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営業で声が小さい人は最初の一文と間の取り方を整える

声量より聞きやすさを作る最初の一文

営業で声が小さいと、自分には向いていないのではないかと感じる場面があります。商談の冒頭で相手に聞き返されると、その後の説明まで自信がなくなるものです。

けれど、声が小さい人が最初に直すのは、ただ声量を上げることだけではありません。最初の一文を短くし、相手が聞く準備をしてから話しはじめる形です。

小林正人さん(仮名、店舗照明販売業)は、初回商談で声が小さいと言われた経験がありました。小林さんは大きな声を出そうとして、早口になり、かえって相手に聞き返されていました。

この記事では、営業で声が小さい人が、声量だけに頼らず聞きやすさを作る方法を整理します。声の大きさより先に、最初の一文、目線、間を整えると、相手は話を受け取りやすくなります。

次のような悩みに向けた内容です。

  • 商談の冒頭で声が小さいと言われたことがある方
  • 大きく話そうとすると早口になってしまう方
  • 口下手でも聞きやすい営業の入り方を作りたい方

声量だけを上げようとする失敗

声が小さいと指摘されると、営業側は大きく話そうとします。もちろん、相手に届く声量は欠かせません。ただ、大きくしようとするほど体に力が入り、話す速度まで上がります。

小林さんは、店舗オーナーとの初回面談で「本日は照明の入れ替えについてご提案にまいりました」と一息で言いました。声を張ろうとして、語尾が早くなりました。オーナーは「すみません、もう一度お願いします」と言いました。

小林さんは、その瞬間に焦り、さらに説明を続けました。照明の明るさ、電気代、交換時期をまとめて話しました。オーナーは聞いてくれましたが、質問は出ませんでした。

声が小さい営業の課題は、声量だけで決まるわけではありません。 相手が聞き取りやすい長さと間がないと、声を大きくしても届きにくいのです。

最初の一文を短くする練習

小林さんは、冒頭の一文を変えました。「今日は、店内の暗く感じる場所を一緒に見たいです」と短く言いました。その後で一拍置き、オーナーの表情を見ました。

オーナーは「入口の棚が暗いです」と答えました。小林さんはすぐ商品説明に入らず、「入口の棚ですね」と受けました。ここで、声の大きさよりも会話の受け渡しが生まれました。

最初の一文が短いと、相手は聞き返しにくさを感じにくくなります。営業側も、途中で息が切れません。声が大きくなくても、言葉が短ければ相手に届きやすくなります。

声を張る前に、一文を短く切るだけで、商談の冒頭は落ち着きます。 声の練習は、文章の長さを変えるところからはじめてもよいのです。

目線と間で変わる聞こえ方

声が小さい人は、話しながら資料を見続けると、さらに聞こえにくくなります。小林さんも、以前はカタログを見ながら話していました。声が下に落ち、相手に届きにくくなっていました。

そこで小林さんは、最初の一文だけ顔を上げて言うようにしました。「まず、入口の棚がどう見えるか確認したいです」と言い、そこで止まります。その後で資料を開きました。

この順番に変えると、オーナーは最初の目的を聞いてから資料を見られます。小林さんの声が急に大きくなったわけではありません。声の向きと間が変わったのです。

表現の練習では、声量、表情、うなずきが一緒に見られます。声が小さい人ほど、声だけを直そうとせず、最初の一文を顔を上げて届ける練習をします。これなら営業経験が浅い人でも取り組みやすいでしょう。

聞き返された後の返し方

聞き返された時に、小林さんは以前なら「すみません」と言って同じ文を早く繰り返していました。すると、相手はまた聞き取りにくくなります。

今は、聞き返されたら文を半分にします。オーナーに聞き返された時、小林さんは「入口の棚です」と言い直しました。続けて、「ここが暗いと感じる時間帯はありますか?」と聞きました。

同じ文章を大きく繰り返すより、短い言葉に分けた方が相手は受け取りやすくなります。聞き返しは失敗の合図ではありません。文を短くする合図として扱えます。

聞き返された時は、声量を責める前に、文の長さを半分にします。 そこから相手の言葉を一つ聞けば、会話は止まりません。

声を整えた後の商談の変化

小林さんは、次の商談で最初の一文を短くし、顔を上げてから話しました。「今日は、入口の見やすさを確認したいです」。この一文の後、二秒ほど待ちました。

オーナーは「夕方になると暗いです」と答えました。小林さんは「夕方ですね」と受け、「値札を読む時に困る時間ですか?」と聞きました。

オーナーは「そうです。値札も見えにくいです」と話しました。ここで小林さんは、照明器具の説明より先に、夕方の値札の見え方を確認しました。声が小さいという悩みから、相手が見ている場面へ会話が移りました。

