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カー用品店営業は機能より取付後の不安を先に聞く

取付後の不安から選ぶカー用品

カー用品店の営業では、性能や価格の説明に入りやすい場面があります。ドライブレコーダー、チャイルドシート、タイヤチェーン、車載充電器。商品ごとに機能が多く、説明する材料もたくさんあります。

森下怜さん(仮名、カー用品店で法人車両の装備相談を担当)は、以前、性能表を丁寧に説明していました。録画画質、保証期間、取付工賃、在庫状況を順に伝えれば、相手は選びやすいと思っていたのです。

しかし、法人車両の担当者は最後に別のことを聞きました。「取り付けた後、ドライバーから何を聞かれますか」「夜間の映像は確認しやすいですか」「故障した時は誰が外しますか」。森下さんは、商品を選ぶ前に、取付後の不安を聞いていませんでした。

カー用品店営業では、機能より先に取付後の不安を聞くと、商品説明の順番が決まります。

相手が気にしているのは、買う瞬間だけでなく、車に付けた後に困らないかです。この記事では、カー用品店営業で、取付後の使い方から提案を組み立てる方法を解説します。

こんな人におすすめの記事です。

  • カー用品店で機能説明が長くなりやすい方
  • 法人車両や家族利用の相談で判断材料を聞きたい方
  • 取付後の不安を聞いて納得につなげたい方

これから一つひとつ見ていきましょう。

性能表だけでは決まらない理由

カー用品は、説明できる性能が多い商品です。録画時間、画角、耐久性、保証、取付時間。営業側が一つずつ話すほど、相手は比較しやすくなるように見えます。

けれど、相手の頭の中では別の問いが動いています。取り付けた後に運転する人が使えるか。家族に説明できるか。会社の車両なら、誰が映像を確認するのか。故障時に業務が止まらないか。性能表を読んでも、この不安は残ります。

森下さんが担当した法人車両の相談でも、担当者は最初に価格を聞きました。森下さんは3機種の料金を説明しました。しかし担当者の表情は明るくなりません。そこで聞き方を変えました。

森下さん「価格の前に、取り付けた後でドライバーさんから聞かれそうなことはありますか」
担当者「録画されているか、自分で確認できるのかを聞かれそうです」
森下さん「録画確認ですね。では、画質の数字より先に、確認画面の見やすさから見ましょう」

この会話で、説明の入口が変わりました。録画画質を数字だけで話す前に、誰がどの画面を見るのかを確認できます。

カー用品は車に付けた後から本番です。取付当日は納得しても、翌週に使い方が分からなければ不満になります。特に法人車両では、買う人、運転する人、確認する人が違うことがあります。だから、取付後の不安を先に聞くのです。

見ている相手の違い

森下さんは、取付後の不安を三つの相手で見ました。運転する人、確認する人、説明する人です。この三つを分けると、商品説明の焦点が絞れます。

相手 聞く不安
運転する人 操作が分かるか
確認する人 映像や状態を見られるか
説明する人 家族や社内に説明できるか

この三つは、後段でも同じ言葉で扱います。運転する人、確認する人、説明する人です。途中で利用者、管理者、担当者などに広げすぎると、相手が誰の不安を話しているのか分かりにくくなります。

森下さんは、店頭で次のように聞きます。

「この商品を取り付けた後、運転する人、確認する人、説明する人の中で、一番不安が出そうなのはどなたですか」

相手が「運転する人です」と答えたら、操作の少なさやボタンの見やすさを先に見ます。「確認する人です」と答えたら、映像の見方や保存方法を先に見ます。「説明する人です」と答えたら、家族や社内にどう伝えるかを一緒に考えます。

商品を選ぶ前に相手の役割を分けると、機能説明は相手の不安に合いやすくなります。

売場で見える不安の合図

カー用品店では、相手の動きにも不安が出ます。森下さんは、商品棚の前で相手がどこを見ているかを観察しました。箱の価格だけを見る人、取付工賃の表示を見る人、保証説明の小さな文字を見る人。同じ商品でも、見ている場所が違います。

ある担当者は、ドライブレコーダーの箱を持ちながら、何度も取付時間の表示を見ていました。森下さんは、性能を話す前に聞きました。

森下さん「取付時間が気になりますか」
担当者「はい。営業車を止める時間が長いと困ります」
森下さん「営業車を止める時間ですね。では、性能より先に、作業時間と代車の確認から見ます」

