
お施主様の考えが変わってしまう…そのズレにどう対応すべきか?
● 質問
見学会でお会いした時と、打ち合わせが進んでからでは、お施主様のご要望や考え方に変化が出てくることがあります。私の会社はプランを早い段階から提示するスタイルの営業をしています。家づくりの知識が深まっていく中で、最初にヒアリングした内容とズレが出てしまうこともあり、どう対応すべきか悩むことがあります。何か良い方法はあるでしょうか?
● 回答
打ち合わせが進むにつれて、お施主様の要望や考え方にズレが出てしまう…。
住宅営業ではよくある悩みです。
特に、プランを早い段階から提示するスタイルの営業をしていると、最初のヒアリングと実際の要望にギャップが生じてしまうことがあります。
そんなとき、どのように対応すれば良いのでしょうか?
対策①:対面打ち合わせの前に「15分間の電話」をお約束する
お施主様との対面打ち合わせの前に、15分間だけ電話する時間を確保するのがオススメです。
見学会に来ていただいてプラン提示の対面打ち合わせのお約束ができたら次のように投げかけます。
「家づくりについて情報収集されるなかで、こうしたい!とお気持ちの変化があるお客様がほとんどなんです。なので、いつも事前にお電話で最新のお気持ちをお聞きしてプランに反映させています。次回のお打ち合わせの前に一度15分ほどお電話させていただきたいので、ご都合をお聞かせいただけますか?」
さらに次のような形でご夫婦そろってお話できるとより理想にマッチしたプランをつくれると私は思います。
「ご夫婦ご一緒にお電話のスピーカーなどでお話できるとうれしいです」
目的は、「最新のご要望を確認し、図面のズレを防ぐこと」です。
この電話で確認すべきことは、たったひとつ。
- 「その後はどうですか?何か気になること、増えていませんか?」
この問いかけだけでも、「実は…」と話し始めてくださる方は意外と多いです。
家づくりは、SNSやブログ・カタログ、家族の会話を通して気持ちが変化するのが普通です。「やっぱり収納をもっと増やしたい」「吹き抜けにしたい」といった気持ちの変化が出るのは当然です。
そのまま打ち合わせ当日を迎えると、「え?前回と言っていることが違う…」というズレが起きやすく、図面修正が何度も発生してしまいます。
対策②:電話してから図面を引く
「電話のあとに図面を描く」という順番を徹底するだけで、営業の質や効率がグッと上がります。
先に図面を引いてしまうと、聞き直し→修正→再提出…という負のループに入りがちです。
逆に、事前に方向性を共有してから図面を作れば、お施主様の現時点の気持ちにフィットした提案ができます。
実際に、「前よりイメージが具体的になってきました」と言っていただけることも増えます。
実例:私自身の家づくりのときも意見が変わりました
私自身が家を建てたとき、当初は「子ども部屋を3つ」という希望でした。
しかし打ち合わせが進むにつれて、「やっぱりウォークインクローゼットを作りたい」という気持ちに変化。
結果として、図面を引き直してもらうことになりましたが、これも事前に共有できていればもっとスムーズだったはずです。
変化が起こるのは当然。それを前提に準備することが大切だと、あらためて実感しました。
まとめ:提案は「前回」ではなく「今の気持ち」に合わせる
お施主様の考えが変わるのは、当たり前であり、前向きな変化です。
だからこそ、提案のタイミングでは“最新の気持ち”を確認することが、お施主様のためであり、効率アップできて、営業の質を高める近道です。
図面作成の順番やちょっとした電話の工夫で、関係性も仕事の進行も驚くほどスムーズになりますよ。


最新記事 by 木村まもる(逆転営業アカデミー 営業スキルUPコンサルタント) (全て見る)
- 押し売り営業から卒業!感謝される提案術 - 2025年7月11日
- お施主様の考えが変わってしまう…そのズレにどう対応すべきか? - 2025年7月10日
- 【危険】営業トークが売れない原因3選 - 2025年6月30日