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営業で質問を受けた時は、答えられる条件と未確認の条件を分けて伝える

サイズ交換の可否を聞かれた場面

商談中にお客様から「利用をはじめてからサイズを替えられますか?」と聞かれました。営業担当者が「替えられます」と答えると、いつでも無償で交換できると受け取られるかもしれません。実際には、契約中のプラン、交換する理由、在庫の状況によって案内が変わる商品があります。答えを急ぐほど、必要な条件を言い落としやすくなります。

質問には、今確認できる範囲から答えます。資料で確かめたことは明確に伝え、契約によって変わることには条件を添え、手元で分からないことは確認先と返答時刻を示します。お客様が聞きたいのは、営業担当者の自信ではなく、自分の契約でどう扱われるかです。

こんな人におすすめの記事です。

  • 「できます」と答えた後で、費用や在庫の条件が気になった経験
  • 分からない点を、確認先とともに伝える言い方
  • 資料にない条件を聞かれた時の返し方

これから一つひとつ見ていきましょう。

返答に必要な契約の前提

「交換できますか?」という問いには、何を、いつ、どの契約で交換するのかが関わります。サイズ違いの制服を利用開始前に替えることと、何か月も着た後に交換することでは、扱いが異なる場合があります。会社の担当者が一括で申し込むのか、着用する本人が個別に申請するのかも、手続きに関わるでしょう。商品案内に書かれた「交換可」をそのまま読み上げる前に、対象となる契約と手続きを確認します。

たとえば「このプランでは利用開始後もサイズ交換を申請できます」と答えれば、少なくとも対象のプランと申請の可否が分かります。ただし、その一文だけで交換品の在庫や費用まで保証したことにはなりません。費用や返送方法が商品資料に書かれていなければ、別に確認します。短い返答にする時も、お客様の契約に関わる前提は省きません。

期間を尋ねられた場合も、起点が大切です。「交換まで5営業日」という案内だけでは、申請を受け付けた日からなのか、返送品を受け取った日からなのかが分かりません。この記事の期間は説明のための架空の例であり、実際の納期を示していません。現場では最新版の契約書と商品資料を確認してから答えます。覚えている日数が正しくても、起点を取り違えるとお客様の手配に影響します。

答えを短くしたいからといって「ケースによります」だけで終えると、お客様は何を確かめればよいか分かりません。現在の契約で分かる部分があれば、そこを先に伝えます。まだ聞いていない条件があれば、その一点を尋ねます。複数の契約をまとめて説明するより、今の質問に関係する条件を絞ったほうが、相手は返答を判断に使えます。

確定・条件付き・未確認の区別

返答に使う情報は三つに分けられます。現在の資料に明記された確定事項、契約や申請の状況によって変わる条件付きの事項、担当部署へ聞かなければ分からない未確認事項です。最初の一つを知っているからといって、残りまで確定した口調で話すと、後から説明を訂正することになります。

サイズ交換の申請を受け付けることが資料で確認できても、無償で交換できるかは別の確認です。「交換できます。ただし費用は分かりません」と後から付け足すより、「このプランでは交換を申請できます。返送にかかる費用は確認してお伝えします」と分けて話します。「できます」が申請の可否を指していると分かり、費用がまだ確定していないことも伝わります。

条件付きの事項では、その条件を先に置くと誤解が減ります。「追加費用なしで交換できます。ただし契約更新時だけです」より、「契約更新時に交換する場合は追加費用がかかりません」のほうが、利用期間中いつでも無料だという受け取り方を避けられます。実際の契約にその条件があると確認した時だけ、こうした返答を使います。例文の条件を自社商品の規則として借りてはいけません。

未確認の点があっても、すべてを持ち帰る必要はありません。申請が可能なことは分かり、交換品の在庫だけ分からないなら、その二つを分けます。「申請はこの窓口で受け付けています。ご希望のサイズの在庫は確認して返します」と伝えれば、お客様は今できることと、待つことを区別できます。未確認の項目を限定すると、次の連絡も具体的になります。

「調べます」だけでは、お客様は返答を待つ目安を持てません。申請の可否は資料で答え、変わる条件を具体的に示し、未確認の費用には返答時刻を付けます。

答えを分けるのは、確かめた事実まで曖昧にせず、確認が必要な箇所だけを残すためです。お客様が社内へ説明する場合も、確定した手続きと未定の費用を分けて伝えられます。営業担当者の返答がそのまま社内の判断材料になることを考え、条件を一緒に渡します。

制服レンタルの架空の商談

三浦亮さん(仮名、法人向け制服レンタルの営業)が店舗運営会社の担当者に契約内容を説明する、架空の場面です。この架空のプランでは、利用開始後もサイズ交換の申請を受け付ける設定にします。交換品の在庫、返送費用、申請後の所要日数は、三浦さんの手元の資料では確認できません。実在するサービスの規則や実績を示す事例ではありません。

