めるための詰めではなく、相手が社内で考える材料を一つ持ち帰れる確認です。

黒田さんは、終盤の確認を三種類に分けました。費用をどう説明するか、日程をどこに置けるか、参加者に何を伝えるか。この三種類のうち、その場で相手が見ている箇所に近いものだけを聞きます。

担当者が費用欄を見ていた日は、「社内で費用を説明する時に、一番引っかかりそうなのはどこですか」と聞きました。担当者は「効果をどう話すかです」と答えました。

この答えが出れば、次回の提案は費用の再説明では終わりません。効果を社内で話すための材料づくりに進めます。

反対に、相手が日程欄を見ている日に費用の話を続けると、確認はずれます。黒田さんは、最後の一問を自分が聞きたい順番ではなく、相手がいま見ている箇所から選ぶようにしました。

相手が見ている箇所 最後に聞く確認
費用欄 社内で説明しにくい点
日程欄 参加者が集まりやすい時期
研修内容 現場で一番変えたい行動

早口を止める合図

時間が足りない時の早口は、意識だけでは直しにくいです。黒田さんは、残り五分になったら資料を指す手を止めると決めました。手を止めると、口も少し落ち着きます。

そのあと、相手が見ている箇所を一つだけ確認します。資料全体を戻って説明するのではありません。費用欄なら費用欄、日程欄なら日程欄です。

黒田さんは、この合図をロープレでも練習しました。時計を見る、手を止める、相手の手元を見る、最後の確認を一つ聞く。この順番です。話す内容を増やす練習より、本番で焦った時に戻る行動を決めました。

合図を決めると、終了間際の沈黙も怖くなりにくいです。黒田さんは、最後の確認を聞いたあと、担当者が資料を見る時間を数秒待ちました。そこで急いで補足を足さないため、担当者は自分の言葉で迷いを出しやすくなりました。

早口を止める合図は、相手に見せるための演出ではありません。自分の説明を一度止め、相手の判断材料へ視点を戻すための動作です。小さな動作でも、終盤の会話の質は変わります。

終盤の短い会話例

黒田さんは、商談終盤の言い方を短くしました。残り時間を謝るより、相手が見ている箇所に合わせて一つだけ聞きます。

黒田さん「残り時間が少ないので、最後に一つだけ確認させてください。費用欄をご覧になっていましたが、社内で説明しにくい点はどこですか」
担当者「研修効果を数字で言いにくい点です」
黒田さん「研修効果を数字で言いにくい点ですね。次回はそこを一枚にして持ってきます」

この会話では、説明を終わらせていません。けれど、次回の目的ははっきりしました。担当者は、自分が迷っていた箇所を言葉にできました。

黒田さんは、ここで別の事例を足しませんでした。次回までに用意する一枚を決めたことで、商談は途中終了ではなく次回準備へ進みました。

次回へ残す一文

商談終盤で大事なのは、すべてを説明して終えることではありません。次回に何を見るかを一文で残す形です。

黒田さんは、面談後のメールにも同じ一文を使いました。「次回は、研修効果を社内で説明するための一枚を確認します」。これなら、相手も次回の目的を忘れにくくなります。

次回へ残す一文は、営業側の宿題だけでは足りません。相手が何を考えればよいかも入れます。今回なら、費用に対して効果をどう説明するかです。

この一文があると、次回の冒頭も短くなります。前回の最後に出た迷いから始められるため、また最初から研修内容を説明し直す必要がありません。

メールでは、長い議事録よりも一文の位置が大事です。黒田さんは冒頭に次回の確認事項を書き、その下に補足として研修内容を置きました。相手が最初に見る場所へ次回の目的を置くためです。

時間が短い面談の準備

面談時間が短いと分かっている時は、最初から終盤の確認を決めておきます。今日は費用、日程、現場行動のどれを最後に見るか。事前に決めておけば、説明が長くなった時も戻れます。

黒田さんは、30分面談では終盤に費用確認、45分面談では日程確認、初回オンラインでは現場行動確認と決めました。もちろん相手の反応によって変えますが、候補があるだけで焦り方は変わります。

時間が足りない商談で避けたいのは、最後に「またご検討ください」で終えることです。相手は何を検討すればよいか分からないままになります。

次回につなげたいなら、最後に聞く確認を一つだけ残します。費用、日程、現場行動。このどれかに絞ると、相手の迷いは言葉になります。

短い面談では、話す資料も減らします。黒田さんは、最初に見せるページを三枚に絞り、残りは相手の確認に合わせて出すようにしました。資料を全部説明する前提をやめると、終盤に一問を置く余白が残ります。

この準備をしても、予定通りには進まない日があります。その時は、説明できなかった項目を数えるより、最後に相手の迷いを一つ言葉にできたかを振り返ります。次回の入口が残れば、短い商談にも意味が出ます。

黒田さんは、面談前のメモに「最後の一問」と書くようにしました。費用なら社内説明、日程なら参加者の集め方、現場行動なら変えたい場面です。冒頭からこの一問を持っておくと、終盤で急に考え込まずに済みます。

次の商談では、残り五分になったら説明を足す前に、相手が見ている箇所を一つ確認しましょう。 最後の一問が決まると、時間不足の商談でも次回の準備が見えます。

営業Q&A

営業で時間が足りない時は説明を省いてよいですか?

商談終盤で資料の半分しか話せておらず、焦っている場面です。

回答

省くというより、今日の最後に聞く確認を一つに絞ります。相手が見ている箇所を聞き、次回に見る材料を決めれば、説明不足のまま放置せずに済みます。

残り五分で何を聞けば次回につながりますか?

担当者が資料を見たまま考えており、終了時刻が近い場面です。

回答

相手が見ている箇所に合わせます。費用欄なら社内説明、日程欄なら参加者の都合、内容欄なら現場で変えたい行動を聞くと、次回の目的を作りやすくなります。

終盤の一問から作る次回準備

営業で時間が足りない時は、説明を急がず最後に聞く確認を一つ決めます。相手が見ている箇所から聞くと、次回に見る材料が残ります。

  • 時間不足で起きる説明過多
  • 相手の視線と手元の確認
  • 費用、日程、現場行動の絞り込み

次の商談では、残り五分になったら資料説明をいったん止めてください。相手が見ている箇所を確認し、次回に用意する材料を一つ決めましょう。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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