売上安定のカギは「顧客信頼残高」にあり

売上安定のカギは「顧客信頼残高」にあり

背景と課題感

営業で成果が出ない多くの人は、商品やスキルではなく「信頼残高」が不足しています。
信頼を貯めることこそが、売上を安定させる本当のカギなのです。

目先の売上を追うな。信頼残高を増やせ

目先の売上を追うのではなく、“お客様のお役立ち”を第一にすることで信頼残高が積み上がります。
信頼が貯まるほど、売上は自然と安定していくからです。

まず、お客様がどんなことを望んでいるのかを聞く。
欲求やニーズを聞き、それに対してどんな対策をしているのかを聞く。

そこから、自分の商品のどこが役立つかを見つけ出す。
役立つと分かったら、それを丁寧に伝える。
すると自然とお客様は納得して購入してくださるようになります。

一方で「売上を上げたい」と焦る営業は、「この商品はすごい!」と売り込みに走りがちです。
しかし、売り込むのではなく、役立つために聴く。
ここに営業の本質があります。

信頼を失う営業と、貯める営業の違い

自社商品が役立たないと分かったら、あえて「売らない」。
売上だけを追う営業は信頼残高を減らし、結果的に売れなくなります。

もし相手のニーズが自社の商品に合わないなら、無理に売ってはいけません。
それはクレームやキャンセルにつながり、信頼を失う原因になります。

お役立ちを目的に質問し、本当に役立つと確信できたら自信を持って提案する。
その結果、喜ばれ、感謝され、紹介が増える。
この流れこそが「信頼残高を積み上げる営業」です。

「売ろう」とするほど、信頼は減る

焦りは“自分目線営業”を生み、信頼残高を減らします。
お客様が求めているのは「売り込み」ではなく「関心」です。

「売上がないから売らなきゃ」と焦ると、相手の気持ちよりも自分の数字を優先してしまう。
すると成果が出ず、断られて落ち込み、また同じ失敗を繰り返すことになります。

逆に、「お役立ち」を意識した営業は違います。
「今、どんなことを考えていらっしゃるんですか?」
「どんなことを望まれているんですか?」
と、相手を理解するための質問から始める。

“売る前に聞く”――それが信頼を育てる営業の第一歩です。

信頼残高を増やす「日々の意識づけ」

毎朝「お役立ち営業の誓い」を立てることで、信頼が積み上がります。
理念を持つことで、無意識の“売り込み営業”に戻らなくなるのです。

お客様に「説明して」と言われた時、すぐに話し始めるのではなく、
「それはなぜですか?」「どんなことを望まれているんですか?」と質問を重ねる。
この姿勢が自然に出てくるようでなければ、まだ“売り込み癖”が残っています。

毎朝こう唱えてみましょう。
「今日もお役立ちのために営業に出よう。」
「この地域社会のために、私たちはこの商品・サービスで貢献する。」

この理念を忘れないことで、信頼残高は日々積み重なっていきます。

信頼が売上を生み続ける

信頼残高を増やす営業こそ、売上を長期的に安定させます。
信頼があるから紹介が生まれ、再契約が増え、感謝が循環するのです。

「お役立ちのために営業をする」のか、「自分のために営業をする」のか。
この違いが、成果を分けます。

毎朝こう自分に言い聞かせてください。
「今日もお役立ちのために営業をしよう。お客様に喜んでいただこう。」
「そのために、欲求・ニーズを引き出して提案しよう。」

私自身も、自分のために営業していた時期は成果が上がっても苦しかった。
しかし、お客様のために動いた時――成績も信頼も上がり続けたのです。

信頼が売上を生み、感謝が信頼を育てる。
これが、営業を一生の誇りに変える成功サイクルです。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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