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行政書士の営業がうまくいかない一人社長へ|質問だけで契約が決まる3つのコツ



行政書士業を営む一人社長から「相談に来てもらえても契約までつながらないのです」というご相談がよく届きます。面談で何を話すかではなく、何を聞くかが契約を分けています。
許認可・遺言・相続・補助金など扱う案件はさまざまでも、お客様の「お願いしたい」という決断を引き出すプロセスは同じ。商品説明より先に、相手の状況を引き出す質問が効きます。面談の進め方を変えるだけで、契約率は驚くほど上がります。
この記事を読んでいただくことで、初回面談から契約に至る流れがつかめます。最後までご覧ください。



こんな人におすすめの記事です。

  • 初回相談はあるのに契約まで至らない
  • 面談で説明ばかりしてしまい、お客様の反応が薄い
  • 「考えます」と言われたきり連絡が来ない

これから一つひとつ見ていきましょう。



行政書士の面談で契約に至らない一人社長によくある勘違い



行政書士業の一人社長から面談の悩みを伺うと、ほとんどの方が同じ落とし穴にハマっています。「制度や手続きを丁寧に説明すれば、お客様は理解して契約してくれる」という思い込みです。



許認可業務の要件、必要書類、報酬額、申請までの期間――確かに正確な情報をお伝えすることはプロの責任です。けれども、お客様の側からすると、はじめて聞く専門用語が次々と出てくる面談は緊張するばかり。「考えます」と言って帰り、検討の場面でほかの行政書士と比較されて、結局は知人の紹介の先生を選ぶ。あなたも、こんな経験はありませんか?



私は22年間で1,000件以上の商談を経験し、1,000人を超える営業相談を受けてきました。士業の一人社長から相談されるたびに同じことをお伝えします。面談の8割は質問に使い、説明は残り2割でいいのです。これが逆転営業の基本姿勢です。



説明型の面談と、質問の面談



従来の士業の面談では、相談内容を聞いた後すぐに「では制度はこうなっておりまして」と説明に入るのが一般的でした。けれども、お客様は来訪する前に検索でひと通り情報を集めています。「説明してくれる先生」ではなく「自分の状況を分かってくれる先生」を求めているのです。



そのなかで成果を出している行政書士は、面談の進め方を変えています。「たとえば?」「なぜ?」「ということは?」――この3つの質問でお客様自身に状況を整理してもらい、必要な手続きの優先順位を一緒に見つけていきます。説明はあとで、お客様の言葉に合わせて最小限で伝えるだけです。



行政書士の面談で契約が決まる3つのコツ



初回相談から契約につなげる流れには、決まった順番があります。次の3つのコツを押さえてください。



  1. 面談冒頭で「来訪の動機」をたずねる
  2. すぐに案件の本題に入らず、なぜ今日来てくださったかを聞く。ここで信頼の入口が開きます。

  3. 現状を全体の50%の時間でじっくり聞く
  4. 許認可・相続・補助金など案件の表面の話だけでなく、その背景にあるお客様の事業や暮らしを聞き出します。

  5. テストクロージングで意思を確認する
  6. 「どのように感じられますか?」と聞いてから提案する。決めるのはお客様です。



1. 面談冒頭で「来訪の動機」をたずねる



面談がはじまったら、すぐに案件の話に入らないでください。「ありがとうございます。今日はどういうお気持ちでお越しくださったのですか?」――このひと言が、お客様の警戒心を解く入口になります。



たとえば、建設業許可の相談に来られたAさん(建設業の一人社長)。前任の行政書士に相談したところ「準備中の書類で十分です」と言われたものの、ほかにも気になることがあって来られたそうです。Aさんに対応した行政書士業のBさんは、いきなり書類のチェックに入る代わりに「今日はどういう経緯でお越しいただけたのですか?」と聞きました。するとAさんから、許可だけでなく将来の経営承継までの不安が次々と語られはじめました。Bさんは話を全部聞き終えてから「では、今のお話を踏まえて優先順位を整理しましょう」と進め、その場で顧問契約に至りました。



面談冒頭の問いひとつで、お客様が話すか黙るかが決まります。低姿勢になりすぎる必要はありません。あなたは「書類を作成する人」ではなく「お客様の課題を一緒に整理するアドバイザー」だからです。



2. 現状を全体の50%の時間でじっくり聞く



面談で多くの行政書士が焦りがちなのが、現状把握をそこそこに切り上げて「では制度はこうで」と本題に入ってしまうことです。けれども、現状こそが提案の土台。お客様自身が「自分の状況」を言葉にできていないことが多いため、質問でそれを引き出してください。



