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営業優先順位は急ぎの連絡より判断期限で決める

判断期限から並べる優先順位

営業優先順位を考える時、電話が鳴った順、メールが届いた順、声が大きいお客様の順で動いてしまう日があります。目の前の反応を追うほど、今日判断が必要な商談が後ろへ回ります。

高橋典子さん(仮名、包装資材卸の一人社長)は、既存客の急ぎ連絡に追われて、新規先の見積返答が遅れる悩みを抱えていました。営業優先順位の中身は、作業量の多さより、相手の判断期限を守る順番です。

この記事では、架空の包装資材卸の相談をもとに、急ぎ連絡、判断期限、使用開始日、社内確認の順番を整理します。今日の一件を選べない営業担当者に向けた内容です。

  • 朝から連絡に追われて大事な見積が遅れる方
  • 既存客対応と新規提案の順番を決めにくい方
  • 営業予定を作っても一日の途中で崩れやすい方

急ぎの連絡と判断期限を分ける

急ぎの連絡は、音や通知で分かります。判断期限は、相手がいつまでに社内で決めるかを聞かないと見えません。ここを同じ箱に入れると、先に来た連絡だけが優先されます。

高橋さんは、朝の台帳に二つの欄を作りました。一つは今日返す連絡、もう一つは今日決めてもらう商談です。急ぎ連絡は対応時間を決め、判断期限のある商談は先に一問だけ出します。

優先順位を決める時は、相手の声の強さより、相手が今日止まる理由を先に見ます。これだけで、急ぎに見える連絡と、今日動かすべき商談を分けられます。

朝に見る欄 優先する理由 最初の動き
判断期限 相手の社内決定が今日止まる 確認する一問を送る
使用開始日 納品や導入の逆算が必要 開始日から見積期限を置く
急ぎ連絡 返答しないと不安が残る 返す時間を区切る
保留中 今すぐ動かしても変化が少ない 次の変化日を置く

朝に三件だけ並べる

一日の最初に全部の案件を見ると、優先順位が濁ります。高橋さんは、朝に三件だけ選ぶ形へ変えました。判断期限が今日の一件、使用開始日が近い一件、急ぎ連絡の一件です。

三件に絞ると、午前中に何を終えるかが見えます。午後に別の連絡が来ても、朝に選んだ三件を基準に戻せます。ここで大事なのは、忙しさの量ではなく、止めると相手が困る順番です。

営業優先順位は、仕事を減らす発想と違います。今日止めると相手の判断が遅れる商談を前に出す考え方です。

包装資材卸で起きた順番違い

高橋さんは、飲食店向けのテイクアウト容器を扱っていました。ある朝、既存客から在庫確認の電話が二件入りました。同じ日に、新規の惣菜店から見積返答の期限も来ていました。

以前の高橋さんは、電話が来た順に動きました。在庫確認へ時間を使い、惣菜店への返答は夕方になりました。相手は昼の会議で包装資材を決める予定だったため、見積は翌週へ送られました。

高橋さんは、次から朝の台帳に「昼会議」「週末販売開始」「在庫確認」と書きました。まず惣菜店に「昼の会議で確認したい点は、容器の耐熱と単価のどちらですか」と送り、在庫確認は十時台にまとめました。現場で聞いた会議時刻を台帳の先頭へ置いた形です。

返信待ちを急ぎ扱いにしない

返信が来ていない案件は気になります。ただ、相手側の判断期限がまだ先なら、営業側だけが急いでも話は進みません。急ぐ前に、相手の次の予定を見ます。

高橋さんは、返信待ちの案件に「次に相手が動く日」を入れました。社内会議後、売場責任者の確認後、サンプル到着後のように、相手が答えられる日を置きます。

返信待ちを全部急ぎにすると、今日判断が必要な案件が見えなくなります。待つ案件には、追う日より、相手が答えられる日を残します。

使用開始日から逆算する

包装資材の商談では、使用開始日が優先順位を決めます。来週から新メニューが始まるなら、単価より先に納品日と在庫数を確認します。来月の催事なら、見積の比較時間を残します。

高橋さんは、使用開始日から逆算して、見積期限、サンプル確認日、最終発注日の順に置きました。これで、同じ見積依頼でも、今日返すものと来週返すものが分かれました。

この逆算があると、急ぎの電話にも落ち着いて対応できます。電話を受けながら、朝に選んだ判断期限の案件を後ろへ押し込まなくなります。

お客様の社内予定を聞く

優先順位は営業側の予定だけでは決まりません。相手の会議、棚替え、販売開始、上長確認の予定が分かると、先に動くべき順番が見えます。

高橋さんは、商談の最後に「社内で見る日はいつ頃ですか」と聞くようにしました。これは詰める質問ではありません。相手が答えられる日を知り、無理な追い方を避けるためです。

