無口な営業

無口な人が営業で成功するためのたった一つのアイデア

無口なあなたが営業で成功するためのアイデアやテクニックについてお話しします。無口に近い言葉は、内向的、内気、物静か、口下手、寡黙など。営業はおしゃべりなイメージがありますが、成功する営業はその逆。一つひとつ解説します。

無口でしゃべらない人がハマる落とし穴

営業になったのに無口

無口な人
営業になったあなたは実をいうと無口。「私だけが無口」と思ってしまいがちですが、決してそうではありません。私が今まで見てきた営業の中でも「自分が無口だ。」という方は多いです。実は私自身もその中の一人。人と話すのは苦手な方で、自分から話すのはもってのほか。ポイントをおさえるだけで今では営業を人に教えられる立場に。無口でも営業で成功することはできるのです。

自分を責めてしまう

無口でしゃべらない人がハマる落とし穴は「自分を責めてしまう」こと。誰に言われたわけでもないのに、自分が無口であることを責め続けるのです。その背景には、「営業はしゃべるのが仕事だ。」という固定概念が見て取れます。その考え方自体が落とし穴にズルズルとハマってしまうポイント。「営業はしゃべるのが仕事ではない。」のです。無口であることを強みに変えられる。表面上のことを言っているのではなく本質的な話です。自分を責める必要は一切ありません。

無口で内向的(内向型)の営業がツラい(辛い)理由

しゃべれる営業マンと比較する

比較する天秤
自分以外の人と比較して落ち込んだり、つらさから逃れられないケース。とくに職場でも陽気にしゃべり、成績のよい営業マンと自分を比較してしまう。無口な営業あるあるです。その営業マンから何か言われたわけでもないのに、勝手に落ち込む。他の同僚から「〇〇さんと比べてあなたは無口だから出来ない。」と言われてもいません。営業は人それぞれですから、人と比べる必要はないのです。

もといた部署の自分の成績と比較する

別の部署から営業部署に異動になった場合によくあるケースです。もといた部署では無口でも成績を出して通用していたあなた。営業部署に来て無口な自分の不甲斐なさを感じ、「もとの部署に戻りたい。」と願う。以前の自分と今の自分を比べてしまうのです。「営業は無口だと勤まらない。」という先入観を持っているからでしょう。過去の自分と比べて落ち込んでも前には進めません。

無口で内気な性格をなおすべきか?

無口で内気な性格は、おしゃべりで明るい性格に変わるのか

明るい性格
「三つ子の魂百まで」ということわざ。幼少期からの性格や性質は成人になっても大きくは変わらないという例えです。私が今まで見てきた数多くの営業マンの中でも同様。無口で内気な性格の営業マンは、幼少期も口数が少なかったといいます。あなたが営業部署に配属されたからといって、一気に性格を変えられるでしょうか?言葉遣いや態度のところどころに性格はにじみ出てくるもの。ムリをするとストレスになって結果的に長く持たない可能性があります。性格を変えようとする必要はありません。

あなた自身をうまく乗りこなす

無口で寡黙なあなた自身のハンドルを握るのはあなた。性格を分かった上で操縦席に座ったあなたが、うまく乗りこなすのです。どう乗りこなすとよいのか、そのポイントを知るだけ。想像してみてください。巨大なロボットが、歩くスピードや、使えるワザを知らないと敵ロボットを倒せないのと同じ。自分自身を知って、対処法を知ることです。

無口や口下手を強みにできるのか?

欠点を強みに変える
無口や口下手を強みにできるのでしょうか?答えは「イエス」。無口や口下手は裏を返せば営業で強みになります。営業は人間関係や信頼関係をつくることがポイントだからです。

昨今は情報化社会といわれ、スマートフォンは世代を問わず浸透しました。インターネットを開くと広告や詐欺まがいのうたい文句が横行。消費者は「どの情報が正しいのか?」「何が自分に合っているのか?」と迷っています。

携帯電話インターネット普及率の推移
1990年代から 2000年にかけて、情報通信技術が急速に発展し、いわゆる情報化が進んだ。インターネットの普及により、大量の情報が瞬時に入手できる環境が整備され、携帯電話は、今や生活に欠かせない通信手段となるなど、情報化は産業社会のみならず家庭や個人のライフスタイルにも大きな変化をもたらし、さらには、人々の働き方にも大きな変化をもたらした。
出典:厚生労働省 情報化と社会の変化 

無口な営業マンは聞き手にまわれる

聞き手に回る無口な営業マン
無口や口下手な営業マンは、自ら多くを語ろうとしません。しゃべりすぎないからこそ聞き手に回れる。顧客に情報を押し込まないので、警戒心を持たれません。相手の話をじっくり聞いて「必要だ。」と感じてから提案する。営業本来のあるべき姿です。