使う質問はシンプルです。

  • 「たとえば、現在の事業はどのような状況ですか?」(現状の具体化)
  • 「なぜ、今この手続きを検討されているのですか?」(動機の深掘り)
  • 「ということは、これから先はどう進めていきたいとお考えですか?」(欲求の引き出し)
  • 「そのために、今やってらっしゃることは何ですか?」(解決策の確認)



許認可業務であれば、なぜ今このタイミングで取得したいのか、取得後にどう事業を広げるつもりか。相続業務であれば、ご家族構成だけでなく、ご家族の関係性や懸念事項まで。案件の表面ではなく、その背景の事業や暮らしまで聞くと、お客様は「この先生は分かってくれる」と感じてくださいます。



質問のあいだは「なるほど」「そうなのですね」と共感をはさんでください。営業の3ステップは「好意→質問→共感」。これを丁寧に回すと、お客様の方から本音を語ってくれます。



3. テストクロージングで意思を確認する



現状と欲求を十分に聞いた後、ようやく提案に移ります。けれども、いきなり「では契約書をお出しします」とは言いません。「今のお話を伺って、こんな進め方が一番お役に立てそうですが、どのように感じられますか?」――テストクロージングで意思を確認するのです。テストクロージングは契約を迫る技術ではなく、お客様の意思を確認するためのひと言です。



ここで大切なのは「売らないと決める勇気」。お客様にまだ迷いがあるなら、その場で結論を急がない。「もう少しご家族と相談されたいということでしたら、来週またお時間をいただければ十分です」と引いて待つ。これは消極的な姿勢ではなく、お客様への最大の誠意です。



あるCさん(行政書士業の一人社長)は、相続案件で初回面談時に即決を求めない方針に切り替えました。すると、後日「家族会議をしたうえで、ぜひお願いしたい」と連絡をもらえる確率が上がり、契約後のトラブルもグッと減ったそうです。押す勇気よりも、引く勇気の方が、長く続く取引につながります。



契約に至る面談と、断られる面談の違い



同じ「行政書士 営業」というジャンルでも、面談の進め方ひとつで結果は大きく変わります。私が現場で見てきた違いを並べます。



  • 制度説明から入るのが「断られる面談」|来訪の動機を聞くことから入るのが「契約に至る面談」
  • 専門用語を多用するのが「断られる面談」|お客様の言葉をそのまま使うのが「契約に至る面談」
  • すぐに見積を提示するのが「断られる面談」|現状を50%の時間で聞き切るのが「契約に至る面談」
  • その場で押し切るのが「断られる面談」|テストクロージングで意思確認するのが「契約に至る面談」
  • 契約後に連絡しないのが「断られる面談」|成果確認の連絡を仕組み化するのが「契約に至る面談」



違いを生むのは、知識量でも話の流暢さでもありません。質問の順番と、聞く姿勢。この2点だけです。コミュニケーションに苦手意識をもっている方が約60%、自分のコミュニケーション力は不十分だと感じている方が90%以上というデータもあります。けれども質問する力は何歳からでも伸ばせます。今日の面談から一つずつ取り入れてみてください。



営業Q&A



●質問 専門用語をどこまで使ってよいか分かりません

行政書士業の一人社長です。許認可業務を中心に扱っているのですが、面談でつい専門用語を使ってしまい、お客様が黙り込んでしまうことがあります。

正確に伝えようとするほど、お客様との距離が遠くなる気がします。どう変えていけばよいでしょうか。



● 回答

専門用語の使い方で悩まれる方は本当に多いです。ポイントは3つあります。

  1. お客様が使った言葉をそのまま返す
  2. 専門用語を出すなら必ず日常語に置き換える
  3. 説明より質問の比率を多くする



なぜなら、お客様が「分かった」と感じる瞬間は、専門知識を理解した瞬間ではなく「自分の言葉が通じた」と感じた瞬間だからです。お客様が「事業を畳もうかと思って」とおっしゃったら「畳もうとお考えなのですね」とそのまま返す。「廃業」「事業承継」という言葉に変換するのは、お客様の口からその言葉が出てからで遅くありません。



専門用語を使うときは「これは法律上『◯◯』と呼ぶのですが、要するにご家族で話し合っておく事項のことです」というように、必ず日常語に置き換えてください。一番大切なのは、相手のことを知りたいという純粋な姿勢ではないでしょうか。



まとめ

行政書士の面談で契約が決まる3つのコツを解説しました。いかがでしたか? 制度説明より先に質問が効くという感覚がつかめたはずです。
今日からはじめる3つの行動

  • 面談冒頭で来訪の動機をたずねる質問
  • 現状を50%の時間でじっくり聞く姿勢
  • テストクロージングでの意思確認

制度を完璧に覚えるだけでは契約は増えません。
まずは明日の面談で、ひと言「今日はどういうお気持ちでお越しくださったのですか?」と聞いてみましょう。
応援しています。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

 
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