担当者と三浦さんが、次のように話したとします。

担当者「利用をはじめた後でも、サイズを替えられますか?」
三浦さん「このプランでは、利用開始後もサイズ交換を申請できます。返送費用は契約担当に確認して、明日の午前中にお伝えします。交換品の在庫は、サイズが分かってから調べます」
担当者「いま着ているスタッフの制服のサイズを、来月替えたいと考えています」
三浦さん「交換後に着るサイズは、もう分かっていますか?」

最初の返答で三浦さんは申請の可否だけを言い切り、在庫と費用を未確認として残しました。担当者の次の言葉から、すでに制服を着ているスタッフの交換を考えていることが分かります。ただし、交換する枚数もサイズも、来月のいつ必要かもまだ聞いていません。三浦さんは在庫確認に必要なサイズを一つ尋ねます。お客様が話していない枚数や納期を見積もりに書き込まないためです。

もし担当者が「来月、本人に測り直してもらいます」と答えたら、在庫はすぐに確定できません。三浦さんは交換申請の窓口を案内し、サイズが分かった時に必要な手続きと、返送費用をいつ連絡するかを伝えます。未定のサイズは未定のままにして、今確認できる契約条件を先に調べます。

ここでの問い返しは、在庫を調べるのに必要なサイズが分かっているかを確かめるためです。担当者が「今日は交換の申請ができると分かれば十分です」と言えば、それ以上の質問を重ねずに済みます。お客様の用件が済んだか、回答のために追加情報が要るかで、次の一言を決めます。

確認する項目と返答の約束

「調べておきます」だけでは、お客様は何が返ってくるのか、いつまで待てばよいのか分かりません。交換について持ち帰るなら、確認する項目を言葉にします。「返送費用と、サイズが分かった後の申請手順を契約担当に確認します。明日の午前中にメールでお知らせします」という形です。日時や方法は、実際に守れる範囲で約束します。

確認先が複数ある場合は、在庫と契約条件を混ぜないようにします。在庫担当には希望サイズの有無、契約担当には返送費用の負担を聞く、と分けておけば、一方だけ返事が来た時にも残りが見えます。お客様への連絡では「交換できます」と一文だけ送らず、申請の窓口、費用、在庫の確認状況をそろえて伝えます。サイズが決まっていない場合は、在庫の確定を約束しません。

約束した時刻までに全部は分からなかった時も、判明したことと残ることを分けて連絡します。「返送費用は確認できました。交換品の在庫はサイズが分かり次第調べます」と言えば、次に必要な情報が伝わります。回答が遅れた事情を長く説明するより、お客様が次に何を知らせ、何を待つのかを示します。

社内へ確認を頼む時にも、お客様の言葉を変えないようにします。利用開始後のサイズ交換を聞かれたのに、「来月までに全員分を交換したい」と言い換えれば、社内で急ぎの案件として扱われるかもしれません。質問された内容、現在の契約、分かっている利用時期をそのまま記録します。サイズや枚数がまだ決まっていなければ、未定として残します。相談内容と営業側の推測を混ぜないことが、正確な回答につながります。

回答を確かめる練習

商品知識を覚える練習では、よく聞かれる質問を並べて答えを暗記しがちです。それだけでは、質問の条件が少し変わった時に答えを誤ることがあります。ロープレでは実際の製品資料を開き、質問ごとに確定事項、条件付きの事項、未確認事項を書き分けてみましょう。各項目に資料名や確認先を添えておけば、条件が変わった時に見直せます。

二人で練習する時は、お客様役が「今の契約でも交換できますか?」「返送費用は誰が払いますか?」と条件を変えて聞きます。営業役は分かるところだけを答え、分からないところは確認先と返答時刻を言葉にします。お客様役が聞いた後に、確定したことと待つことを説明できれば、伝え方の点検になります。話し方の滑らかさだけで評価せず、相手に条件が伝わったかを見ます。

練習を終えたら、曖昧だった返答を一つ選び、資料で答え直します。交換品の在庫と契約上の可否を一文に混ぜていたなら、別々の文にします。資料にない条件を自分の判断で補っていたなら、確認先を決めます。商談で同じ質問を受けた時には、資料の日付も確かめてから使います。練習で作った答えが、いつまでも有効とは限らないためです。

次の商談での返答

お客様から質問されたら、対象の契約を確かめ、今答えられることを先に伝えます。条件によって変わる点は条件を添え、手元で分からない点には確認先と返答時刻を示します。問い返すのは、回答に必要な情報が足りない時です。相手の質問に先に応じれば、その後の確認も何のためか伝わります。

  • 契約と手続きの対象範囲の確認
  • 確定事項、条件付き事項、未確認事項の区別
  • 確認先、返答方法、返答時刻の明示
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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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