顧客が感動する営業トークとは?

顧客が感動する営業トークとは?

感動を生む営業には「温度差を埋める力」がある

営業の現場では、「前回のお話をもとにご提案させていただきます」といきなり本題に入ってしまうケースがよくあります。
しかし、お客様の心はまだ準備できていません。営業側の「契約してもらいたい」という思いと、お客様の温度感にはズレがあるんです。

この“温度差”を埋めることが、感動する営業トークの第一歩。
営業が売るのは商品ではなく、「解決策」です。
カタログを開くのは、まだ早いのです。

「思い出し作業」で心を動かす

提案前にお客様の“動機”を思い出してもらうこと。
ここがプレゼン成功の分かれ道になります。

「なぜこの話を聞こうと思われたのか」――この問いを投げかけるだけで、お客様の心のスイッチが再び入るのです。
人は一晩で50%以上を忘れるといわれています。前回の意図を思い出してもらう時間が必要なんです。

プレゼン前に効果的な質問3選

  • なぜ今回、お話を聞いてみようと思われたんですか?
  • 前回のお話はいかがでしたか?
  • 前回から今日までの間に、どんなことをお考えでしたか?

この3つを通じて、お客様は自然に目的を思い出します。
そして「お役に立つと思います」と言ってもらえたら、そこからプレゼンを始めればいいのです。

“口プレ”から始めるプレゼン

いきなり資料を出すのではなく、まずは口でプレゼンする「口プレ」が効果的です。
「以前こうおっしゃっていましたよね。それを解決できる方法があるんです。」
と、興味を引いてからカタログを見せることで、ぐっと聞く姿勢が変わります。

営業は「商品ありき」ではなく、「解決策ありき」。
「この課題を解決する方法がこの商品です」という順番で話すのがコツです。

質問のリズムで共鳴を生む

プレゼンの中で一方的に説明をしてはいけません。
説明ではなく「質問のリズム」で進めることが、感動を生むカギです。

「こういった課題をおっしゃっていましたよね。それを実現するのがこの部分です。いかがですか?」
「先ほどお話しされていたこの点、こちらの仕組みで解決できそうですか?」

このように、会話のキャッチボールを続けることで、お客様の心が動いていきます。

プレゼンは“ハーモニー”で届ける

営業は商品を売る仕事ではなく、お客様の未来を変える仕事です。
その意識を持つだけで、営業は誇りある仕事になります。

私たちはプレゼンを「ハーモニーのように語る」と表現しています。
お客様が求めていた解決策が、いま目の前に現れた――
その瞬間の感動を、音楽のように届けるのです。

淡々と説明する営業は“音のないプレゼン”です。
感情の抑揚、間、声のトーン。
それらを意識するだけで、あなたのトークは劇的に変わります。

感動を生む3ステップ

  • 前回の目的を思い出してもらう
  • 課題を解決する提案をする
  • 質問のリズムでハーモニーを起こす

この流れで「聞いてみたい」が「欲しい」に変わります。

心に刺さる“ひと刺し”を届けよう

私はよく「針のひと刺し」と言います。
お客様の欲求やニーズにスッと刺さる一言こそが、感動トークの核心。

それは押し売りでもテクニックでもなく、相手の心に寄り添う“響く言葉”なのです。
あなたの一言が、誰かの未来を変える。
それが「顧客が感動する営業トーク」です。

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営業指導歴22年。1000件以上の顧客との商談経験。1000人以上の営業相談に応じてきた。ある経営者との出会いを機に営業ノウハウを体系化。元ニートの落ちこぼれ営業を最下位グループからたった1か月で全国300人中トップに一発逆転させた。営業経験・実績に基づいた、わかりやすい営業ノウハウ・セミナーでの解説に定評がある。

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