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看板制作営業は設置後の見え方から相談を進める

設置後の見え方から始める看板制作営業

看板制作営業では、デザイン案、素材、サイズ、照明、施工日程を早く見せたくなります。相手も看板を作りたいから相談しているので、見た目の案を出す方が商談は進んでいるように見えます。

けれど、初回相談で相手が迷うのは、デザインの好みだけではありません。道路の反対側から読めるか、入口と間違えないか、夜に見えるか、近隣から強すぎる印象に見えないか。看板制作営業は、デザインを出す前に、設置後に誰がどこから見るかを聞くことから始まります。

看板は完成画像だけで判断しにくい商品です。図面では良く見えても、実際の通り、歩く人の目線、車の速度、周囲の明るさで印象が変わります。営業側がここを聞けると、提案は好みの勝負になりにくくなります。

この記事では、看板制作営業の初回相談を、設置後の見え方、判断者への説明、次回確認の三つに分けて整理します。店舗看板制作の架空事例から、デザイン案を急がない進め方を確認します。

デザイン案だけで止まる初回相談

初回相談でデザイン案から入ると、相手は好き嫌いで判断しやすくなります。色が明るい、文字が大きい、ロゴが目立つ。意見は出ますが、実際に設置した後の見え方まで考えられていないことがあります。

店舗看板の場合、見る人は正面からじっくり見てくれるとは限りません。歩きながら、車で通りながら、雨の日に傘を差しながら、隣の店舗の照明と並んだ状態で見ます。商談中の小さな画面と現地での見え方は違います。

営業側がそこを聞かずに案を増やすと、相手は「もう少し考えます」と言いやすくなります。何を基準に選ぶかがないため、案が増えるほど迷いも増えるからです。看板制作の相談では、案の数より、設置後に確かめる視点が先に必要です。

見る人と距離を分ける入口

最初に聞きたいのは、誰がどこから見る看板なのかです。歩行者なのか、車の運転者なのか、近隣の人なのか、既存のお客様なのか。見る人が変わると、文字の大きさ、情報量、照明の強さが変わります。

次に聞くのは距離です。入口の前で見るのか、道路の反対側から見るのか、角を曲がる前に見える必要があるのか。距離を決めないままデザインを話すと、画面ではきれいでも現地で読みにくい案になります。

三つ目は時間帯です。昼だけ見えればよいのか、夜も見える必要があるのか、営業時間外の印象も大事なのか。照明の話は、単なるオプションではなく、見え方の条件として扱います。

見る人、距離、時間帯を先に聞くと、看板の提案は好みではなく判断条件から組み立てられます。この三つがそろうだけで、相手は案を比べやすくなります。

店舗看板相談で変えた順番

佐伯 陸さん(仮名、店舗看板制作業の一人社長)は、初回相談でロゴを大きく見せる案と、メニュー名を入れる案を並べていました。相手の反応は悪くありませんでしたが、次回になると「家族と相談します」で止まることが続いていました。

ある飲食店の相談で、相手は「目立つ方がいいです」と言いました。以前なら、目立つ配色やサイズを追加していました。今回は、目立つのは誰にとってかを聞きました。

営業側: 目立つ看板にしたいのですね。見る人は、初めて来る方と、通りがかりの方のどちらを先に考えたいですか。相手: 通りがかりの方です。営業側: では、店名を読ませることと、入口が分かることなら、どちらを優先したいですか。相手: 入口が分かることです。

この会話で、提案の順番が変わりました。ロゴの大きさより先に、入口の位置、矢印の有無、夜の照明、道路側から見える文字数を確認する流れになりました。相手は家族へ説明する時も、「入口が分かる看板にする」と言いやすくなりました。

現地で見る非言語の差

看板制作営業では、現地で見るべき非言語の差があります。まず、人の目線です。立ち止まる位置、歩く方向、視界に入る高さを見ます。看板だけを見るのではなく、人がどこで顔を上げるかを見ます。

次に、周囲との明るさの差です。隣の店舗が明るい場合、同じ明るさでは埋もれることがあります。反対に住宅地に近い場所では、強すぎる照明が気になる場合もあります。照明は目立たせるためだけでなく、周囲との関係を整えるために見ます。

もう一つは、情報量です。遠くから見る看板に細かい説明を入れると、読めないまま通り過ぎます。近くで見る看板なら、営業時間や入口案内を入れる意味があります。看板はデザインの前に、見る距離と読む時間で情報量を決めます。

数字で伝える見え方の変化

見え方は感覚だけで話すと、相手も判断しにくくなります。そこで、簡単な数字を使います。歩道から約八メートル、車道の反対側から約二十メートル、角を曲がってから入口まで約十秒。この程度の数字でも、案の選び方は変わります。

この相談では、最初の案は店名とメニュー名を両方入れていました。現地で距離を見ると、反対側の歩道から読める文字は店名だけでした。そこで、遠くからは店名、近くでは入口案内、店前ではメニュー説明と役割を分けました。