山登りで険しい崖や熊が出るポイントをあらかじめ知っておけば、少ない労力で最短距離でゴールに行けるのと同じ。

営業マンだからしゃべらなくては、とペラペラしゃべると逆に信頼を損ねます。信頼を損ねてしまうと、商品説明の場に顧客が応じてくれません。売上がみるみる上がらなくなってしまい、自分の首がしまる最悪の結果になります。

無口で物静かな人にオススメのアイスブレイク

アイスブレイク

話しやすいことから

商談の席に着くと冷や汗をかきながら「何から話そうか」と考えてしまいがち。アイスブレイクとは、雑談でその場を和ませる話のこと。無口で物静かな人には次のようなアイスブレイクがオススメです。

名刺を活用する

名刺
商談ではお互いにご挨拶と名刺交換をします。名刺には顧客の情報がびっしり。名刺から話題を拾うのです。「お名前は何とお読みするのですか?」「こちらには何年くらいお勤めですか?」など。名前の読み方を聞くのは失礼だと思う人もいるでしょう。そんなことありません。珍しい名前であれば「この地域に多い名前でして」と話題も広がるでしょう。私は今までお名前を聞いて怒られたことはありません。「勤続年数を聞くことで嫌がられないか」気にされる方もいるでしょう。私の経験上、嫌がられることはなくお答えしてくださる顧客ばかりです。他にも名刺にはアイスブレイクのヒントが満載。あなたができるところからやるとよいでしょう。

目についたものを活用する

エントランスホール
顧客の玄関ホールに置かれているものを話題にするのも一つの手。会社や事業に関するものがよく置かれているからです。ある会社では玄関ホールにさまざま顔の小さなフィギュアが100体以上置かれていました。商談の冒頭で顧客に聞いたところ「会社を盛り上げるために従業員一人ひとりの人形を作った。」という話題に。顧客の会社の雰囲気もこちらに伝わってきてスムーズな商談になりました。

商談先に向かうまでのルートに話題になるポイントが落ちていることもあります。見た目の変わったオブジェかもしれません。訪問先の周辺を散策してみると飲食店の話題が見つかるかも。顧客がどうやって通勤しているのかルートを聞いてみるのもよいでしょう。

「どれを話題にしたらよい?」の対処法

「どれを話題にしたらいいかわからない」という方もおられるでしょう。ひとつかふたつ話題を振ってみて、反応を見るとよいでしょう。すべてによい反応が得られるとはじめから思わないこと。顧客との心の距離を近づける一つの方法と捉えてみましょう。

ポイントは商談に入る前にどの話題から振るかを決めておくだけ。決めておかないとその場で考えて焦って失敗するパターンになってしまいます。「外れてもいいや」という感覚でも大丈夫。外れたら外れたなりの話題になります。

無口な人は「相手が主役」ができる

商談
アイスブレイクで大切なポイントは「顧客が主役」。あなたが主役の話題に顧客は興味を示さない可能性があるから。「先日、伊豆に山登りに行きまして、素晴らしい景色でした。」などと話しても顧客は興味なし。顧客が主語になるような話題を振ると、答えやすいので反応が得られます。無口な人は「相手(顧客)が主役」が普段からできているはず。アイスブレイクはポイントを押さえれば無口な人の方が得意と言えます。素朴な質問で構いません。ムリして明るく振る舞う必要もありません。

できる営業マンも意外と無口なのか

職場ではおしゃべり。商談ではしゃべらない。

おしゃべり話題
職場の人間関係を良くするために、雑談で職場を盛り上げる人。職場では自分から積極的に話しているような人でも、商談ではしゃべらないことがあります。私のかつての先輩は、職場で明るく誰に対しても話しかけるタイプ。きっと顧客とも持ち前の明るさとしゃべりでリードするのかなと思っていました。同行してみたところ結果は正反対。そこにはじっくりと顧客の話に耳を傾ける姿が。ポツポツと顧客に質問を投げかけるだけ。商談が進み成約に至りました。顧客の話をしっかり聞けているので、提案は的確。スッと入っていくのです。

できる営業マンも家に帰ると無口!?

部下や同僚のモチベーションを確認するために、クスッとツボに入るような話を振る人。職場でも商談でも論理的に話し、商談をリードする先輩のお話です。その先輩と飲みに行くことがあり、「実は家に帰っても犬の世話をするだけ。趣味はなくボーっとテレビを見て休日を過ごす。実は普段は無口なんだ。」と。衝撃を受けました。彼はできる営業マンの役を演じていたのです。裏返すと無口な人でもできる営業マンになれるのです。

営業Q&A

●質問1【無口なので沈黙になってしまいます。】

困っているビジネスマン
営業になってまだ駆け出しです。無口な性格が露骨に営業に出ています。

普段から人と話すことは苦手で、黙々と作業するタイプ。
「寡黙な人だね。」とよく言われます。

商談の現場では、沈黙がたびたび起こります。
とくに顧客が質問に答えてくれるまでの時間が不安。

無口な性格はどうしようもないので困っています。
沈黙をどう乗り切ればよいでしょうか?