その後の提案では、小林さんは明るさの数値を長く説明しませんでした。夕方に棚を見る時の読みにくさを中心に話しました。オーナーは「そこなら変えたいです」と答えました。

声が小さい人の営業は、元気な話し方を真似する必要はありません。聞きやすい一文、顔を上げる時間、相手が考える間を作れば、落ち着いた話し方でも商談は進みます。

小林さんはロープレでも、最初の一文だけを何度も練習しました。長い説明を暗記する練習ではなく、「本日は、店内の見やすさを一緒に確かめたいです」と言って二秒待つ練習です。相手役には、聞こえたかどうかだけでなく、話し始めを待てたかも見てもらいました。

この練習をすると、小林さんは声を無理に張らなくなりました。声が小さいままでもよいという意味ではありません。相手に届く声を出しながら、短い文と間で受け取りやすくするのです。

小林さんは、商談前の確認項目も一つに絞りました。声の大きさ、姿勢、資料の順番を全部直そうとすると、本番前に頭がいっぱいになります。そこで「最初の一文を短く言って待つ」だけをチェックしました。

相手役との練習では、聞こえにくかった時の言い直しも決めました。場所だけを短く言い直す。相手の言葉を受けてから次を聞く。この二つだけを準備すると、聞き返された時に慌てにくくなります。

本番では、オーナーが一度だけ「入口ですか?」と聞き返しました。小林さんは、以前のように全部を言い直しませんでした。「はい、その棚です」と答え、「夕方に暗く感じる場所です」と一文だけ足しました。オーナーは「そこです」と返しました。

このやり取りで、小林さんは聞き返しを失敗として引きずりませんでした。むしろ、相手が見ている場所を確認する機会に変えました。声が小さい悩みを抱える人ほど、聞き返しを怖がります。しかし、短く言い直せる準備があれば、会話は続きます。

声の小ささを直す練習は、根性論から離すと続きます。腹から声を出す練習だけにすると、商談中の聞きやすさと結びつきにくくなります。営業の現場では、相手の耳に届く長さ、相手が返す間、目線の向きまで含めて練習します。

小林さんは最後に、提案書の冒頭も短くしました。以前は「照明環境改善提案」と書いていましたが、今回は「夕方の入口棚を見やすくする案」としました。商談で出た言葉と資料の入口をそろえたため、オーナーは自分の相談として読みやすくなりました。

小林さんは、商談後の振り返りでも声の大きさだけを点数にしませんでした。最初の一文を言った後に待てたか、聞き返された時に短く返せたか、相手の言葉から次へ進めたかを見ました。声量の反省だけで終えるより、次の商談で試す行動がはっきりします。

この見直しを続けると、小林さんは面談前に焦って声を張る準備をしなくなりました。資料の一枚目に、最初に言う短い文だけを書き、説明の前に相手を見る余白を作りました。声が小さい悩みを、準備の手順で扱えるようにしたのです。

次の訪問では、商談前にその一文を一度だけ読み、資料を閉じてから入室しました。準備を絞ったことで、話し始めの表情も固くなりにくくなりました。

声が小さい人に必要なのは、別人のように元気な営業になることではありません。相手が聞き取りやすい入口を作り、自分の落ち着いた話し方を商談に合う形へ整える取り組みです。

あなたも声が小さいと言われたことがあるなら、次の商談で冒頭だけを変えてください。最初の一文を短くし、顔を上げて言い、相手が返すまで待つ。その練習からはじめると、声量だけを気にするより会話が作りやすくなります。

営業Q&A

声が小さい人は営業に向いていませんか?

聞き返された経験があり、自信を失っている時です。

回答

向いていないとは限りません。相手に届く声は欠かせませんが、声量だけで営業は決まりません。短い一文、顔を上げる時間、間の取り方を整えると聞きやすさは変わります。

大きな声を出す練習からはじめるべきですか?

声の出し方をどこから直すか迷っている時です。

回答

まずは最初の一文を短くする練習からはじめましょう。長い文を大きく言うより、短い文を相手に向けて届ける方が、商談の入口では使いやすいです。

相手に届く話し始め

営業で声が小さい人の商談の入り方を解説しました。声量だけを直そうとする前に、最初の一文と間を整えると、相手は話を受け取りやすくなります。

  • 短くする最初の一文
  • 顔を上げて届ける声
  • 聞き返された時の言い直し

次の商談では、冒頭の一文だけを短くしてから話してください。相手が返すまで待てると、声が小さい不安に引っ張られず、相手の言葉から会話をはじめられます。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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