担当者の言葉は「営業車を止める時間」です。後段でも、この言葉を変えずに使います。森下さんは見積の備考にも「営業車を止める時間を確認」と書きました。

相手が見ている場所を一つ拾うと、質問は自然に出せます。価格、取付時間、保証、確認画面。どこを見ているかは、相手が不安に思っている場所を教えてくれます。

この観察は、押しつけではありません。相手の目線や手の動きから、話しやすい入口を探すだけです。相手が価格を見ているなら価格の理由を聞きます。取付時間を見ているなら、車を止められる時間を聞きます。

取付後の説明文を先に作る

森下さんは、提案の最後に、取付後の説明文を一つ作るようにしました。商品名より先に、運転する人、確認する人、説明する人の誰に伝える文なのかを決めます。

たとえば、運転する人には「録画は自動で始まり、確認はこの画面で見ます」と短く伝えます。確認する人には「映像確認は管理画面で行い、保存期間はここで見ます」と伝えます。説明する人には「家族や社内には、操作、確認、故障時の連絡先を伝えます」とまとめます。

この説明文があると、相手は買った後を想像しやすくなります。機能の数を全部覚える必要はありません。取付後に誰に何を伝えるかが見えれば、商品は選びやすくなります。

森下さんは、見積書の下にも短い一文を添えました。「運転する人には操作、確認する人には映像確認、説明する人には故障時連絡先を案内」。この一文があると、法人担当者は社内に回しやすくなります。

ここで注意したいのは、説明文を長くしすぎないことです。取付後の不安を減らす文は、商品紹介の文章ではありません。相手が誰に何を話せばよいかを短く示す文です。

買った後の一文が作れると、商品説明は判断しやすい材料になります。

取付後に聞かれそうな質問

森下さんは、見積前に「取り付けた後、最初に聞かれそうな質問は何ですか」と聞くようにしました。相手がすぐ答えられない時は、運転する人、確認する人、説明する人の三つから選んでもらいます。

法人車両の担当者は、「運転する人から、録画が始まっているかを聞かれそうです」と答えました。森下さんは、その言葉を変えずに受けました。「録画が始まっているかですね。では、最初に見るのは録画開始の表示です」と伝えます。

ここで商品説明は短くなります。録画画質の細かい比較より、運転する人が録画開始を確認できるかを先に見ます。担当者が社内で説明する時も、「録画開始の表示を見れば分かります」と言えるようになります。

家族利用でも同じです。家族に説明する人が「母に操作を説明できるか不安です」と言ったなら、森下さんは操作ボタンと確認画面から見せます。価格や性能を後にしても、相手は置いていかれません。自分が説明する場面を思い浮かべながら商品を見られるからです。

取付後に聞かれそうな質問を先に聞くと、売場での説明は現場の使い方に近づきます。商品の良さを全部話すより、相手が後で答えることになる一問に合わせる方が、判断材料として残りやすくなります。

森下さんは、見積書にも取付後の不安を一文で残しました。「運転する人は録画開始を確認、確認する人は映像保存を確認、説明する人は故障時連絡先を案内」。この一文があると、相手は見積の金額だけを見ず、買った後に誰に何を伝えるかまで合わせて見られます。

また、複数の商品を並べる時も、価格順だけにしません。運転する人が困りにくい順、確認する人が見やすい順、説明する人が伝えやすい順で候補を並べます。相手の不安に合わせて並べると、同じ3商品でも比較の意味が変わります。

森下さんは、最後に「買った後に一番聞かれそうな質問」を相手に復唱してもらいました。相手が自分の言葉で言えるなら、その商品は社内や家族にも説明しやすくなります。

営業Q&A

価格だけ聞かれた時も取付後の不安を聞いてよいですか?

相手が早く金額を知りたい場面です。

回答

聞いてよいです。価格を隠さず、「合う商品を出すために、取り付けた後に誰が使うかだけ確認させてください」と短く添えます。確認するのは一つで十分です。

家族利用でも法人車両でも同じ聞き方でよいですか?

利用者が違う商談で迷う場面です。

回答

基本は同じです。ただし家族利用では、運転する人と説明する人が家族内にいます。法人車両では、運転する人、確認する人、説明する人が別になりやすいので、三つを分けて聞くと整理しやすくなります。

買った後を想像する確認

カー用品店営業では、性能や価格の説明に入る前に、取付後の不安を聞きます。三つの役割を分けると、商品説明の順番が自然に決まります。

  • 性能表の前に聞く取付後の不安
  • 運転する人、確認する人、説明する人の三つの視点
  • 家族や社内に伝えやすい取付後の説明文

次の接客では、価格を答える前に「取り付けた後、誰が一番困りそうですか」と聞いてください。商品は、その答えに合わせて選びやすくなります。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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