 
	営業の型を持つだけで契約率が倍になる!
商品説明から入ると「また売り込みか」と身構えられがち。説明量を増やすほど主導権を失い、最後は「検討します」で終わるケースが多い。ここを抜け出す鍵は、説明ではなく「質問の型」で会話を設計することにある。
営業は「説明」ではなく「質問」が主導権を握る
しゃべっている側が主導権を握っている、これは誤解。主導権を握るのは質問して相手に話してもらっている側。
相手が話すほど欲求・ニーズが言語化され、こちらはリード役に徹しやすくなる。説明の前に「質問の型」で土台を作る。
営業はセンスではなく型で決まる。型があるだけで契約率は2倍に跳ね上がる。
型1:なぜお時間を取っていただけたのか(動機を引き出す)
最初のひと言で売り手か、専門アドバイザーかが決まる。入口でこう尋ねる。「なぜ今日はお時間を取っていただけたんですか?」
このたった1問で会話の主導権が営業→お客様へ移り、こちらは聴く場に入れる。面会の「きっかけ」ではなく「動機」を聞くのがポイント。
もし「あなたが頼んだからだよ」と返っても落ち着いて、「本当に必要なければお時間は取られないはずです。どんな理由がありましたか?」と丁寧に再質問する。
- 目的:会う理由=内側の動機を思い出してもらう
- 効果:売る時間→役立つ時間に切り替わる
- 注意:恐縮して説明に戻らない(質問を続ける)
型2:どんなことがあるんですか?(断りをチャンスに変える)
「時間がない」「お金がない」「他も検討中」などの断りは拒絶ではなく本音サイン。ここで引くのではなく、共感→掘り下げ。
基本の一言は「なるほど。どんなことがあるんですか?」相手の事情を尊重し、具体を聞き出す。十分に聴いた上で、「もしそれらの課題も解決できる方法があればどうですか?」と未来へ橋を架ける。
- 受け止め:ねぎらい+要約で安心感をつくる
- 深掘り:「なぜそう感じられるのですか?」で理由を明確化
- 提案予告:「解決できるとしたら?」で前向きな対話へ
断られた瞬間こそ関係が深まる入口。断り=会話を前に進める材料。
型3:ということはどう感じられますか?(納得で進むクロージング)
押すのではなく、相手の中の納得を「言葉にしてもらう」。締めの一言は「ということは、どのように感じられますか?」で十分。
お客様が良いと思った点を自分の言葉で再確認し、最後は「では具体的に進めましょうか」でそっと背中を支える。シーソーを少し傾ける感覚で、決断の主導権は相手に残す。
- 再確認:「どのあたりが特に良かったですか?」
- 意思表明:「ご自身としてはどうしていきたいですか?」
- 具体化:「では◯日から開始で進めてもよろしいでしょうか」
「押す」前に「感じてもらい、言ってもらう」――この順番を型として固定化する。
よくあるつまずきと切り返し例
ケース:入口で質問できない
対策:「質問したら嫌がられる」という思い込みを外す。定型で口慣らしする。「本当に必要なければ時間は取られないはず——どんな理由がありましたか?」
ケース:断りで会話が止まる
対策:即反論せず要約+共感→「どんなことがあるんですか?」→「解決できるならどうですか?」の順で架け橋をかける。
ケース:最後の一押しが強くなる
対策:評価の言語化を促し、「ということはどう感じられますか?」→相手の言葉をリフレイン→自然に具体化。
まとめ:今日から実践チェックリスト
- アプローチの最初に「なぜお時間を取っていただけたのか」を必ず聞く
- 断りには要約+共感→「どんなことがあるんですか?」→「解決できるならどうですか?」
- クロージングは「ということはどう感じられますか?」で納得を言語化
- 説明は後、質問が先。主導権は相手に置きつつ会話をリードする
- 定型フレーズを声出し練習して、商談前に口に乗せておく
 
 
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