●回答1

沈黙にもいろいろなパターンがあります。

  • あなたが答えに詰まる。
  • あなたが質問できない。
  • 顧客がこたえられない。
  • 顧客が話してくれない。
  • 顧客がこたえるのを待っている。

あなたは顧客がこたえるのを待っている時間が不安なのですね。

顧客はじっくりと考えてあなたに答えたいと思っているはずから心配は要りません。あなたはよい質問をしているのではないかと私は思います。顧客はイメージを膨らませ、どのように答えればいいか考えている。その時間は沈黙とはいえ商談にとって大切な要素です。無口であっても無口でなくても沈黙は恐れるものではありません。

「沈黙が耐えられないので話して埋めたい。」という人もいるでしょう。顧客が商談の世界に入り込んでもらうためにじっと待ってみるのは一つの有効な方法です。沈黙=悪いという思考を切り替えてみましょう。

沈黙を乗り越えることで、顧客が気づきを得られることがあるはずです。

●質問2【無口で人見知り。営業でおもしろい話ができません。】

悩む営業マン
私は営業に配属されたばかりの新人です。職場ではベテランですが営業ははじめて。
どちらかというと無口で人見知りなタイプです。

営業はおもしろい話ができないと顧客とよい関係ができないと先輩から聞きました。
クスッと笑えるような自虐ネタを考えたりしていますが苦痛です。

おもしろい話ができないと営業としてやっていけないでしょうか?

●回答2

営業がおもしろい話ができないと顧客とよい関係ができない先輩から言われるとそう思ってしまいますよね。

営業でムリにおもしろい話をする必要はないと思います。
とくに自虐ネタを考えているのはなおさらです。

雑談であっても主役は顧客です。ここをはき違えないようにしましょう。
過去の私の後輩の営業マンで「自分の眼鏡が青いこと」を自虐的に顧客に伝えて笑いを取ろうとしている人がいました。商談で実践してもあえなく失敗。

顧客のホームページ、名刺、オフィスなど会話のきっかけを顧客主役の視点で探してみましょう。顧客が主役にならないと、あなたが主役の話に誰も興味を持ってもらえません。「先週家族旅行に行ってきた。温泉がとても気持ち良かったです。」と話したところで「あっそうですか。」で終わってしまいます。極端な例ですが、同じようなことが営業の現場ではよく起こっているのです。

視点を少し変えるだけで商談の滑り出しがスムーズになるはずです。顧客に興味関心を持てば、顧客にとっては面白い話になるかもしれません。

●質問3【無口な私が営業としてやっていけますか?】

ビジネスパーソン
私は小さいころから無口なほうで友達ともあまりなじめないほうでした。
楽しそうに会話をしているのをうらやましいとは思いつつも自分からは話しかけないタイプです。

いま営業職で欠員が出ていると上司から話がありました。私はいまは事務職ですが、営業職に配置転換されることがほぼ決まりました。

正直、無口な私が営業としてやっていけるのか気がかりですし、うまくやっていけるか不安です。
こんな私でも成功できる方法などあればアドバイスお願いします。

●回答3

あなたはご自身が無口だと感じてらっしゃって営業に対して不安や気がかりな気持ちでおられるのですね。
口数が少ない方が営業になるのは、はたしてやっていけるのか気がかりになってしまいますよね。
普段から友人や顧客とお話しているわけではないですものね。

大丈夫です。
無口な方が営業になったほうがうまくいくことがあります。
口数が少ない分、顧客の話をしっかり聞けるんですよね。

あなたはじっくりとお話を聞きます。本当にあなたが伝えたい、役に立つ、教えてあげたいことを言葉にするはず。
口数が少ない分、顧客にしっかりと伝わることがあるのです。顧客にとって、大切な言葉のように感じるもの。

無口という表現を言い換えて、顧客に耳を傾けられる、と認識出来れば見え方が変わりますよ。

顧客の声に耳を傾けて、ニーズに向かって、口数少なくてもいいので話していくことで成功に繋がっていきますよ。応援しています。

まとめ

無口な人が営業でやっていけるのか、さまざまな視点から見ていきました。いかがでしたか。無口や内向的な性格を強みに変えて、営業として成功することは出来るのです。営業の商談の流れをつかめれば、よりよい成果があげられるでしょう。あなた自身の性格や傾向を理解することも営業として成功する第一歩です。無料の営業の診断テストであなたの性格や傾向を知ってみることをオススメします。

営業適正診断

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2003年、22歳から営業マンとして18年経験。2017年の配置転換を機に営業ノウハウを体系化。1000件以上の顧客との商談実績。500人以上の営業相談に応じてきた実績。無形商材・有形商材の営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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