変更後は、相手の家族会議でも話がまとまりやすくなりました。「目立つ案」では意見が割れますが、「道路側から店名、入口前で案内」という役割なら比べやすいからです。数字は専門的な測量でなくても、判断の目安になります。

このように、見え方の変化を数字で示すと、看板制作営業は感性だけの提案から離れます。相手は好みを話しながらも、見る人と距離に照らして判断できるようになります。

判断者へ説明しやすい提案

店舗看板は、相談者だけで決まらないことがあります。家族、共同経営者、ビルオーナー、現場スタッフに説明が必要になる場合があります。だから、営業側はデザイン案だけでなく、判断者へ伝える一文も用意します。

たとえば、「今回は店名を大きくするための看板です」だけでは、反対意見が出やすいです。「通りがかりの方が入口を見つけやすいよう、道路側から読める文字を店名に絞ります」と言えると、判断者は目的を理解しやすくなります。

説明しやすい提案にするには、案ごとの役割を分けます。案Aは入口の分かりやすさ、案Bは夜の見え方、案Cは既存ロゴとの統一感。このように分けると、単なる好みの投票になりにくいです。

また、相手が持ち帰る資料にも、専門用語を詰め込みません。アルミ複合板、内照式、カッティングシートといった用語は必要ですが、判断者には先に目的を伝えます。目的が分かると、素材の説明も受け取りやすくなります。

次回確認へつなぐ一つの宿題

初回相談の最後には、次回までに確認する宿題を一つだけ決めます。看板制作では、決めることが多いです。ロゴデータ、設置場所、管理会社への確認、電源、工事日程、既存看板の撤去。全部を一度に渡すと、相手は動きにくくなります。

まず決めるのは、見る人と距離に関わる宿題です。道路側から見たいのか、入口前で案内したいのか、夜の視認性を重視するのか。ここが決まらないと、ロゴデータがそろっても案はぶれます。

次回提案では、宿題の結果を冒頭に置きます。「前回は通りがかりの方に入口を見つけてもらうことを優先しました。今日はその条件で二案に絞っています」と伝えます。前回の判断条件が戻るため、相手は提案を受け取りやすくなります。

断られた時も、割引や別案を急がない方がよいです。相手が迷っているのは金額か、設置許可か、見え方の不安かを分けます。ここを聞かずに案を変えると、営業側の労力だけが増えます。

看板制作営業は、目立つ案を作ることだけが仕事ではありません。相手が設置後の見え方を説明でき、関係者が同じ基準で判断できる状態を作ることも大事です。

現地確認では、相手と同じ場所に立つことも有効です。店の入口前だけで話すのではなく、道路の反対側、角を曲がる手前、夜に照明が当たる位置を一緒に見ます。画面上の案では出にくい不安が、その場で言葉になります。

たとえば、相手が「この色の方が好きです」と言った時も、すぐ採用にしません。道路側から見る人に読ませたいのか、入口で雰囲気を伝えたいのかを聞きます。好きな色と見える色は、同じではない場合があります。

また、工事日の不安も初回で分けておきます。営業時間中に作業できるのか、定休日にまとめたいのか、既存看板を外す時間があるのか。設置後の見え方だけでなく、設置する日の負担も判断材料になります。

この確認をしておくと、次回提案で相手は完成イメージだけを見ません。どこから見えるか、誰に説明するか、工事日に何を止めるかまで一緒に見られます。看板の営業は、完成前から設置後の現実を想像しやすくする仕事です。

相手が即決しない場合も、理由を一つに分けます。家族に見せたい、ビル所有者に確認したい、費用を調整したい、今の看板との違いを比べたい。理由が分かれば、次回までに出す資料は多くなくて済みます。

次の相談では、デザイン案を増やす前に、誰がどこから見る看板なのかを一つ聞いてください。見る人、距離、時間帯をそろえてから案を出す。この順番が、看板制作営業を好みの比較から、設置後の判断を助ける相談へ変えていきます。

営業Q&A

デザイン案を早く見せないと、相手の興味が下がりませんか?

回答

案を見せることは大切です。ただし、見る人や距離を聞かないまま案を出すと、好みだけで迷いやすくなります。先に設置後の見え方を一つ聞き、その条件に合う案として見せる方が、相手は判断しやすくなります。

見え方から整える看板制作営業

看板制作営業では、デザイン案の数より、設置後に誰がどこから見るかを先に聞くことが大切です。見る人、距離、時間帯が分かると、文字量、照明、案の役割を分けられます。

初回相談では、好みの確認だけでなく、判断者へ説明しやすい一文を作ります。現地の距離や見え方を簡単な数字で示すと、相手は感覚だけでなく条件から比べられます。

次の看板相談では、案を増やす前に「誰がどこから見る看板ですか」と聞いてください。設置後の見え方をそろえてから提案する。この流れが、看板制作営業を選ばせる説明から、決めやすい相談へ変えていきます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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