予定が分からない時は、見積を出した日から機械的に追わず、相手が次に比較する場面を聞きます。お客様の予定を聞くと、営業優先順位は自分の忙しさから離れます。

一行で並べ替える表

高橋さんは、案件名の横に一行だけ理由を書きました。「昼会議で容器比較」「週末の販売予定」「在庫回答だけ」のように短く置きます。長い記録にすると朝に読めないためです。

一行の理由があれば、別の連絡が来ても、どれを先に戻すか判断できます。優先順位表は、今日止めてはいけない商談を見つける表です。

朝の一行が変わると、営業予定は通知順から判断期限順へ移ります。この一行を残すだけでも、午前中の迷いは減ります。

午後の割り込みを戻す基準

午後に新しい連絡が来ると、朝の予定は崩れます。高橋さんは、割り込みを受けた時に、相手の判断期限、使用開始日、在庫切れの有無だけを見ました。

この三つに当てはまらない連絡は、すぐに返す言葉だけ用意し、作業は後ろへ回しました。例えば「本日十六時までに確認します」と返せば、相手を放置せず、午前に選んだ案件へ戻れます。

割り込みを断る前に、判断基準へ戻します。基準があれば、忙しい日でも目の前の音だけで一日が決まりません。

既存客と新規先を同じ表で見ない

既存客は関係性があるため、早く返したくなります。新規先はこれからの売上に関わるため、後回しにすると機会を逃します。二つを同じ表で並べると、感情で順番が変わります。

高橋さんは、既存客は不安を残さない対応、新規先は判断期限を守る対応として分けました。既存客の在庫確認は時間を区切り、新規先の見積返答は社内会議の前に出します。

同じ営業予定の中でも、既存客と新規先では優先する理由が違います。理由を分けると、どちらかを軽く扱うのではなく、それぞれに合う順番を作れます。

夕方に明日の理由を残す

一日の終わりには、終わらなかった案件をそのまま明日へ送らず、明日動かす理由を一行で残します。何が終わらなかったかだけを書くと、翌朝また迷います。

高橋さんは夕方に、「明日は惣菜店へ単価比較の返答」「既存客へ在庫入荷日」「催事先へサンプル到着確認」と書きました。翌朝の優先順位は、前日の未完了ではなく、相手の次の判断から始まりました。

夕方の一行があると、翌朝に台帳を見た時、今日の判断期限がすぐに分かります。営業優先順位は朝だけでなく、前日の終わり方でも決まります。

上司に聞かれる前の準備

一人社長でも、取引先の担当者には上司がいます。担当者が社内で聞かれる前に、営業側が優先して渡す材料を決めておくと、返答の遅れを減らせます。

包装資材の商談では、単価、納期、耐熱、在庫の四つがよく聞かれます。高橋さんは、担当者が社内で聞かれそうな順に並べました。相手が会議で説明する順番を想定すると、営業側の作業順も自然に決まります。

優先順位表は自分の作業整理にとどまりません。相手が社内で止まらないために、どの材料を先に渡すかを決める表にもなります。

翌週の種を消さない

今日の急ぎだけを追うと、翌週に育つ商談が消えます。高橋さんは、今日返す案件とは別に、翌週に比較が始まる案件を一つだけ残しました。

包装資材では、季節メニュー、催事、棚替えのように、来週以降に動く話があります。今すぐ売上にならなくても、相手が社内で考え始める日を逃すと、次の候補に入りません。

高橋さんは、夕方に「翌週の種」として一件だけ台帳へ残しました。今日の判断期限を守った後、明日の午前にその一件へ短い確認を入れます。これで、急ぎ対応だけの一日にならず、次の商談も残ります。

速く返す案件を選び直す

すべての連絡を速く返すことはできません。速く返す案件を選ぶには、返答が遅れた時に相手の仕事が止まるかを見ます。

在庫確認なら、代替品をすぐ出せるかが基準です。見積なら、会議で比較される時刻が基準です。サンプル依頼なら、到着日から逆算します。

速さそのものを目標にすると、営業は消耗します。相手の判断が止まる案件から速く返せば、限られた時間でも優先順位に説明がつきます。

営業Q&A

営業優先順位は毎朝作り直すべきですか?

前日の表を使っても構いませんが、今日の判断期限だけは朝に見直します。

回答

前日と同じ案件でも、相手の会議日、使用開始日、見積期限が変われば順番も変わります。毎朝すべてを作り直すのではなく、今日止めると相手が困る一件を先に選びます。

今日の一件を相手の予定から選ぶ

営業優先順位は、通知の速さで決めると崩れます。判断期限、使用開始日、社内確認、急ぎ連絡を分けると、今日動かす一件が見えます。

高橋さんの例では、朝に三件だけ並べたことで、惣菜店の昼会議に間に合う返答を先に出せました。既存客の在庫確認も止めず、時間を区切って返せました。

明日の朝は、連絡が来た順に動く前に、今日相手が判断する案件を一つ選んでください。その一件が決まると、営業優先順位は一日の途中でも戻せる基準になります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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